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─回想・櫻木の質問に対して─
[喉元に手をやり、皆のやり取りを見ていたところ、櫻木から声をかけられる。
不思議そうに櫻木を見てから、かすれた声で返答した]
声の聴き方、見方、その人の見る目……?
ごめんなさい、櫻木さんが何を聞きたいのか、よく分からなくて。
何を疑問に思ったのか、どういうことを聞きたいのか、もう少し補足してもらえるかな。
[ちらと投票箱に目をやる]
投票の後にでもまた、改めて。
[死んだんじゃ…?そう言葉を紡ぎそうになった口を慌てて押さえる]
え…何?どゆ事…?
っ……!?
[不意に首が誰かに強い力で締め付けられているようなそんな圧迫感を覚えて、思わずその場に倒れこむ]
かっ…はっ…!
[倒れこんだ視線の先に見えたのは、寺崎に首を絞められている自分の姿。
あれ?おかしいな…あたしはここにいるのに。
寺崎が謝れと叫んでいるのが聞こえる。
とにかく苦しくて、手を離して欲しくて、彼が言ってる事に納得はいかなかったが、とりあえず謝罪の言葉を口にしようとするも、ヒューヒューと掠れたような声しか出てこない]
ご……め……な……さ………
[それが更に彼を苛立たせてしまっているようだ。
首への圧迫感が益々強くなる]
たすっ………リウ…ヨシ、アキッ…!
[鷹野が隣の車両に移ろうと足を進める中、彼女はなんだか清々しい気分になった。大切な友だちだったはずなのに。
何人かが鷹野を追って、隣の車両へ行く。
何でだろうかーー。
彼女は不思議に思ったが、心は躍っていた。
隣の車両に行った全員が戻ってきたに隣の車両へ足を進める。スキップしないように気をつけるのは大変だった]
クルミちゃんにちゃんとお別れ言わなくちゃ。
[誰に言うでもなくつぶやくと扉をガラリと開け、ニンマリと笑う。
充満する血の匂いはとても甘く、彼女は酔わせる]
りぅはね、クルミちゃんのことだぁいすきだったよ。
[そして、だぁいきらいだったよ]
でも、ヨッシーとあんな風に仲良くしちゃダメだよ?
[だって、男の子はりぅのだもん]
りぅがクルミちゃんのこと愛してあげるからね。
[鷹野の頭を持ち上げると頬を撫でて、唇を寄せる。
血が少し手につくと顔を歪めて、鷹野の頭を落とす]
汚くしないでよーーー。
りぅのこと、こんなに汚すなんて!!
[そして、またニコニコと笑い出す]
ずっと友だちだよ、クルミちゃん。
[ふらふらと元の車両に戻り、長澤の横にぴたりと座った]
[その瞬間に首への圧迫感から開放され、必死に空気を吸い込む]
………ぷっはぁっ!!!
ぜぇー、ぜぇー…し、死ぬかと思った…!
[息を落ち着けてから、もう一人の自分と寺崎が見えた方向を見やると、もう一人の自分は糸の切れたマリオネットのように床に崩れ落ちていた]
……………ん?
[その後やってきた小鳥遊に首を鋏で切られたり、成瀬に頭を落とされたりしても寺崎にされた時に感じた肉体的な痛みのようなモノは一切感じなかった。
さっきの椎名の言葉と、この状況から何となく察するに自分はもしかして死んでしまったのだろうか?
死んだはずの近藤もいるし、ここは死後の世界なのかもしれない]
あたし…もしかして、死んじゃった…の、かな?
[うん。どうもそれっぽい感じがする。
そう言えば自分が車両に移ろうとする前、長澤が酷く慌てた感じで行くなと必死に言っていた気がする。
隣の車両に行くだけなのに、ヨシアキって案外寂しがり屋なんだなぁとか呑気に思っていたが…もしかして、何かを感じ取って引きとめようとしてくれたのだろうか。
視える人らしいし、それくらいの力はあったのかもしれない]
やり残した事…ですか。
そうですね……やり残した事というよりは未練があり、ます。
あたし、ヨシアキと、リウと…3人で一緒に汽車の中から逃げたかった。
あんなとこからさっさと逃げ出して、またいつものみたいに教室で馬鹿な話して騒ぎたかった…笑いあいたかった…です。
……帰りたかった…帰りたかったよぉおっ!
[最初はぼんやりとした口調でぼそぼそと喋っていたが、次第に涙混じりの声になって叫ぶように帰りたかったと叫び]
[どれ程の時が経っただろうか。
蹲って泣き喚いていたが、やがて鼻を啜りながらむっくりと起き上がる]
すんっ…すんっ…。
でもまぁ…死んじゃったモンはもうどうしようもないですよね。
[目元をゴシゴシと拭うと、椎名達に笑顔を見せて]
えへへっ…あたし、中学の事からずっとソフト部一筋で、恋愛のレの字もない学生生活をずっと送ってたんです。
だからヨシアキに守るよ、とか言ってもらえたり、手を握って貰えたり…なんていうか…うん。
あんな事されたらときめいちゃいます。
好きだーって思っちゃいますよね!
あたし、死ぬ前にヨシアキに恋する事が出来てよかったです。
欲を言えば…制服デートとかしてみたかったかな、とは思いますけどね。へへっ。
でも……。
[先程、成瀬がもう一人の自分に言っていた言葉を思い起こして、辛そうに目を伏せて]
あたしは…リウの事、傷つけていたんですね。
何か元気ないなとは気付いていたんですけど、状況が状況だったし仕方ないのかな…なんて思ってました。
ごめん、ごめんね、リウ…。
あたしずっと無神経に舞い上がってたね…。
[長澤の隣にぴったりと座る彼女を、申し訳なさそうな、若干嫉妬しているような…そんな複雑な面持ちで眺めていた。
因みにキスをされていた事は見なかった事にした。
さよなら、あたしのファーストキス]
/*
こっちに来てたのは生霊っぽいモノだった
↓
寺崎にSASTUGAIされた
↓
肉体とのリンクが解けた。もう何されても痛くないぜヒャッハー!
↓
死んだ事に落ち込むが、持ち前のお気楽さ加減で立ち直り
って流れのつもりだったんですけど、伝わりましたかね?w
RPがうまく出来ない泣いたwww
[投票の結果鷹野が隣の車両へと向かう。
その様子をただ扉に凭れぼんやりと眺めていた、数人が後を追うのも景色のように流れてゆく。
やがて血塗れの小鳥遊が帰ってきて漸く扉から背を離し]
先生は、いつでもお綺麗だと思いますよ?
失礼しますね。
[座席座って眠りについてしまった小鳥遊の前に恭しく跪く。
彼女の手を自身の掌に乗せ両の手で包み込み]
…何も感じないね。
小鳥遊先生も鬼じゃないみたいだ。
[そっと彼女の手を下ろし元居た場所に戻ろうとした時、寺崎の姿が目に映る。
先程より憔悴した様子で目を閉じる彼の頭にぽんと手を乗せ]
お疲れさま、おやすみ。
[寺崎の前から村瀬に向かい直る。]
さっき希望、出し損ねてしまったね。
見たい人と…死んでもらいたい人とで悩んでてさ。
誰かが僕が近藤さんを希望したから襲われたかもって言ってたし、悩んでたら出せなかった。
ごめんよ、村瀬さん。
希望は鷹野さんと小鳥遊先生で悩んでた。
鷹野さんは明確な返事が貰えなかったから。
どうにも僕を偽者扱いしたがってたみたいに感じた、長澤君を庇ってるのかもって。
小鳥遊先生は疑い方が自発じゃなく疑い返ししているように見えたから。
これは僕の偏った聞き方のせいかも知れないけど。
だから投票が鷹野さんに決まったみたいだから小鳥遊先生を見させて貰ったよ。
皆からの不信の目も多かったみたいだし。
[そこまで言うとクスクスと笑いだし、眠る小鳥遊に向け]
でもこれで先生も名の通り自由ですね。
鷹が居なくなれば小鳥が遊べる。
ああ、あくまでも僕目線での話ですけどね?
長澤君お待たせしたね。
[きっと帰ってきているだろう彼に向けにこやかに笑ってみせる。
自身は扉の前に戻って静かに結果を待つだろう。**]
[まただ。また声が聞こえる。
耳を塞いで片隅でガタガタと震えていた。
隣の車両に行くのは投票で決められた人だけのはずなのに、何故か皆入れ替わり立ち代りに隣の車両へ足を向ける。
皆変。変。変。なんで?
またしても血濡れで戻ってくる小鳥遊の姿を見て、思わず小さく言葉が漏れた]
センセー、変。**
[バクが顔を向けた方を見やると、淡い桃色の塊が此方へ近づいてくる。
鷹野さん、だ。
その姿はとてもヒトのかたちをしてはいなかったが、纏っている空気感から、近藤はすぐにそう悟った。]
……………。
[置かれた状況を理解していないのか、不安げに揺れてかたちを変え続けるそれを、声を出さず見守る。
やがて苦しげな息を吐き出したかと思うと、薄桃色の塊は、徐々に生前のクルミのかたちを成し始めた]
鷹野さん……、お疲れ様。
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