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[そして1年が経ち、また祭りの季節がやってくる。
化粧師と下駄の少女を消した夏が]
……またか。
[赤線が増えた自分あての手紙を見て呟く]
―神社の境内―
ンガムラさん…。
[消えた人の名を呼ぶ唇には、自分でのせた薄い紅。見下ろす先に、夕化粧の花]
私、誰にも言わなかったのに…。
[ポケットの中の手紙を握りしめ、祭りの会場へ向かう*]
…ねぇ、お父様。手紙、きてないかしら?
あぁ、やっぱりきてる、のね。
やっぱり。
ミナツちゃんと、ンガムラさんも、消されてる。
…お父様。私、出かけてくるわ。
シンヤが無事か、確かめなくちゃ。
…もう、シンヤしか、いないんだもの。
アンも、ムカイも、ミナツもいなくなっちゃった。
だから…シンヤだけは、いなくなってほしくないの。
…私が居なくなるかも、しれないけれど…
ごめんね、お父様。…いってきます。
…一昨年はムカイとアン、去年はミナツ…
オトハさんと、ンガムラさんも居なくなっちゃったけど。
毎年、友達が居なくなるなんて。
なんで、楽しいお祭りのはずなのに、こんな思いしなきゃいけないの。
……今年いなくなるのは、私?
それとも…**
[一瞬、眩暈のような、眠気のようなものに襲われる。視界が戻るのとともに、祭りのざわめきがまた戻ってきた]
毎度。
[お代を受け取ると、頬をぽりぽりとかいた]
そうね。
いつものお祭りのようだけど、なんだか少し違うみたい。
試しにあの人に声をかけてみましょうか。
[屋台のそばに立つ人影に声をかけてみる**]
そこの若者、占いはいかが?
いつ自分がここへ来たか…は、覚えてないんだ。
オトハねーさんと同じで。
[かしりと後頭を一つかく]
なんかどーも、頭がはっきりしないな。
……あー眠ぃ。
[30円を渡し、少しふらついた*]
[あれは賭けだったと、男は過去を振り返り想う。
「ただ、一度だけ」。
その言葉に込められし賽の意は二つ。
自身が身代わりになるか、それとも力が勝つか。]
ま、未熟だった、という事でしょう。
[風に飛ばした白粉の夕化粧花が揺れるのを見て。]
――ごめんねぇ。
[紡ぐ、言の葉は。肝心のあのひとには届かない。]
― 自宅 ―
神隠しだなんて、ライデンさんまでやめて下さい。
[数ヶ月前に夫となった男にそう言って、居間を後にする]
生贄の儀式を模すなんて話があったけど、どうなったのかな。
― 救護テント ―
ミナツちゃん……
[手紙の『シロ』を指でなぞった。
その下、ンガムラとムカイの名を見て眉根を寄せ俯く]
そういえば、消えた人すべてがシロではないの?
[テーブルの向こうに見えた足元。
赤い鼻緒が片方。
花の香りが鼻腔をくすぐる中、見上げて少女の名を*口にする*]
…ここ、どこ?
[記憶もなにもかも曖昧な中で、気がつけば屋台が立ち並ぶ中にいた]
あたしも神隠しされちゃったのかな…
…けど、大して変わらないのね、つまんない。
[そう呟くと、ふらふらと辺りを歩く。片方の足は素足のままで**]
[神社。賽銭箱の前の階段に座っている。
手には『8年前の自分』が写った写真。
比べるように、今朝方姿見に映った自分の姿を思い出す]
8年分、ちゃんと……
[ぽつりと漏らし、少しだけ唇をとがらせた]
[賽銭箱の前で、手を合わせては願う人々]
そのおねがいは どこにいくのかな
ねえ かみさま ?
[見えないものを追うように、視線を漂わせた*]
[ふらり踏み出した先
どこかで鬼ごっこ遊ぶ声に、蘇る子供の頃の光景]
泣いて探して走りまわって…
川の中に居るの見つけ、必死で手ぇ引っ張った。
あの時、あいつ、どんな顔してたっけ*
[声をかけられ、びくり立ち止まる]
あ…フユキ先生。
[小さく首を振り]
…私の力は、弱いものです。
年に一度、お祭りの日の明け方に、たった一人を…見ることができます。
[それからフユキをまっすぐに見て]
シンヤさんが…人ではない何かに、重なって見えました。
わからないけれど、怖い、何か。
去年、ンガムラさんを見た時とは、違っていました…。
― →神社 ―
[近くを見回ってくると言い残して救護テントを離れた。
賽銭箱の前でシンヤを見つけ、近づいて見上げる*]
ねぇ、何で少しずつ消えるんだろうね?
あと6人、このまま全員消えるんじゃないかって思ったりはしない?
みんなどこ行っちゃったんだろう。
いろんな方が集められている、
そう言った方が正しいのかもしれませんね…。
[オトハの言葉に、古い言い伝えをなぞり]
占い…そうですねぇ。
焼きそばにしようか杏飴にしようか…
げふん、いやもとい、
[告げ人 アン]と[学生 ムカイ]の未来なんかを、ひとつ。
[いい加減な事を口に乗せて願ってみた*]
ただ、見るんです。神隠しが起こるという、祭りの明け方…きっと、何かが「繋がる」のでしょう。
[方法を問うフユキに答え]
犯人、という言い方が正しいのかどうか。
でも、シンヤさんはおそらく、神隠しを起こす側に関わっています。
…なぜ、そんなことを?
どうすれば、止められるのでしょう?
シンヤさんは…今、どこに?
私が、隠した?
そんなわけ……
[ないと言い切るだけの証拠もなく、口元を手で隠し呟く]
気が触れて、私まで遠くにいってしまいそうになる。
[ぎゅっと唇を引き結んだ]
…あ、フユキ先生と、ヒナ姉様。
二人ともこんなところに…
───…え…?
シンヤが、神隠しにかかわってるって…
うそでしょ?
だってシンヤは、友達で…
───…シンヤなら、多分。
神社にいると思うわ。
よく、境内にいるの…見るから。
…私、いってくる。
シンヤに直接聞かなきゃ…信じられないもの。
リウさん。
私にもまだ、信じられません。
でも、私の見た、あれは…。
あれは、人ではないもの。
…待って。私も、聞きたいんです。シンヤさんに。
[本殿の方角へ向かうリウの、後を追う]
ふたりのうち、どっちかが
あの失踪事件に関わってる……ってこと?
それとも両方?
[内容が唐突すぎてうまく咀嚼できない。
しかし、何か証拠があるのだろうと、そんな風に感じていた]
集められた?
ンガさんは、この不思議な場所について何かご存じ?
[ポケットから拳銃を取り出して、狙いを定める]
アンさんと、ムカイ君の未来は…。
[引き金をひくと、ぱんと乾いた音が鳴った]
見えました。
[キッチン]で[蝶々を追いかけたくなった]ら結ばれるでしょう。
…罪な男ですね、ムカイ君は。
はい、30円。
―神社―
[ユウキの姿に、そしてリウの視線に、少し躊躇したけれど]
…シンヤ、さん。
貴方が…それとも、あなたの側にいたあれが、皆を隠したのですか?
去年、ご自分を調べろとおっしゃったのは、どうしてですか…?
いえ、詳しくは。
ただ――…
[と、言い掛けた所に聞こえた乾いた音。驚いて足許が<96>cmほど浮いた。]
…また罪な結果ですね。
[面食らいながらも三十円を払い]
誘(いざな)った代償として…
いや、そもそも何故毎年こうして…
我々を引き寄せたがるのでしょうね。
祭られし神は…
[ひっそりと残してきた標を眺め]
いや、もう神でないいのかも、知れないけど。
[手短に知り得る言い伝えを話し、首を捻る。]
[頭を抑え、顔は俯け、表情はきっと、周りからは見えない。通行人に心配をされるなら儲け物だ。
その内で、『僕』はひっそりと、微笑んだ。]
『おーにごっこすーるひーと
こーのゆーびとーまれ』
[神隠しは 来年も 確実に *終わらない*]
そう…ですか。
では、私が見たのは、貴方を「おに」にしているものなのですね。
私は…嘘なんて、ついていません。
真実を見るために、ンガムラさんが、私を護って下さった。
皆を隠した鬼は…シンヤさん、貴方です。
[触れるのは、唇の紅。昨年の記憶**]
『えっ あたしとムカイの未来?』
[アン―片足のみ赤靴、イカの姿焼きを両手に持った格好―が通りしな、ンガムラとオトハの間へ首をつっこみ]
『…うちの畑周りの蝶々は、害虫だから。
芋虫でいる間に潰しておくようにしてるの!』
[笑って立ち去った]
[驚くべき跳躍を見せた彼から代金を受け取ると]
誘った代償?
[反芻して、首を傾げる。自分は何に導かれたというのだろう。遠くで子供の声が聞こえる*]
…この指とーまれ。
懐かしいですね。
シンヤ、若先生。
ソラさんも、ここにいたの。
ね…シンヤ。
うそよね?シンヤが、みんなを神隠しに合わせた、なんて。
ムカイもアンも、ミナツも。
友達、だもの。
………シンヤが隠したなんて。うそ、よね?
鬼……?
そうだとしたら神隠しじゃなくて鬼隠し、
とかそんなのどうでもよくて!
[一度に処理すべき情報量があまりに多すぎて混乱する]
だとしたら……なんであんなこと。
どうして"鬼"が。
[うまく言葉にできない]
害虫、ですか。
[イカの香ばしい残り香を嗅ぎ]
いや、昔話ですのでなんとも。
ただ、戯れにしてはあまりにも、と思いまして。
…上手く、言葉に出来ないのですが――
[無邪気な声が、何処からともなく聞こえて。
交錯する思考は、*霧に霞む*]
『この指とーまれ』
?!
…ミナツ…?
[片方素足の少女を、遠目に捉える]
ミナツも、ここに…。
[呟きとため息が落ちる。
少々荒れた手つきで取りあげたモノは、傍の的屋の射的用の銃]
つかまえる、ね。
もはや鬼が誰だか分からないけど……
逃げた時点で疑わざるを得ないね。
違うんなら逃げる必要、ないんだからさ。
[シンヤを追ってソラもまた走り出す**]
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