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[懐中電灯を点灯させつつ、闇に浮かび上がる校舎を見上げるように眺める。ヨシアキに問い掛けられれば、其方を向いて首を傾げ]
ん?
寒いって、夏やぞ? 寒くはない……
けど、言われてみたら確かに、ちょっこし涼しいな。
足元とか、なんとなく冷たい気がするわ。
[地面を見下ろしながら答え]
私は異存無いですよー。
[リウの提案には手を上げて同意した]
夏なのに寒い気がする……
肝試しにはぴったりのエッセンスやな。
何や、寂しがり屋け?
[ヨシアキには、冗談のような言葉ととからかいの言葉を返しつつも]
ヨシアキこそ、一人はぐれたりせんようにな。
気を付けまっし。
[何処か真面目らしく、そのように続けて]
正体見たり枯れ尾花、とは言ったものさけ。
思い込みも時には大事なものやぞ?
心霊番組でもやらせやらせ言っとったらつまらんやろ。
[シンヤとナオが言うのを聞けばけらりと笑って]
いいんや。こういうのは雰囲気が大事なんやから。
そうけ? 寂しくなったらいつでも言って構わんさけな。
頭撫でてよしよししてやるさかい。
[ヨシアキには、頭を撫でる真似をしつつ]
期待しとるじー?
[軽い調子で頷き、少女も歩き出す。リウに囃されれば、其方を振り向いて]
だらな事言わんといて下さい。
其処、ナオも!
[乗ってきた友人もびしりと指差し]
子供心を忘れん事は時に大事やぞ?
[ヨシアキにはわざとずれた返事をし]
おいね。
いざという時はしっかり盾になって貰うが。
[頷き、先導のリウの後ろから歩き進んでいく。ナオには脳天に向けて軽くチョップを仕掛けつつ。職員玄関の付近に付けば、一旦足を止めた。
案の定怯えているタカハルを少し観察して]
なんてじまんらしい悪ガキや。
どくしょなあ。
[ヨシアキの返事に腕を組み、大仰に息を吐いてみせ]
そういえば、黒髪ロングのセーラー服って……
ホラー的にも定番やよなあ。
[ふと後ろで懐中電灯で地面を照らし見ているアンを振り向き、たわいもない事を呟いた]
だら、超が付く優しい処分や。
ほうやな、私もその頃は色々探検とかしとったわ。
休み時間に理科室に入り込んでみたり。
体育館裏で決闘ごっこしたり。
[ナオの話に頷いて]
くるー、きっとくるー。
花子さんなんて、何処にでもあるもんなあ。
此処にも、例に漏れず。
皆を助けてくれるような花子さんなら平和ねんけど。
ホワホワホワホワ……って。
[ナオの話に、小さく歌いながら玄関を見据える。ヨシアキやリウが校舎に入っていくのを見]
ん。……
[己も一歩足を踏み入れる。と、廊下の奥から生温い風が吹いてきたような気がした]
靴かあ。
そうやな、ヨシアキの提案でいいと思うじ。
[続けて靴を脱ぎ、手に持って]
そうそう。
アレ、時々助けて貰えんかったりするねんけどな。
昔はおとろしかったもんやわ。
[ヨシアキとナオに頷いて話す。ヨシアキがタカハルを脅かそうとする様が視界に入れば、肩を竦めつつも、止めはせず眺めていて*]
……ぶ。
[ヨシアキの目論見通りに全力で驚き、叫び駆け出し閉じ篭るタカハルの姿に、ぱちりと瞬いた後に噴き出すように笑い出した。口元を押さえ]
素直というかなんというか……
面白いやっちゃ。
[それから、ヨシアキと会話し出す様子を見ていて。視線が此方に向けられれば]
? 何ね?
[呟き、首を傾げた。歩き出すのを見れば近付いて一緒に下駄箱へと向かい]
ほーかほーか。
なーん、照れんでも、私に惚れるのは仕方ない事や。
ほやけど、アレやじ。私に惚れると火傷するじー?
[ヨシアキの言葉を聞き、タカハルが口走るのを聞けば、少し間を置いてからそんな事を言った。
うんうんと親身になったように頷き、腕を組んでかっこよさげなポーズを決めつつ]
まー、実際、幽霊なんて追い払ってやるわいね。
気合いがあれば何とでもなる!
安心しまっし。
[つん、と少々強めにタカハルの額を突付いて言った。やがて下駄箱に着けば、上履きに履き替えて]
さって。三階、な。
普段入らない教室に入るって、何かドキドキするわ。
[階段がある方向を見やり]
何ぞ、達観したような事言うじ?
そうやなあ、……
前から思ってんけど、学校の教室分けって、大抵アンチ年功序列ねんよな。
階段を昇るのが段々大変になるっていう。
あ、今のは洒落やないさけな。
[話題に、ふと思い出したように言って。タカハルが額を摩る様子には、にやりと笑った。
一段一段、階段を昇っていき]
……案外、これなんかが十三段やったりしてなあ。
[呟いては、タカハルをちらりと見]
女子相手に太ったとは、失礼な奴ながや。
階数が上やといちいちひどいやろいね。
[ヨシアキに言い返しつつ、階段を踏みしめる。一段、二段、少女も数えていきながら。
十二段を昇り終えて]
何や、残念やな。
やって、検証していかんとやわいね。
まあ、階段はたっだあるし、後回しやけど。
[タカハルを振り向いては悪びれず]
全く、デリカシーのないやっちゃ。
本当に無職独身五十代になるげんぞ。
そういえば、屋上も七不思議によくあるもんやな。
あったらラスボス候補や。
[三階へ向かい、更に階段を昇りつつ]
よっせ、と。
[三階に辿り着いたなら、教室に向かう前に一度立ち止まり、集う面々を確認した*だろう*]
……おらんな。
何処行ったんやろ、兄貴。
[ヨシアキが零した疑問に同意する。確認した集っている姿は、六人。己を入れて七人。一人、足りなかった]
私は、入ってくる前に見て……
それから、後ろで何か話しとる声は聞いたような気がするねんけど。誰か話しとったけ?
[周囲を見て訊ねる。セイジが話すのを聞けば]
ほうか。ならいいんやけど。
兄貴の事やさけ、迷っとらん事を祈るわ。
[頷き、やれやれというように*肩を竦めた*]
[セイジ達に続けて、教室の中に足を踏み入れる。倉庫のようになった暗い教室内を、少女も懐中電灯で照らし見て行く。セイジの呟きには気が付かなかったが、タカハルの問い掛けは聞こえて、其方を見やり]
……?
[妙に落ち着かず見える姿に、首を傾げつつも]
肝試しやもんなあ。
[すぐに視線を逸らし、窓際へと歩み寄っていった]
この教室でいいんやったら……
何処の窓なんでしょうねえ。
[己より先に進み出たリウの方を見て]
まあ、それしかないですよね。
確かめるって言う限り。
[リウに頷き、己も一番端の窓へと手をかける。ひんやりとしたサッシとガラスの温度が伝わってくる。鍵を開け、がらりと音を響かせて窓を開き]
……んー。
特に変わったとこはなさそうや。
[外を覗き込みつつ呟き]
ん? なーん、じゃまないって。
折角なんやから、思い切り良くいかんと。
[窓を閉め直しながら、駆け寄ってきたヨシアキに軽く笑って応える。と、リウの声が聞こえ]
先輩? どうかしました?
……何か、ありました?
[其方を見やり、訊ねかけた]
先輩!
[明らかに異常なリウの様子に、大きな声で呼び掛けた。ヨシアキが近付いていくのを見れば、下がれと言われながらも、己も半ば其方に寄っていって]
何なん。
何……例の生徒、け?
[表情に緊張の色を浮かべて呟き]
やったら、このままじゃ……
引き上げんと!
[手を伸ばすヨシアキに続こうとするように駆け寄ろうとして――二、三歩進んだところで止まった]
……あ、れ。足が……動かんく。
そんな事言って、一人で行って二人ともって事になったらどうするん!
ヨシアキが行くならいいって事、ないやろいね。
リウ先輩!
[叫び伸ばす手は、立ち止まった場からでは届かずに]
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