情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了
[1] [2] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
……ナオ。落ち着きまっし。
[へたり込むナオの姿に、其方を見て、眉を下げつつ声をかけた。錯乱しても仕方ない状況であるという事は、解り切っていたが]
じゃまないさけ。
[大丈夫だなどと断言出来ない状況でもあるという事も、解っていたが。とにかくそう言って]
ほうやな。ほうやったら、いいな。
消えた皆も、無事見つけて……
皆で下校しよう、な。
[ヨシアキの言葉に、神妙に、強く頷き]
ん。少し、この辺で休むか。
ほら、ナオも、ちょっこし座ってたらどうや。
[ナオの手を握り、もう片手で背を支えて、理科室の前から見える程近い階段へと歩いていく。一番下の段にナオを座らせ、その隣に己も腰掛けて]
言葉。そういえば、言霊ってあるさかいな。
言葉には魂が、力が宿る。
ほやさけ、いい事言ったらいい事が起こるし、悪い事言ったら悪い事が起こる、って。
[ヨシアキが座る様子を見やりつつ言う。ふと思い出したように携帯を取り出してみたが、やはり使い物にはならないようだった。電波が入らないどころか、電源も入らなかった。ふう、と息を吐き]
[ヨシアキが喋るのに、其方を見やり。
ぱちりと瞬く。お前だけは、俺が。ヨシアキの言葉は半ばで途切れたが――その続きは、何を言わんとしたのかは、なんとなく察せられてしまって]
……何や、言いたい事があるならはっきり……
や、いいわ。言わんときまっし。
[懐中電灯の明かりを消しつつ、顔を正面に向け逸らした。少しの間、黙っていた後]
……だら。
[聞こえるか聞こえないかの声で、ぽつりと呟いた]
[手の内の懐中電灯を見下ろし、くるくると軽く回しながら、ヨシアキの小さな声を聞いて。ややあって、はっきりとした声がかけられれば]
ん。いいうぇ。
[短く了承を返し、此方も立ち上がった]
[場を離れる前に、階段の方を一瞥した。タカハルがナオの隣に座る様子を見れば頷き、ヨシアキの後について歩き始める。近くの教室に入り込み]
……
[暗がりの中、ヨシアキの姿を見る。それから、紡がれる言葉を黙って聞いていた。視線は逸らさずに。声が途切れた後、暫くの間――数分にも思えたが、十数秒、精々数十秒の事だっただろう――沈黙を置いて]
――だら。
[まず、その一言だけを、また口にした]
こんなん、アレやろ。
死亡フラグやろ。
読者やらプレイヤーやらが、笑うとこやないのにと思いつつちょっと笑って和んじゃうようなとこやぞ、これ。
[早口に冗談を並べ語る。手にした懐中電灯を消したせいもあって、慣れた目でも暗い室内。故に見えはしなかっただろうが――少女の頬は幾分赤くなっていた]
私は……
……私も。
ヨシアキが好きなんやと、思う。
[そう、常とは違う、静かで引っ込みがちな声で言った。
少女は、ヨシアキの事を好きだと考えた事はなかった。あくまで大切な友人として、見ていた。好きだと思う相手は、他にいた。――担任である、ライデン。禁じられた、それを置いても一方的な思いだと知りながら、淡い恋心を抱いていた。
だが。
ヨシアキと共にいて、時折、常ならぬ感覚が生じる事があった。それが何かは、気が付かないでいたけれど。あるいは、気付かない振りで、誤魔化していたけれど。それは、間違いなく。
今こうして思いを伝えられて、少女は初めて正面から己の内に向き合い、自覚した。ヨシアキを好きだと思う気持ちを、認めた。――ライデンへの思いが、恋愛ごっことでもいうべき、淡く儚い青春の産物だった事も。
一呼吸置いてから、また口を開き]
守る、なんて言うなら……
遠慮なく守って貰うじ?
やけど……やからこそ。
ヨシアキも、気を付けまっし。
消えるなんて、許さんぞいよ。
[ヨシアキの選択を否定する事はしない。
切り捨てたのではなく選んだのだと、その上で当人も悩んだのだろうと、知っているから。己がそのような選択をしないとは言えなかったから。――その選択に、嬉しさを感じてしまったから。
代わりに言い聞かせるような言葉を、その姿をじっと見据えながら続けた]
[ヨシアキの言葉を聞けば、ふ、と笑って]
そうしまっしま。
私も、気を付けるさかい。
離れんようにするさかい。
……全く、堂々と恥ずかしい事言うやっちゃ。
今に始まった事やないけどな。
[その続きには少しく目を逸らしつつ]
一緒に、無事に学校出んとな。
[改めて願いを口し]
おいね、安心しまっし。
[近くまで来てよく見れば、頬が薄らと赤く染まっている事が知れたかもしれない]
ほーやほーや。
死亡フラグ立てて本当に……
なんてなったら、どんならんわ。
泣くに泣けんというか、笑うに笑えんというか。
[しかし話す調子はいつも通りに。肩を竦めてみせ]
そんなしょむない事にはならんようにせんと。
ようわからん相手に負けるなんてのは、癪やしな。
もしそうなったら、アレやろ。
しっかり幽霊になっとかんと。
ほんで図書室に行って、誰かに写真撮られるのを待たんとな。
……そういえば、写真撮ろうって言ってんな。
すっかり忘れてたわ。
校舎内撮るんも、そんな事態やなくなったし。
学校を出られたら……
って、これもばりばり死亡フラグやんな。
いじくらしいもんやわ。
[鞄の中にあるカメラを思いつつ言い]
そうやな。……そういや、セイジの事ねんけど。
何や、様子おかしかったやろ。
[ふと、先刻言いかけてやめていた事を話し出し]
あれ、もしかしたら、何か……霊やらに。
取り憑かれたりしとったんやないかと、思っとるんよ。
唐突な話やけど。
私、見たんよ。
セイジの周りに、白い靄が浮かぶの、一瞬だけ。
そん時は、声も別人みたいになっとって。
ほんで、話す内容が……あれやったから。
あれは……
検証せんなどんならん、みたいに言っとったけど。
……どんながやろな。
[決定的な打開策は、やはり浮かばなかったが]
[写真の話には頷いて鞄の紐を握り。
タカハルが教室の前まで来ていた事には、気が付かなかった。彼が階段を昇り出している事は、当然知る由もなく。ただ、ふっと首筋に冷たさを感じたような気がして、廊下側を振り向いた]
そうやな。
どうしたらいいか、教えてくれんけ?
って……教えてくれたらいいなあ。
[廊下の方から視線を外すと、空中に向かって言ってみてから、ヨシアキに向き直り]
まあ、ともかく、動いてみんとな。
流石に、とにかくやってみて……
ってわけには、いかんやろうけど。
[そう言うと、ヨシアキの方に手を伸ばし――その手に触れかけて、ふと動きを逸らし、袖を掴んでぐっと引っ張った。ぱっと手を離し、早足に先んじて扉へと向かい]
ほうやな。まだ二つしか確かめとらん。
兄貴やらシンヤが見た可能性も、なくはないけど……
万一そうでも何を見たかはわからんし。
わかっててもぎりぎりなくらいや。
[ヨシアキの声を背に、がらり、と扉を開ける。と、聞こえてきた単語に、一度振り向いた]
……階段?
階段は、二人がおるやろうけど……
やって、って。まさか本当に、声でも聞こえたん?
[唐突な提示に、首を傾げて]
七つ目は、誰か残ってればいいんやろうけど。
それ除いても、あと四つやもんな。
七不思議、消えるようなのばっかりやし。
引きずり込まれそうになったとこを逃げても、検証した事にはなるんやろうけど……
リウ先輩の時とセイジの時、考えるとなあ。
[思い出す。普通では敵わないような、紛れもない彼岸の力の顕現。溜息を吐いて]
だらな事言いなさんな。
粗塩とお札なら持ってきとるじ?
……まあ、ともあれ、行ってみるか。
どうせ、戻らなんし。
[己も憑かれているかも、と言うヨシアキにそう言ってから。廊下へと出て歩き始め]
何ぞ、変わった事があったら……
すぐ言いまっしよ。
くれぐれも隠したりせんようにな。
[ヨシアキと言葉を交わしつつ、階段付近と戻り着く。しんと静まり返った闇を見渡し]
……やな。
何処行ったんやろ。
[少しだけ表情を険しくして呟く。問い掛けには頷き、己も階段を昇り始めた。と、踊り場の暗がりの中に、立ち尽くすナオの姿が見えて]
ナオ? どうしたん、……
……タカハル!
[満ちる緊迫の気配に、ぽつりと呟く。そしてその視線の先を見、はっと名を呼んだ。其処には屋上への階段の最後の段を踏むタカハルの姿があった。
思考が巡る。階段の階段。十三段目を踏むと連れ去られる。あれは、何段目だろうか――]
タカハル!
[タカハルの足元が溶けるように歪むのが見えた。懐中電灯が転がり落ちる。助けて、と叫ぶ声に、駆け寄ろうと、手を伸ばそうとして]
……っ。
また……!
[足は床から上がらなかった。伸ばした手は空しく宙を掴む。リウの時と、同じように]
!
[ふっと。
炎が噴き消されるかのように、タカハルの姿はその場から消えた。それと同時に固まっていた体が動いた。階段を駆け上がる。一段、二段――十二段。十三段目は、その奈落は、跡形もなくなっていて]
……タカハル……。
[呟き、呆然とその場に佇んだ]
[1] [2] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了