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― 水の柱のあるところ ―
[フユキの命が尽きると同時に、
また水の柱にいる。
さきほどのことが夢ではない証拠には、そこにはいる存在といない存在がいて…。
消えていった世界の鏡たちは、もう、見えない。]
――……
[そのまま、また、柱に正座にかける。ただ、和装ではない。]
[そのまま、最後尽きた命を思う。
フユキの絶え絶えな息でも、生きたいと言った言葉。
隣の会いた5番の柱を見て、思案するように、
眉は徐々に寄せられ、やがて、瞼も伏せられた。
扇子を出して、開かず、唇に当て、
聞こえてくる八番、三番、二番の話も聞いている。
その中、己の頭に響く、
生きたいと願ったフユキの言葉の意味を深く刻んでいて……。]
――……大切なことは、
彼らを覚えていることじゃないでしょうか。
[ふと、ぽつりと。]
巻戻してしまえば、
それは、なかったことになるかもしれない。
忘れてしまうかもしれない。
でも、今この時、
きっとみなさん、思うでしょう。
忘れることはないと……。
[でもそれは、今の実質の解決にはならないこと、わかっている。
ただ、それだけ、今は言うと、また口をつぐむ。]
[12枚の鏡がそれぞれに世界を映し出す。
きっとそのまま、殺し合いなどせずに向き合っていれば、
焦点はひとつにあっていたのかもしれない。
だけれども、
今、残された鏡は6枚。
向き合っても、どうしても歪んでしまう。]
[そして、男は消してしまった世界が2つある。
おそらくどちらも、男が思うことすら拒否するだろう、選択して殺した世界。
その世界がもし、復活したら、どうなるだろう。
彼らは喜ぶだろうか。
自身は喜ぶだろうか。
――……否……
少なくとも、この記憶。
この殺し合いの記憶を持ったままであれば……。
きっと見る目は今以上に歪んだものになるだろう。
でも忘れてしまえば、
また、何も知らず繰り返される、殺し合い。]
[もし、復活となれば、
自身は、やはり、同じ行動をとるだろうと、漠然と思う。
そして、今度は、
今回以上に……そう、セイジやデンゴも殺すことになるかもしれないと思う。
そう、傲慢に世界を選択すると、きっと。]
[そして、ある柱、ない柱、見ながら、
ヨシアキとクルミのやるとりには、耳を澄ます。]
――……それは、本当に守りたいものがみつかったと、そう思っていいのでしょうか?
[惹かれ合っていることはわかっていて、
それを批判することはない。
ただ、二人に問い続けていたこと、
それに答えは出たのだと、思いながら。]
私は、このゲームは、
お互いの鏡を通して、
世界同士が知り合うものだったと思います。
でも、
消えてしまった世界は、でも、戻らない。
再生すればいいという問題でもない。
消した責任のとりようもない。
覆水盆に返らず。
起こってしまった事象、それによって生まれた結果、
残った世界のこと、考えていました。
[それは、デンゴに向かって話してはいたけれど、他にも聞こえるかもしれない。]
1の世界は、管理された世界
2の世界は、事象が解放された世界
3の世界は、戦いが置き換えられた世界
8の世界は、人と他の生命が違えた世界
9の世界は、大人と子どもが違えた世界
そんなところでしょうか?
ちなみに、私はやはり自世界を表現することにむつかしさを感じていますが、いずれにしても、
セイジさんとデンゴくん、
彼らは本来、人間、もしくは大人とともにあっては世界がなりたたない世界からきていました。
しかし、彼らは、人間であり、大人と生き残った。
これには意味があるのではないかと少し思っています。
私は、きっと、それ以外にも、
それぞれの世界はそれぞれと何か相いれれぬものがあった。
神が世界を作りすぎたというのは、そこに理由があったのではないかと思ったわけですよ。
[そして、扇子をたたんでまた開く。
そこには何も、文字はない。
そう、指示されるかのような文字は現れず、
そこに描く未来は、まだ未定であることだけがわかる。]
デンゴくん、
言いたいこと、わかるでしょうか?
私は、君が私たちとともに生き残っていること、
それは、きっと、
世界はすべて、重ね合わせることが、本当はできるのではないかと思っているのです。
[そこで、一息ついてから…。]
つまり、
考えているのは、
それらの世界の統合です。
[扇子またたたむ。
それは、綺麗な1の形になったあと、今度はひとつひとつ開く。]
本当はこれが12ならばよかった。
軸をひとつとして12ならば……。
だけどそれは理想です。
消えたものは戻らない。
[軸を中心に開く扇子をデンゴに持たせて…。]
こういうことになれないかと、
思っているのです。
バラバラではなく……。
[そして、また思案に沈んでから…。]
もちろん、安定がよくないといけません、
そして、軸となる部分。
ここに、神、はある。
私は、
自分の世界でも一人というわけではありませんが、
存在としては一つでした。
もし、考えが通るのであれば、
その軸となっても構いません。
そして、みなさんはそれぞれの世界、
いえ、統合された、一つの世界に戻られて、
そして、本当に一つになれるように…。
そんな風に、
考えてもみたのです。
[柱の中心はどう告げるだろうか。
そちらを見てから、また閉じて、意見が出るのを待つ…。** ]
変わらずともよいなら、
なぜ見せたのか。
そう、思っただけです。
ほかの世界に焦がれるような想いをさせた理由。
今までなし得なかったことであるなら、
最初から無理なのかもしれません。
無理であるから、
今消えた世界もある。
ただ、打ったことがない手がどう生きるのか
それとも全く無駄だったのか。
[そして思うは、消してしまった世界のこと。
責任をとるとかそういうことではない。
ただ、
どうしてだったのかと、
また思考の淵に沈む。
いや、至極簡単な理由だったことは気づいている。
まるで子どもだ。]
[一人で生きていた。
いや一人ぼっちなわけではない。
でも、気づけば、一人高いところから世界を見下ろしていた。
それは、人間でありながら、
人間でない感覚。
気づかなければよかったと思えるくらい、
静かな静かな孤独。]
カッコよかったんですよね。
[それは、
最初に手を結ぼうとした存在に。
世界を背負って戦うことがさだめられたかのような男に。
まるで少年がヒーローに憧れるかのような気持ち。
そして勝手に偶像化し、勝手に判断した。
そう、それは、誰かのために戦うといった行為への、
憧れが近かった。]
[何かのためだけに何事かをなす。
きっとそれができる者が
今を切り開ける。
そういう生き方を
男はできない。
そう、
男はいつまでも静かに、
静かに佇んでいる。**]
[ヨシアキとセイジの話がはじまり、
男は、それをゆるりと眺める。
セイジの主張は最初から変わらない。
彼の世界を思う気持ちと、ヨシアキやクルミが思う気持ち、同じ、世界を思う強さであるのに、
それは、伝わらない、通じ合わない。]
ああ、
やはり、統合、はない、ですか……。
[世界はそんなにうまくはできていない。
それを証明するかのよう。]
彼は自分で選ぶと言いましたから。
[小さく、そのつぶやく。
それから、誰を見るわけでもなく、
また、そこに静かにいる。*]
[ヨシアキの言葉が響く。
おそらくは、すれ違いだ。
彼も、彼も、世界を愛しているのに。
きっと、その表現が違うだけだ。やろうとしていることは……。
争いのない世界、そのはずなのに。]
――……
[何か言おうとして、何も言えずに、
次に、手をみずからの額に当てて、俯く。]
[額にあてた手は、しっとりと湿りを含み、
自分でも自覚しない大ため息。
それをゆるりとあげたのは、
球体から流れ出てた気というものだろうか、それがふいに途絶え……。
まるで、卵が孵化するかのように、壊れたから。]
マシロさんも、お達者で…。
[マシロの声が聞こえれば、そう呟いて。]
デンゴくん
[そして、そこにはデンゴがまだいただろう。
彼は彼の世界に帰るだろうと思った。
そう、なにより、その執着があったのだから。]
もう、会うことはないと思います。
ただ、君の夢の国がどう変わっても、
君の世界は、
君の思う幸せな世界になればいい。
[デンゴはどう答えただろうか。少し、話をしただろうか。
ともかく、彼とは笑みを見せることができるだろう。]
[そして、デンゴがその世界に帰る時、
その姿が消えるのを見送る。
子どもの世界がどうなるのか、それをきっとその後男が知ることはないけれど…。
振り返れば、
ヨシアキとクルミは並んでそこにいただろう。
その姿には、もう、むしろ穏やかさも湛えて、丁寧にお辞儀をする。]
私も、お二人にお任せして、
自分の世界に帰ります。
ただ、もう少し、ここで、
景色を眺めていてもいいですか?
[そう二人に告げて、
人がいなくなっていった柱と、砕け散った球体と、
彼が消えていった、宙の彼方を見上げた。]
君の世界には、大人はもういない。今まで大人になろうとするものもいなかった?
でも、そうですね。大人になっていくんですね。
[デンゴに目を細めて…。]
大人になるのは、そんなに悪くありません。
子どもはすぐに大人になれないですが、
大人は、時に、子どもにはすぐに戻れるものです。
こう、好きなものを忘れないでいられるのなら。
[ふと、映画音楽のオルゴールのメロディを思い出す。
男が、命をかけて、戦う映画は、好きでたまらなかった。
そうとはなれないと知っていても。]
きっと、デンゴくんはかっこいい大人になれます。
[それは保証しますよ、と付け加えて]
お目付け役、にはなれないと思います。
それに、私の視点は、私の勝手な思い込みも多くて、
しかも、私は、
私の世界を実はよく知りません。
[少し気がついたように]
今思えば、そういう世界なんでしょう。
自分の世界のことも知らず、
滅びも知らず、
世界を見ずに、個々が内なる世界に入り込んでしまった、無関心の世界。
[また、きっとむつかしい話だと言われても、一人納得しながら。]
だから、
私は、やはり、私の世界に帰って、
それを直さないといけないと思うのです。
[やらねばならないことをそう伝えて…。]
きっと、それは、
揉まれる……ことになるでしょうか?
[デンゴのアドバイスには、やや、戸惑って。
そう、ここでやったことは、決して褒められることではないから。
そう、今は、あった自信というものが実は砕けている。]
[それは少しだけ、慌てた顔になったかもしれない。
そして、それから、
セイジが去って……。
いつのまにか手にあった認識票に気づくのは、実は目を閉じて開けた時だった。]
――……
[眉が寄る。
違う、
額に手を当てたのは、
本当は、何かがこぼれそうになって、
それは、きっと、らしくなかった。
だから、我慢をしながら、
溢れる感情を出さないように、
出さないように、していた。]
[でも、それが、
きっと、いつも上から見下ろす男の、視点を
確実にかえるものであることは確かで…。
そう、世界に戻っても、その認識票は形保ったまま、あるだろう。
彼がいた、という、確かにいたという…。]
じゃ、私もそろそろ……。
[ヨシアキはこの景色も変えるらしい。
だから、その彼方だけもう一度見てから、
丁寧にお辞儀をすると、
いつのまにか、もう、そこにはいない。
残すものも何もなく…。**]
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