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[ゼンジおにいちゃんもボタンおばあちゃんも、準備をして出ていってます]
うん。るりもお部屋から荷物とってきます。
準備ができたら玄関ね。はい。わかりました。
[さっきもらったお人形をぎゅっと抱きしめて、*食堂を出て行った*]
ぎゃーーーーー!
[木綿のハンカチーフを引き裂いたような悲鳴が木霊した。
車のボンネットに、嫌がらせのように鳥の落し物が]
撃ち落とすぞコンニャロー!
[バサバサバサと、鳥が羽ばたく*音がした*]
[立ちあがり、ゆるゆると歩き出す。
自分の部屋へ行く前に、奇妙なオブジェが合った場所を見る。]
ひとおおかみ。かいぶつ。
[物憂げに呟き、一人言をはじめる]
ひとが考えるかいぶつは、いつもひとだ。
と、ぼくは思う。
常に怪物にならないように気をつけなければならない。
深淵を覗き込むものは、深淵にも覗き込まれているから。
[言って、思いなおしたようにノミを適当な場所にそっと置く]
というか、間違えて自分に突き刺しそうだ。
[くすりと笑った]
似合わないことをせずに、とんちで何とかしてみよう。
――ね。お姉さんたち。
駄目だったらゆっくり歌でも聞かせてよ。
[自分が死ぬのは悪くない。と思わなくもないしね。
とか言って、部屋へ向かった。
準備ができたら、すぐに玄関に行くだろう*]
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