20 あわうみの村
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大丈夫よ。
[膝を抱えるクルミに両手を伸べて、頬を包む]
何を後悔しているの?
あなたも、あの子も。
怖くなっちゃった?
[くすくすと笑った]
(36) 2008/01/11(金) 00:56:20
レンも泣いてる。
[淡々とそう言って、クルミの頬を撫ぜた]
[風が吹き込んだ途端、辺りにまたあの香りが充満して、ロッカは数回咳き込んだ]
やめて……。
[弱々しく吐露し、両手で耳を塞いだ]
知りたくない。やだ。
なんで?
どうしてこたえてくれないの。
[視線は窓の外、白い世界へ注がれて、じわり、涙が浮かんだ]
(43) 2008/01/11(金) 01:07:30
隊商 ロッカは、「死んでたなんて言わないでよ」と息を吐く。
2008/01/11(金) 01:08:33
聞こえるばっかりで、届かない……。
[クルミの首に腕を回して、しがみついた]
やだよ、
[呼ぼうとした人の名は、クルミの肩口でくぐもって音になりきれず]
(51) 2008/01/11(金) 01:18:35
[クルミに頭を撫でられると、身体中の力が抜けていく]
昨日、すぐ隣にいたのに、何言うの。
[いくら声を出しても、聞こえる音は確かなまま]
知らないよ。そんなの知らない。
[モミジに手を触れられると、びくりと顔を上げて]
嘘だって言って。夢だって言って。
今さっきまでいたのに。
やだよ……。
[嗄れた声を出して、その場に蹲った]
(61) 2008/01/11(金) 01:32:20
隊商 ロッカは、「いかないで……」ため息程の大きさで言った。
2008/01/11(金) 01:33:44
……あたし?
[その声は、誰に向かって発せられたものなのか。
涙を拭う手は、自分の物ではないような気がした]
[クルミの話>>64を真剣な面持ちで見つめて、静かに頷く]
くーちゃんは、悪くない。
悪戯をしたのは――
[カミサマ。
言った自分が恐ろしくなって、ロッカは両腕をさすった]
(65) 2008/01/11(金) 01:49:56
どこへゆくの?
[遠く問い掛けても、答えは返ってこない]
[モミジの『天国』という言葉が思い出されて、胸を突く。
クルミの手を握り締めて]
ひっぱられちゃ、ダメ。
たぶん。
[瞳を覗き込む]
(68) 2008/01/11(金) 02:00:06
隊商 ロッカは、やがて神殿を出て行くと、御神木を目指した。
2008/01/11(金) 02:00:36
[御神木の近くに咲く花に手を伸ばす。
陽を浴びて真っ白に輝く花を顔に寄せ、すぅ、と吸い込むと、あの甘い香りがした。
視界は眩んで、また、彼の悲しげな声が響く]
どうして、あたしにだけ聞こえるの?
[誰も、自分の問いに答えてはくれない。
黄泉にいるような気がしてしまうのに、自分はその外にいるのだと思い知らされるようで]
神様、まだもうすこし――。
[その先を唱えることは憚られて、しゃがみ込んだ。
衣を頭から被り、おずおすと右手を伸ばす]
(71) 2008/01/11(金) 02:12:37
隊商 ロッカは、衣が作る影の中、空中で掌を*握った*
2008/01/11(金) 02:14:44
[「待って」と「おいで」の声が錯綜する。
後者に飲み込まれそうになってようやく、ロッカは思い立った]
マシロちゃん、アンちゃん、ギンスイ、レンさん……。
(72) 2008/01/11(金) 17:31:06
隊商 ロッカは、神殿に戻り、鏡の前に置かれた古文書を開く。
2008/01/11(金) 17:32:02
さっきまで、生きてたんだから。
[旧字に手間取りながらも、いくつかに目星を付けて読み解いていく]
鎮魂の儀?開門、閉門の儀……
黄泉渡しの歌。
(73) 2008/01/11(金) 17:47:25
隊商 ロッカは、遠く、鳥が甲高く鳴く声を*聞いた*
2008/01/11(金) 17:47:53
―神殿―
こんなことありえない。
[昨晩から何度繰り返した言葉だろう。
否定すればするほどに、声が耳を突いて、これは現実だと囁く]
なら、あたしは“再び”に賭ける。
[古文書を閉じると、衣の裾を持ち上げて奥の間へと進んで行く]
(84) 2008/01/11(金) 22:16:38
隊商 ロッカは、厳重に仕舞われていた横笛を取り出した。
2008/01/11(金) 22:21:01
[ひんやりとしたガラスの重み。
初めて触れたはずなのに、酷く懐かしい気がした]
開と閉、どちらがどちら?
[内なる誰かに、問い掛ける]
[震える手で笛を口元に寄せ、すぅ、と息を吹き込んだ]
(93) 2008/01/11(金) 22:31:21
隊商 ロッカは、聞こえぬ声を乞い、祈りを込めた。
2008/01/11(金) 22:37:26
[手を止め、振り返る]
みんな自分勝手ね。
彼岸が還るべきところであると、誰が決めたの?
そう思わないと、いられないだけでしょう。
[くすくすと笑いを零す。
その声は、静かに空気を振るわせる]
(112) 2008/01/11(金) 23:00:17
呼んだと思っているの?呼べると思っているの?
違うわ。
[間をあけて、手からガラス製の横笛が零れ落ちた]
望んだのは、彼ら。
叶えたのは――。
[横笛の砕ける音が、響き渡った]
(117) 2008/01/11(金) 23:10:24
>>119
『死んだらどうなる』
[シンヤの言葉がずしりとのしかかって、ロッカは衣をぎゅぅと握り締めた]
知らないよ。
どうなるのかも、どうしたいのかも、聞こえない――。
[両目を閉じて耳をすませる。
再び瞳を開くと、世界は揺らいでいた]
(122) 2008/01/11(金) 23:17:39
隊商 ロッカは、「かみさま……」と縋る声を出す。
2008/01/11(金) 23:18:29
もう、未練がなくなったから、還って来ないの?
[問い掛けるのは、誰に対してなのか。
零れる滴は、頬を伝った]
(128) 2008/01/11(金) 23:26:47
[シンヤ>>127に顔を向け、首を横に振る]
苦しげに、くーちゃんの名を呼んでた。
さっきから、レンさんの声ばかり聞こえる。
あたしの声は届かなくて、ときどき――。
[記憶を辿ろうと虚空を見つめる]
なのに、こたえてくれない。
(131) 2008/01/11(金) 23:30:57
隊商 ロッカは、「邪魔をするの。神様の声が、他を消そうと」
2008/01/11(金) 23:31:52
マシロちゃん、どうして、そんなに穏やかな声なの?
[目を背けたくなる予感が、徐々にロッカの中で肥大していく。
がくりとその場にへたり込んだ]
(138) 2008/01/11(金) 23:38:56
[シンヤ>>136の言葉を微かに認識し、ゆるく首を振る]
違う。違うの。
[両手で顔を覆って俯いた]
(139) 2008/01/11(金) 23:41:09
隊商 ロッカは、くーちゃん、逝っちゃヤダ……。
2008/01/11(金) 23:41:23
なんで、還って来たりなんてしたの?
こなければ、こんな――。
[聞こえるのは水音。
河を渡る人の気配]
やだよぉ……。
[そうして、気付く。あの馨しい香りに]
(147) 2008/01/11(金) 23:51:47
わかんない。知らない。
[周りの言葉に、駄々をこねるように首を振る]
[と、わずかに目を見開いて、水音に交じる微かな声に耳をそばだてた]
――ぎんすい。
[零れる名は、初めて呼んだときのようなぎこちなさを孕んでいた]
(151) 2008/01/11(金) 23:55:47
隊商 ロッカは、「待って」とクルミに声をかけるが、思うように喋れず。
2008/01/11(金) 23:57:29
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