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おいね、安心しまっし。
[近くまで来てよく見れば、頬が薄らと赤く染まっている事が知れたかもしれない]
ほーやほーや。
死亡フラグ立てて本当に……
なんてなったら、どんならんわ。
泣くに泣けんというか、笑うに笑えんというか。
[しかし話す調子はいつも通りに。肩を竦めてみせ]
そんなしょむない事にはならんようにせんと。
ようわからん相手に負けるなんてのは、癪やしな。
・・・
[タカハルはそっと二人のいる教室の前から離れる。物音が聞こえたから伝えに来たのだが
そこで聞こえた会話
きっとあの物音は七不思議に関係するものだと思う。それに関わったら・・・きっと消えてしまうだろう。
タカハルは階段に戻り、ナオに伝える]
ちょっと様子を見てきますね。すぐ戻ってきますからここに居てください。先輩たちもすぐに戻ってくると思いますから。
[怖くなかった。と言えば嘘になる。でもそれ以上に・・・
タカハルは一段づつ階段を上る。
ナオがついてきていてもいなくても。
自分を止めても止めなくても。
その足は止まらない。
屋上に向かって]
[うっすらと、染まった頬の色
明かりのない教室に差す、月光に彩られて
その姿は、いつも以上に美しく
どくんと脈打つ胸を、悟られぬように
彼女の口調に、無理矢理あわせて]
死亡フラグ立ってたら、あれやん
あの世でわろうたら、ええやんけ
[手を伸ばせば、触れられるのだろうか
決して今まで、手を伸ばせなかった人に
でも、生きて出たいと願うのならば
焦ったりしては、いけないとも思うから]
どうしたら、出られるんやろな
七不思議の、七つ目
外に出られる、とかならええな
もしそうなったら、アレやろ。
しっかり幽霊になっとかんと。
ほんで図書室に行って、誰かに写真撮られるのを待たんとな。
……そういえば、写真撮ろうって言ってんな。
すっかり忘れてたわ。
校舎内撮るんも、そんな事態やなくなったし。
学校を出られたら……
って、これもばりばり死亡フラグやんな。
いじくらしいもんやわ。
[鞄の中にあるカメラを思いつつ言い]
そうやな。……そういや、セイジの事ねんけど。
何や、様子おかしかったやろ。
[ふと、先刻言いかけてやめていた事を話し出し]
二人の最初の写真は、心霊写真かい
それはそれで、おもろいんかな
でも、やっぱ
ちゃんと外に出て、写真撮りたいわ
二人だけの写真の一枚くらい、欲しいしな
ええんちゃう、死亡フラグでも
夢みるのは、タダやし
[セイジの異変には、気がついてはいたけど
でも何故か、それを強くは認識しなかった
だから、思い起こしてみるのだけれど]
ん…――――
少なくとも、口調はいつもと違ったな
あれ、もしかしたら、何か……霊やらに。
取り憑かれたりしとったんやないかと、思っとるんよ。
唐突な話やけど。
私、見たんよ。
セイジの周りに、白い靄が浮かぶの、一瞬だけ。
そん時は、声も別人みたいになっとって。
ほんで、話す内容が……あれやったから。
あれは……
検証せんなどんならん、みたいに言っとったけど。
……どんながやろな。
[決定的な打開策は、やはり浮かばなかったが]
[写真の話には頷いて鞄の紐を握り。
タカハルが教室の前まで来ていた事には、気が付かなかった。彼が階段を昇り出している事は、当然知る由もなく。ただ、ふっと首筋に冷たさを感じたような気がして、廊下側を振り向いた]
霊に、なぁ…―――
憑依されていたと、してやな
もう、セイジはおらん
やから、確認は出来ん、けど
願えば叶うと言うんなら
聞いたら、答えてくれるんと違うか?
[そんな事を、漠然と思ったけれど
背中は、今も冷たいままで]
そうやな。
どうしたらいいか、教えてくれんけ?
って……教えてくれたらいいなあ。
[廊下の方から視線を外すと、空中に向かって言ってみてから、ヨシアキに向き直り]
まあ、ともかく、動いてみんとな。
流石に、とにかくやってみて……
ってわけには、いかんやろうけど。
[そう言うと、ヨシアキの方に手を伸ばし――その手に触れかけて、ふと動きを逸らし、袖を掴んでぐっと引っ張った。ぱっと手を離し、早足に先んじて扉へと向かい]
…――――
[マシロの言葉に、背中が疼く
だが、それは言葉にしなかった]
そうやな、動いてみるか
七不思議を検証するのは、いいとして
人数が足りん、方法考えなな
[袖を、ぐっと引かれて
早足で扉に向かう様子に、息を吐く
手をつなぐのは、まだって事だろうか
それとも単純に、恥ずかしいと言う事だろうか
どちらでも、お預けには変わりない
仕方なく、後に続いた]
教えてあげても、いいんだけれど
私は、体を使えないんだよね
[器の背中から、流れを見ている
階段の方が、騒がしい
器に、それを伝えてあげるくらい、いいか]
ほうやな。まだ二つしか確かめとらん。
兄貴やらシンヤが見た可能性も、なくはないけど……
万一そうでも何を見たかはわからんし。
わかっててもぎりぎりなくらいや。
[ヨシアキの声を背に、がらり、と扉を開ける。と、聞こえてきた単語に、一度振り向いた]
……階段?
階段は、二人がおるやろうけど……
やって、って。まさか本当に、声でも聞こえたん?
[唐突な提示に、首を傾げて]
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