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/*
本気で、吊り描写がきつかった…
PL的には、最多弁のじゅんた。
村のムードメーカー的な彼を吊るのがホント辛くて。
でも、PC的な盛り上がりとして、
吊る場所ってそこぐらいしか今ないんですよね。
それぐらい、ジュンタとアンの繋がりが、
村の流れのキモになってたんだと思います。
だから、ジュンタには心からのお礼を。
そして、お疲れ様!
/*
ただ、目一杯頑張ってくれたジュンタの中の人には、
捉え方によっては最低な仕打ちかもしれない。
だから相当悩みました…
個人的には最大の賛辞のつもりです。
ですが、「このやろー!」という点もあるでしょう。
エピで、どんな言葉もきちりと聞かせて頂きます。
其の点についてはごめんなさい。
[天へと昇っていたはずの雪が]
…あ
[ゆっくりと再び、地へ降り積もり始める]
――。
[幾度目かの11月1日。]
ジュンタ……
[彼はどうなったのだろう、と。
"送信完了"の文字をぼんやり見つめ、思案する。]
[メールを送った後に食器を洗い終わりリビングへと戻ろうとする。
ふと携帯の液晶に目をやれば新しい日が始まる1分前。]
…………。
[手の中にあるそれをぎゅっと戻り、リビングへ入ればデンゴとジュンタの姿。
ふいにリビングにある時計が0時を告げるメロディーを奏で始めれば、目の前にいたはずのジュンタの姿がふわりと消える。
彼がいた場所に舞う白い雪。
それはアンが消えた時と同じで。]
え………?
う……そ……。
[信じられないと目を見開く。どんなにその場を見てもジュンタの姿はなくて。]
どうして…?
ずっと傍にいてくれるって言ったよね?
[ぽろぽろと目から零れ始める涙。
ジュンタが座っていた場所へとよろよろと近づけば、へたりと座り込む。
彼がいた場所には彼の携帯と白い雪が残っているだけで。]
うそ…!絶対うそ…!
[それ以上、言葉は出なくて、繋いだ手の温もりも好きだと言ってくれたあの声も笑顔も鮮明に覚えているのに、今はここにいない彼。
隣で呆然と見ているかもしれないデンゴに]
どうしてジュンタなの?
どうして?
[そう言って誰かに縋らずにはいられなくて。小さいその子に縋って涙が枯れるまで泣き続けた。]
[自分の指で彼の名を入力しておきながら。]
――。
[もしも、ジュンタが死者で。
彼が"還されて"いたとしたら。]
……。
[考えれば考える程に、落ち着かなくて。
そわそわと体を動かしては、]
[彼に電話をかけてみようか、と電話帳を開いたり。
彼の名を選び、かけようとして…閉じたり。
やがて、自責にも似た感情を感じながら、
ぐるりぐるりと同じ挙動を繰り返す]
イマリ、なんで俺に投票したのかな?
………うん、わかんねぇや。
イマリとのフラグ、どう処理したものか悩むなぁ。
美夏は最初から恋フラグたてに行ったけど。
イマリは友達フラグたてにいったらなんかおかしくなった。
……うん、そんな感じ。
でも、そんな感じってリアリティあって好きだったりする。
甘酸っぱいねぇージュンタクン
[……あれ……誰かが泣いている。誰が?どうして?あたりを見回せば、泣き崩れる美夏の姿。唖然とするデンゴ。あぁ、そうなんだな。俺は還されたんだな。]
……すんません、ズイハラさん……
俺、お役にたてませんでした………
[ぐっと握った拳には、感触もなく。]
[かちかちとせわしなく滑る指。
目的を達せずに、幾度も滑っては彷徨うだけ。
電話帳に在る彼の名を見る度に]
――。
[自分が送信した内容がリフレインし]
―、じゅ
[無意識に呟いていた名の切れ端に重ね]
っ
[きゅ、と唇を噛んだ]
[すぅ、と息を吸い、瞳を閉じる。
ぷるぷると小さく、体が震えていた。]
――。
[ゆっくりと瞳を開き]
…かける、から
[自分に言い聞かせる様に呟いて、コール]
――。
[通話、を押下すればやがて呼び出し音が鳴る。
あちらでも少し遅れて着信音が鳴るだろうか。]
[明日は、大切な日。
そう告げる携帯のスケジューラ。
窓の外、降り始める雪。]
…っ!?
[一瞬、通り過ぎるヘッドライト。
けれど、車の姿は無く。
とっさに押さえたこめかみ。
指先にぬめる、鮮やかな赤。]
…嘘だ。
[震える手を見つめたまま、瞬く。
はらりと幻のように、痕跡は消え去って。]
そんなはず、無い。
[暫くそうして泣き続けていればジュンタがいた場所に残された携帯からウィンターホールが流れ始める。
流れていた涙の痕をごしごしと手で拭い、縋っていたデンゴには]
ごめんね…。
[泣きはらした目で謝り、鼻をくすんと啜る。
彼の携帯を手に取り、表示を見れば「イマリ」の文字。]
………。
[誰とも話したくない。でも、この状況を伝えるべきなんだろうかと考えながら、通話ボタンをぽちりと押す。]
…………もしもし?
…ああ、かけてみるといい。
[異変については言えぬまま、イマリに頷いて、]
…メール?
[そこには、無機質な名前が5つ。]
…ジュンタ?
[欠けた、名前。]
[どれ位の長さの呼び出し音だったか。
それはとてつもなく長く感じられた。
出て欲しいけれど、出て欲しくない。
どちらであっても…彼に正直な自分を見せる事が。
いつも通り、会話する事が出来る自信は無かった。]
…あ!
[けれど。繋がった、とわかる、とつい声が漏れる。]
じゅ、
[ジュンタ。そう、名を呼ぼうとした所で]
……ミナツ、ちゃん?
[聴こえてきたのは、違う声で。]
[彼の名前を紡ごうとした相手が自分の名前を紡ぎ直すのが聴こえてくる。]
………そうです……。
[何か言葉を紡げばまた涙が零れそうで。ただ聞かれた事にこたえるのみで。
今、目の前であった事を伝えなければと思うのに言葉が出なかった。]
[電話越し、何かを堪えるような小さな声が帰る。
相手は問い掛けた名で間違いない様で]
…あの、其処にジュンタ、居る?
………連絡、貰ってたんだけど…
[自分の記憶から逃げる様に。
とぼけた様な質問を。恐らくはミナツにとって。
酷くなるかもしれない可能性のあるものを、
投げる。]
届いてますよ?
俺、お化けになっちゃったみたいで。
今なら、声がはっきり聞こえます。
………すんません。
[ゆらゆら、揺れている姿は陽炎のようであり。]
[イマリの問いにまた思い出したように涙が零れ始め、嗚咽が漏れる。]
……うっ……ジュンタ…消えちゃっ……たっ…。
[そう言えば、堪えきれずに声をあげ泣き始め]
ど…して…?
どうしてジュンタなの…?
[電話の向こうの相手に聞こえる悲痛な叫び。]
[不意に鳴る、俺の携帯。その着信音は、大切な……うん、大切な奴からの着信音。それに出るのは、愛した人。複雑。複雑。複雑。悲しくはない。だって皆、まだいるだから。]
………ごめん………
[呟いた言葉は、誰への言葉なんだろうか]
[まどろみから覚めた拍子に、制服のスカートから伸びている足がぴくりと動いた]
ここどこ……?
[寝返りをうって見上げた空は、いつか見た母親の喪服を思い出させた]
にぶいろ。
[相手の嗚咽に乗り、伝わる事実。
其れが頭をぐらぐらと揺らし、携帯を落としそうになる。]
……あ、…あの…ぇ…ぅ……
[口から漏れるのは、子供の言い訳の様な。
しどろもどろの、言葉とは呼べない、音。]
……。
[ミナツの声。叫びの様な其れを黙って聞き、]
……ごめん、あたし…
ごめん、なさい……
[反射的に、ぽろりと言葉が口をつく]
[電話の向こうで何かを言おうとしている彼女の声。
何を言おうとしてるのかわからない。
それでも泣き続けていれば、紡がれる謝罪の言葉。]
……ごめん……って…?
[彼女が何故謝るのかわからず、嗚咽を漏らしながらも尋ねる。]
[問われ、何も返せず、固まった]
ごめん、、本当に、ごめ
[応えるべき言葉が、うまく、出ない]
私、その…メールに…
[声は聞き取れないほどに、小さく]
[メールという言葉にはたりと思い当たる。彼女はきっとジュンタの名前を綴ったのだと。
口から責める言葉を紡ぎそうになる。
でも、自分も同じように違う人の名をメールに綴った。責められない…。
自分と同じようにこの人も言われた事をした。その結果。そう思えば責められなくて]
ごめん…な…さい…。
また…連絡します。
[そう言って彼女の返事を待つ事なくぷつりと通話を切る。
これ以上、彼女の声を聞いていれば責めてしまいそうだからそうすることしかできなかった。**]
[此方の言い訳の様な其れに、返る後輩の声。
それは、強く責める声ではなかったけれど。
…どんな言葉よりも、強く心を締め付けて]
――、あ、
[待って、とも云えず。
やがて声も何もしない、無機質な音が]
<ぷーっ、ぷーっ、ぷーっ……>
[鳴り響き、ミナツの声の代わり、となり]
――。
[それをただ、受け入れるように、
携帯を耳につけて、微動だにしない。]
馬鹿だな………俺が望んだ結果なのに。
[二人の電話を聞きつつ、ふわり漂う。]
………イマリんとこ、いってみるかな………
[彼女に想いを馳せれば、俺は彼女の元へと]
―コンビニ―
[そこにいるのは、ズイハラさんとイマリ。どうやら二人共無事らしい。俺は安堵した。ズイハラさんに一礼して]
おーいイマリ、元気かぁ?
なーに泣いちゃってるわけ?
馬鹿だなぁお前、何泣いちゃってるわけ?
[言葉はきっと届かないけれど。それでも]
馬鹿だなぁお前。寂しいんかよ?
ズイハラさん、困ってんぞ?
寂しい時は電話しろって言ったべ?
寂しい時は、遊びに来てやるって言ったべ?
ほら、来てやったぞ?ありがたく思えよな
[電話中のイマリを黙って待ち、漏れ聞こえる会話に目を伏せた。]
…イマリちゃん。
[結局何も言えず、幼子にするようにお団子頭をそっとなでてみる。]
[やがて、その音も止んでしまう。
自動的に携帯が状態をOFFにしたようだった。
完全に、あちらとは途切れてしまった。]
――。
[それでも携帯を握り締め。
まるで、向こうからの声を聞いている様に。
一つだけ、ゆるゆると首を縦に振ると]
――、
[静かに、頬を一筋の涙が流れた]
[頭を撫でられても、暫くは気付けない様に。
ただ、すぅ、と零れる涙に、
瞳は遠くを見つめて、いた。]
――、あ
[だが、不意に、お団子に触れる手に気付けば、
素っ頓狂な声と共にそちらへ視線を上げ]
…ズイハラ、さ
[涙声と共に。ぐしゃ、と顔を、歪めた]
よしよし、ズイハラさんに面倒かけんなよな。
………お前のせいじゃないから。
ズイハラさんに、思い出をやってくれ。
せめて、幸せな思い出を。
[ふっと二人から離れて、様子を眺めている]
[ただ、頷いて。
泣きそうな肩をワイシャツの腕が包む。
すがりつかれる事も構わないと。]
[されどその身のぬくもりは、既に淡く薄い。]
がんばれーズイハラさーん!
[スナック菓子を食べながら観戦しようとした。しかし食べられなかった。それ以前に袋すら開けられなかった。]
[何も、見えていなかった。
見て居たのは、居なくなった人の気持ち、だけ。
何処か、居なくなった母に罪悪感があったのか。
…一番大切な残されたものの気持ちを…。
今になり、身に染みて痛感する。]
――、ズイ、は
[彼に包まれれば、強く、縋りついた。
側に誰も居なければ。こうする相手が居なければ。
ひょっとすると、一人、
発狂じみた状態になったかもしれない。]
ずい、っ…
[しかし、其の身に触れ。止まる。
呼んだ名が、途中で凍り。喉の奥へと、還る。]
――、…?
[恐る恐ると言う具合に顔をゆっくりあげ。
すがりついている、彼の顔を。]
…ズイハラさん、なん、で
[涙目のまま、見上げる。]
[まだ、此処に居る。
そう、云われれば何と返していいかわからない。]
―、っ、…っ、
[右左に、ゆっくりと首を振った]
なんで、
[そして、俯いたまま]
…なんで?…どうして?
[答えの出ぬ問い掛けを]
………あはは。
ばれちゃったみたいですよ?ズイハラさん?
俺、はずしましょうか。
……アンの声がしたんっす。
俺、もう一度会いたいんす。
だから、探して来ます……ね。
イマリ、泣くな………よな。
[ふわり、コンビニを後にしようとした]
あぁそうだ。メモに返信しなきゃ。
イマリ>お疲れ……ごめん(ぎゅー
美夏>お疲れ。後は任せたっ!
でんご>ねぇちゃんの事、よろしく頼むな!
ズイハラさん>役たたずの狂ですいませんでしたorz
雀鬼学生 ジュンタは、コンビニの外でベリーダンスを踊った[栞]
/*
霊能の能力発揮の具合がいまいちよく飲み込めてねー気がする。
死者の声は聞こえる。けど墓下って生者死者の区別ないんだよな?
で、死者ってのは狼で、オレからは赤ログ見えねーし…
ええと…
きこえねーってことにしとこうか、な。
―回想―
[片づけを終えたミナツが戻ってきたときに時計が0時を告げた。
この瞬間に誰かが消えるのだろうかと思って俯いたそのとき。
ミナツの声にはっとして顔を上げた]
にーちゃ……えっ…ええええ…っ
きえ、た…きえちまった…。
ウソだ、ろ…
[ぽっかり口を開けて、さっきまでジュンタがいたその場所を見て。
そこへ座り込んだミナツにもなんて言っていいのかわからなくて]
ミナツねーちゃん…
[自分に縋って泣き続けるミナツ。
オトナだったら抱きとめることが出来たのかもしれないが、
小さな自分にはただそこにじっとしているしか出来なかった]
[まばたきをしたとき、そこにぼんやりと誰かの姿が見えた気がして]
あ、れ。
なんかいま。
[見えなかった?とミナツに言いかけて
ジュンタの携帯から着信音が鳴っているのが聞こえ口を閉じる。
ごめんねというミナツにはぶんぶんと首を振って、
その電話に出る様子を見ていた]
―?
[ミナツの悲しみに暮れる声に心がちくちくとして、
まばたきを何度も繰り返す。
そのたびに何かがぼやりと見える気がして、
だんだんとそちらに気を取られていく。
それはなんなのか…誰なのかと]
(ジュンタにーちゃん…か?)
[思い浮かべるのはその人だけで。
しかし確証はない。
電話を切ってうなだれているミナツの服をぎゅっと握って
まばたきをしながら見える影を目で追った]
…あ。
いっちゃ、った……
[ぼんやりとした影はやがてそこからどこかへ行ってしまって
そこには自分とミナツだけ]
オレ。なんか、見えてる?
[首をひねった。
―もうまばたきしても何も見えない]
―回想おしまい―
―街―
[ぱちり、瞬きをしてみる。見える景色は、何処かで一度見た景色。これがデジャブという奴?なんだか]
……決まってたような気がする。
俺がここに来る事。
俺がこの世界に来て、そして還される事。
あぁ、わかった。
昔、夢で見た景色なんだ。
アンがいて、俺がいて、俺の体が薄くて………
あぁ、これは………運命だったのかもしれない。
[ふらり、立ち止まる。世界は、いまだ白銀だった]
[大切なものを失う時、人は涙を流すだろう?では天が涙を流した時、一体何が失われるのだろうか。降り積もる雪。積もれば、天に帰ってしまう今の雪。天は泣いている。この世界が続く限り、永遠に。無限に。白い涙を流し続ける。]
お………マシロだ。
やっほー。って聞こえるわきゃねぇか。
風邪引くぞ、ちゃんと家にいろよ。
[たまたま見かけたそれに、一言声をかけて。そのまま歩く]
[イマリとの電話を切った後、携帯を握りしめたままうなだれていれば、服を掴まれる感触。
はっと我に返り、流れ落ちる涙を拭いながらデンゴの方を向く。]
デンゴ君…ごめんね…。
さっき何か言いかけてた?
[デンゴが呟く言葉。瞳を瞬く彼には何かが見えているようで]
ん…?何か見えるの…?
[自分もきょろきょろと周りを見回してみるも何も見えなくて、彼の目に映る物は何なんだろうと小首を傾げる。]
死者の想いを還せば…デンゴ君のお母さんもジュンタも本当に戻ってくるのかな?
[隣にいるこの子も母親がいなくなって辛いのには違いないのに、自分ばかりが泣いているわけにはいかない。と思いながら、ふと窓の外へ目をやれば、再び天から降り積もる雪。]
デンゴ君、疲れてない?
寝るなら一緒にいるから眠るといいよ?
[そう問い掛け、少年の頭を優しく撫でた。**]
さてさて、俺は何処へ行こうか。
美夏ちゃんの心配をしようか?
イマリとズイハラさんを覗きにいくか?
展開のある所へ行こうかな……
―回想・自宅―
[ずっと外にいたせいで身体はかなり冷えていた。
一度シャワーに入り、汚れを落とす。
時間の流れがどうなっているかは分からないが、シャワーはなんとか使えた。
11月1日の日に使わなかったせいなのか。]
雪は…昇ってるわね、普通に。
[これが普通だと思う自分に激しく吐き気がするが。]
この時間を普段から使えるなら、誰も受験に失敗しなくなるわね。
うん、でも、まぁ…。
馬鹿は馬鹿な風にしか使わないかもしれないけれど。
[バスタオルで頭を拭きながら、携帯を取った。]
[携帯には1通のメール。
最近はパタリと止まった迷惑メールでないことは分かっていた。]
美夏…、あの娘か…。
[メールの文字に目を滑らせていく。
残っている人間の数は6人。
そもそもこのメールを信用していいのかすら分からない。]
霊感ね…そんなもんあったら困らない。
[あの少年が人間だと分かったのは。
ビー玉が教えてくれた気がするから。
ただ、それだけ。
掲示板にそれらしきことは書いてあったけれど、信じてはいない。]
ま、バカ兄貴が何を教えてくれるのかは疑問だけど。
[視線の先。
白い歯を覗かせ笑う兄の遺影。]
[一番、疑問に感じているのは自分。
青のビー玉は己のビー玉。
白のビー玉は兄のビー玉。
それを、大事に持っているなんて恥ずかしいけれど。]
バイク事故で死亡なんて、どんだけ親不孝なんだか。
あんた、ホントに馬鹿じゃないの?
そんなんが双子の兄だなんてそれこそ吐き気がするわ。
[けれど。
死者絡みの都市伝説を見るとすぐに試してしまい。
今回のことも。
もしかして、兄が来ているのかもしれないと。
そう、思った。]
…ま、馬鹿兄だけど…そこまで馬鹿じゃないか。
死者は死者の役目を果たせばいい。
あんたのために泣いてあげたこの私に感謝すればいいわ。
その代わり、あんたのこと私は忘れずに泣いてあげるからさ。
[遺影で笑う兄。
血まみれで冷たくなったその頬を触れた時。
己の半身を失ったあの感覚。
きっと、それを忘れることは2度とできない。
熱を失ったその皮膚の冷たさを忘れることはできない。]
とりあえず…元に時間を戻さないと。
いっぱい勉強できても、センター試験を受けられないと意味がないもの。
[軽く伸びをしてもう1度確認をする。]
[ミナツからのメールにもう1度視線を落とす。]
5人のうちの1人の名前を件名に入れて…。
それから、本文は「雪に願いを」か。
死者の見当はさすがにつかないわね。
とりあえず、このデンゴって子供は違う、勘で。
ズイハラ…これは誰か知らない…。
この名前でもいいけれど…。
[ここ2、3日で出会った名前の主のことを思い出し、誰が死者なのか考えていく。]
クニモト…ってあの理科室にいた…。
私の名前知ってたよね、あいつ。
……勝手に呼び捨てにしてるし、何様?
本当かどうかも分からないし、とりあえず書いてみるか。
[携帯のボタンを押し始める。]
[本文に指定の文章を入力し。]
宛て先不明で…送れるわけ…、
[無機質な音と共に、送信完了を告げる画面。]
は…?
これで送れたっていうの…?
まさか…本当に…?
[テストとして送った文章。
けれど、彼がもし死者でなかったとしたら。
何が起こるのだろうか。
窓から外を見遣れば、雪が天から舞い散り始めていた。]
[再び舞い落ちる雪。
町はまた色を白へと染め上げていく。]
あの美夏って子…国本と一緒にいるのかしら…。
メール…すべき…?
でも、もし…。
[死者はこれで天に還る。
じゃあ、生者は?
天に間違えて連れられるなんてこと――――。]
あ…あるわけ…、ととと、とりあえず…。
[私服に着替えて、町へと飛び出していく。
携帯だけは忘れずに。]
―回想終了―
―道―
[街中を走り回った。
途中で少し休憩もはさんだけれど。
誰とも会うことはなかった。
道ですれ違った少年とも会わない。
"もう誰もいない―――――?"
そんな不安が脳裏を掠める。
息を吐けば白いもやが昇っていく。
走って息が切れ、顔も上げられない。
ただただ苦しい呼吸を繰り返して。
息が整うまでその場でそうしていた。
ジーパンに履き替えて正解だった。]
[兄がいなくなった日も雪だった。
不良生の兄。
優等生の妹。
両親の期待は自然と自分に向き。
兄は家にいなくなることが多くなった。
双子という特別な関係だったからだろか。
そうなってからの兄とも、己は仲は良かった。
兄にとっての家族としての居場所は己だけであり、過度の期待で押し潰されそうになっていた己にとっても兄は唯一の家族であった。]
――――ハァ、ハァ――……ハァハァ…。
[塾が終わってから外に出ると銀世界が広がっていた。
溜息をつき、兄に迎えにきてもらおうとメールを。
それの了承のメールの後、空を見上げながら待っていた。
突然鳴った携帯は兄の事故を告げるもの。]
[兄はなかなか来なかった。
こんな雪の日に迎えを頼むのはやめればよかったのか。
そんなことを思い始めたとき。
突然鳴った、その携帯の音は。]
―――――、ハァ、ハァ…。
[また息が切れて空を見上げる。
雪が顔にあたり、そこだけやけに熱く感じる。]
………………………。
[走って、走って、走って。
辿り付いた病院には変わり果てた兄の姿。
車との正面衝突。
白いビー玉のついた携帯が視界に入る。
ディスプレイはひび割れており、外側は血に塗れている。
真っ黒な画面は、何も映し出すことはなかった。
ただ、ビー玉だけが照明を反射し光って。
キレイに、キレイに、その存在を主張していた。]
[兄の命を奪ったのは他ならぬ家族なのだろう。
自分たちはその十字架を背負ったまま生きねばならない。
それは罰でも何でもなく、義務なのだ。]
…………………っ。
[携帯をぐっと握り締める。
その先に光漏れる1つの店。
通りの向こうから中を見れば人影が見える。
2人いるだろうか。]
―――――――ハァ、ハァッ…………。
[兄の声が聞こえる気がした。]
ふむ………こんな透け透けじゃぁ牌も握れねぇよなぁ………
あぁ、打ちてぇなぁ………
[なんとなしにマシロを追いかけながら呟き]
[切れる息は空へと昇る。
兄は今、何を思っているだろうか。
そもそも死者は何かを思っている、なんてこと考えること自体が生者の思い違いかもしれない。]
…………………。
[携帯にぶら下がる2つのビー玉。
顔の前に持ってこれば、それが揺れた。
1つを覗けば青い世界。
これは、きっと息苦しく生きる己の世界。
もう1つを覗けば。
澄み渡った、けれど不明瞭な世界。
これは、兄の世界なのだろう。]
[透明なビー玉の中の世界。
そこにいる人間は、ただ1人きり。]
見つけた…、やっぱりね…。
[ビー玉の中にいるのは。
学生服の少女ただ1人きり。]
…………………。
[あとは無、ただ。]
…………………。
[深く吐いた息は白となり*空へ昇った。*]
[デンゴが眠ると言ったなら、押入れから布団を探し出し、敷いて寝かせるだろう。
少年が寝ている間、眠る事もできずジュンタの携帯を握りしめたままで。
ふと思い出す。雪が天へと戻っていく中、彼が自慢できるかもと言ってムービーを撮っていたのを。]
勝手に見てごめんね。
[もうそこにはいない彼にぽつり謝罪の言葉を呟き、フォルダを開いていく。
一番上にあるムービーを再生すれば、変わらぬ彼の声が聞こえて]
元の世界に戻ったら自慢するって言ったくせに…ばか…。
[ぽつり呟く。]
死者の想いを還せば…戻ってくるんだよね?
[そこにはいない彼にそう問い掛けた。]
/*
いきあたりばったりすぎるぜぇ…。
あと投票も占いもデフォがズイハラさんなんて、どんだけですか。
らんだもの神様はおじさんがお好き(笑)
-回想・コンビニ-
[何故、どうして。]
――っ、
[繰り返し、溢れる思いは温もりを
感じられない彼の体に触れ、凍る。]
――、
[何故、彼で在ったのか。
何故、温もりを、感じ無いのか。
何故、彼はそんな言葉を紡ぐのか。]
[思いを堪えきればせず、涙となって流れ。
其れを隠すように俯き、黙り込む。]
[ズイハラは何か言葉を紡いだろうか。
其れに対し、答える余裕を持ちはしなかった。
塞ぎ込むように、両膝の間に顔を埋め。]
――。
[黙り込む。]
――。
[彼は自分に危害を加えたりするだろうか。
……それなりであれば、彼を恐れもするのだろうか。
…しかし、危害を加え、果てに殺されるとしても。
一度に抱えすぎ、麻痺気味の心は黙り込むだけ。]
……。
[その体勢のまま。時折、鼻を啜る音が響くか。
数時間の時を、コンビニの其の場所で過ごした。]
-回想・了-
[気がつくと立っていた歩道橋からの景色は、どちらが空でどちらが地上かわからない]
どうして?
[繰り返す時に意味を見出したがる気持ちが、同じ問いばかりを繰り返す。
何もかもループして、始まりも終わりもわからない]
…もっと早く、逢えてたらな。
[長い沈黙のあとに、こぼれたのはそんな言葉。]
[長くは居られない。
けれど、連れて行くなんて出来なくて。]
なんで…だろうね。
[目を伏せる。
聞こえるざわめき、遠く救急車のサイレン。
アスファルトの固い感触と、肩へと舞い降りる冷たい雪。]
[手の中の携帯は、赤い飛沫に汚れている。]
[彼の微かな謝罪が聞こえた、か]
――、っ
[聞けば、
なんとか整理をつけられそうだった気持ちが
再び、揺れ、涙となり降り積もりそうになる。]
ズイハラ、さん、は…
[それでも、尚、言葉を紡ごうとする]
っ、
[問いかけようとして、言葉に詰まる。
手の甲で、ぐいっと瞳を拭い]
ズイハラ、さんは…
もう頭、の痛み、取れ…ましたか?
[一生懸命に下手糞な笑顔を作り]
御腹、すい、て……ませんか?
[ついで、たどたどしくも、問いを続け]
[ごめんね、と言ったミナツを見上げれば
涙を拭っていて。自分も少しだけ鼻をすすった]
ううん…んーと。
もやもやした、人みたいな影…あそこ。
でももうどっか行っちゃった
[ミナツに告げて、ふあああああああと欠伸を]
うん…眠い。
[布団をしいて貰ってそこに横になるなり
こてんと眠りにつく。
その直前までミナツの服を握っていた手が
時折何かを求めるように小さく、動く]
[さらさらと、こぼれおちる砂のように、記憶は静かに薄れ行く。
最期数日間の、それだけが色濃い。]
パフェ、食べにいこうか。
[約束だけは、消えず胸の中。]
[そう返ると思っていなかったせいか]
え……あの…
[ひくっ、としゃくりあげ、挙動停止]
――。
[じ、と彼を見つめ]
…いいんですか?…それで。
[小さく、念を押すように問い掛けた]
[ムービーを再生するのをやめ、傍らに寝ているデンゴの頭を撫でる。]
デンゴ君が見た人影って…ジュンタだったりしないよね…?
[すぅすぅと寝息を立てて寝る彼が答えられるわけもなく。
そのうち気がつけばデンゴの横でうとうと。
それでもデンゴが起きれば、それに気づくだろう。]
うし………美夏ちゃん達の様子を見に行くか。
………暇だし。ここにいたら野暮だし。
[すぅ……っと、自宅へ移動]
………なんでぇ、寝てやがるのか。
ん…んうー……
[ごろりと寝返りを打って
何かに手が当って目が覚めた]
…あ。ねーちゃん。
[そっか、と寝る前のことを思い出して]
みんなが帰ってくるどころか…
にーちゃんが消えちまった。
[寝返りを打った体を元の位置に戻して]
……うあ。
[目の前にモヤモヤがこちらを覗き込むように。
あー、と口を開けたまま、それを凝視]
[微睡の中、何かが体に当たるのに気づく。
それでもすぐに起きられなくてデンゴの言葉を夢現で聞く。
デンゴが何かに驚く声をあげればはたりと現実に戻り]
デンゴ君?
[身を起こし布団の中で何かを凝視している少年の顔を見た。]
よ、デンゴ。
ねぇちゃんをよろしく頼むな?
あぁ、聞こえねぇか?
[デンゴの頭を撫でようと手を伸ばす。どちらにしても、触れる事は叶わないんだけれど]
あ……美夏ちゃん、起こしちまったな。
………ごめんな、約束、二回も破っちまって。
[美夏に触れようと。抱き締めようとするのだけれど。]
もう一つがもう無理なのは…わかってるから…さ。
[永遠に訪れない11月2日。
それを待ち続けるだけの…永遠の今日。]
なら、約束の方が先さね。
[まばたきをせずともそのモヤモヤは見えていて。
けれど驚きでなんどもまばたきを繰り返す。
ミナツの声を片耳でききながら、
目は凝視したまま離せない]
だ、だれだぁ…オマエ…
[不意にこちらにモヤモヤの一端が近づいて
慌てて首をすくめたものの。
それは触れることなく身を掠めた]
…あれ?
[モヤモヤを触ろうとして手を伸ばす。
しかし手はむなしく空を切った]
ねーちゃん、そこに、なんか…見えねえ?
[指をさしてミナツに問いかけた]
誰だって言われてもな………
そっか、デンゴには見えてんだな?
ほら、男の子だろ?
びびってないで、しっかりしやがれ。
[触れられないこの身を呪い。それでも、彼に手を振って]
触んな……か。
あはは、ちげぇねぇや。
俺はもう………違うんだもんな。
わかったわかった、触らねぇよ。
[両手を上げて、後退り]
[誰だと何かに問いかける少年の様子に首を傾げる。]
え…?何にも見えないよ?
[少年が指さす方を見るも何もなくて。ふるふると首を左右に振る。
布団から起き出したデンゴが触るなと言って慌てて手を振る様子を見て]
デンゴ君…どうしたの?
何か見えるの?
[少年が見えている物がなんなのか分からず頭の中は疑問符だらけ。]
[無理なのはわかるから、という彼の言葉を聞き]
――、
[暫し、考え込むが、ゆっくり立ち上がり]
うん、それじゃあ…
何処かで、パフェ……食べましょうか
[云えば、にこりと笑う]
…????
[モヤモヤが一度、こちらに向かって
さらにゆらゆらとして]
な、なんだぁ……
[一体その正体はなんだろうとじいいと目を凝らす。
ごく荒いモザイクが歪んで立体的につながっているような
それが、少しだけ細かく見えた気がした]
…?にー、ちゃ…?
[ミナツに触るなと言った後、モヤモヤはそこから後ずさる
それがなんとなく…目の前で消えた人物を思わせて。
しかし、やはりよくわからずに困ったように声を上げた]
あぁ、行こうか。
[少女の笑みに、笑い返して立ち上がる。]
…何処の店のが良いかな?
[その様子だけなら、まるでデートのようで。
けれどもそれは、最初で最期。]
そこに、なんかいるんだ…
ねーちゃんには、見えないのか?
[ほんの少し、形が見えたモヤモヤを指差して
ミナツの顔を見た。
しかしその表情からはやはり見えていないのかと
はうう、と肩を落としてしょげた]
おう、デンゴ。にーちゃんだぞー?
………っつっても伝わらねえよなぁ。
どうしよっかなぁ。
[しばし考えた後]
………麻雀以外、俺には特徴ねぇや。
[諦めたように項垂れた]
[何かと対峙しているらしい少年の様子に訳が分からないまま。少年が見つめている方をじっと見る。
見てもやはり何も見えなくて。
その時、デンゴが発した言葉に]
え…?
ジュンタ…?
…………。
ごめん…。
私には見えないみたい…。
[ふるふると首を振り、それがジュンタであるなら自分も会いたいと目を凝らしてみるも何も見えなくて。
肩を落としてしょげる少年の肩にぽんぽんと触れ慰める。]
[立ち上がる彼に、変わらず笑みを向けたまま]
……ズイハラさん、何処かオススメのお店…
[ありますか?…と、問おうとして]
――。
[彼を凝視。一転、訝しげな視線。]
美夏ちゃん………俺、ここにいるから。
ずっとずっと、ちゃんと見てるから。
[これは、アンから投げられた言葉。あぁ、あいつはこの世界にいるんだ。触れられず、見られず………そんな世界に。]
………悔しい……のかな、やっぱ………
[手をまっすぐ伸ばして、美夏の頬に触れてみる]
[ぽんぽんとミナツが触れる肩に温もりが広がって
落とした肩をそのままに顔を上げる]
そ…か。
見えねーのか…
オレにも、ぼんやりとしか見えてねーんだけ、ど
[ミナツの顔を見てモヤモヤヘ目を移す。
せめて、もっとはっきりと見えたなら。
もどかしくて、もどかしくて]
[不思議そうにしている彼を見つめる。
訝しげな視線はやがて値踏みする様な其れになり]
……知らなそう、ですね
[ぼそりと失礼な事を呟く]
…駅前に、私のオススメのお店があるんです。
よかったらそこに、いきませんか?
[にこ、と問い掛けるも、思考の端。
其処に人が居ない可能性を奥底へと押しやり。]
[こちらへ視線を移したデンゴがしょんぼりするのを見て、頭を撫で]
うん。見えないんだ。
私も見えれば2人でデンゴ君が見えてる物がなんなのか一緒に悩めたのにね。
ぼんやりとかー。
デンゴ君のお母さんが心配して見に来たのかな?
それともジュンタがまだ近くにいてくれるのかな?
[にこり微笑んでもどかしそうにしている少年の気を紛らわそうと]
ほら。また雪が空に戻っていくよ。
[外を指さし、彼が消えてから1日が過ぎたんだ…。そう思いながら窓の外へと視線を送る。]
[ふいに声を上げたデンゴを見れば何かを目で追っていて、目線が自分の顔でとまる。
首を傾げれば、頬に何かが触れた気がする。
自分の気のせいなのかなんなのか。
頬に手を当て不思議そうな顔をして]
見えないけど…何かが触れた気がした…。
[ぽつり呟いた。]
そうかも、な…
[母親が側にいるのか、それとも消えたジュンタが…
ミナツにうん、と頷いて、言われるままに外を見た。
降り積もる雪。
また、同じ今日の始まり。
でも、昨日とは違う今日。
時は同じ時間を繰り返すも、そこから先は別の時間]
…かーちゃんじゃ、ない。
[きっと、あれは。
心の中では答えは出ていたが、どう言っていいかわからずに
うん、と頷いた]
ごめんな、サヨナラは言わないつもりだけど。
それでも、無事に帰れる保証、ないし。
だから…………
[きっと見えていない美夏の頬にそっと口付けて。実際は、触れてすらいないんだけど。気持ちだけは届くかなと思うから。]
………今だけは………サヨナラ………
きっとあいつも、こんな気持ちだったんだと思うから。
大好き……だよ?
[届かない言葉を呟いて、すっと彼女から離れた]
…ぁ。
[指摘に、たはは…と情けない笑み]
流石に、女の子が喜ぶようなおしゃれなカフェとかはあまり…
[くしゃくしゃと髪をかきながら。]
うん、君の好きな店でいいよ。
[ぽつり呟くミナツの言葉に
鼻の下を人差し指でこすりながら。
うん、と小さく頷くも…]
…!?!?
[ふわりとまたミナツにさらに近づいたモヤモヤに
パッチリ目を丸くした。
何度か瞬きをして、何となく何かを想像して]
オレ、イマリんとこ、行ってみる。
おっさんも、調子悪そうだったし。
[ミナツを見て言うと、外に出ようと玄関へ体を向けた]
[隣にいるデンゴがぽつり呟く言葉が耳に入るもただ聞くだけで、頷くのを見てなんとなくデンゴが思っている事がわかったような気がして]
デンゴ君のお母さんにもジュンタにも早く帰ってきてもらわないとね。
[デンゴの母は元の世界に戻ればきっとそこにいるのだろう。でも、この世界で消えてしまったジュンタは元の世界でまた会うことができるのだろうか。]
そこまではアンちゃん、教えてくれなかったなぁ…。
[ぽつり呟き、ぎゅっと手に力を込める。]
[彼の情けない笑みに、あわせて笑う]
別に、オシャレ、とかじゃないんです。
ええと、駅前…というより、
ちょっとこっち寄りなんですけど。
"snow"っていう、喫茶店知りません?
[首を傾げ]
小奇麗だったりはしないんですけど、
落ち着く、良いお店なんです。
[口の前で、両手を組んだ]
雀鬼学生 ジュンタは、つも!国士無双![栞]
[こくりと頷いた少年が何かに驚いた顔をしたのに首を傾げる。
ふいに立ち上がったデンゴが行くというのを聞いて、イマリとの電話を思い出し、なんとなく行くのは躊躇われたけれど]
じゃあ。私もいこうかな。
デンゴ君待って!
[玄関へと向かい始めた少年の後を慌てて追う。]
ぁ。
あー、あの店?
場所は分かるけど入った事ないなぁ。
普段は向かいの牛丼屋とかで済ますしさ。
[コンビニを出て、雪舞う道を歩きはじめ…]
そんな良い店なら、いっときゃよかったなぁ。
[玄関で靴を履いて、追ってくるミナツを少し待った。
玄関の扉を開けば冷たい空気が流れ込んできて]
さみー…っ
[肩をすくめてミナツを振り返った]
イマリもおっさんも、コンビニにいたんだ。
[まだ、いるかどうかはわからないけど。
とりあえずそこへ向かおうと口を開いた]
[向かいの牛丼屋、と聞けばくすくす笑う]
そうそう、其処です、其処。
牛丼って……。
ちゃあんとバランス取れた食事、してます?
[コンビニを出る彼に続き、自分も外へ]
いいじゃないですか、
これから一緒に行くんですから
[彼の隣へ、寄り添う様に歩き。
空へと還り始める雪を見上げた。]
[玄関まで行くもはたりと思いだし、部屋へ戻ってジュンタの携帯もポケットへ入れる。]
ごめんごめん。
[慌てて靴を履き、扉を開ければ寒いと呟くデンゴ。]
ほんと寒いね…。
[ぶるっと身震いをして、少年の前に屈み、自分のマフラーを巻いてやり]
ほら。これで少しは暖かいでしょ?
[にこりと微笑む。]
コンビニかぁ。じゃあ、行ってみようか?
[こくりと頷くデンゴの手を取りコンビニへと向かう。]
雀鬼学生 ジュンタは、ろん!大三元![栞]
…あ、あんがと。
[マフラーを巻いてもらって、恥ずかしげに礼を。
ミナツと手をつないでコンビニへむかう足どりは
すこーしだけ急いている気持ちの表れか、早め。
とまれ子どもの足なのでミナツはそう早いと
思わなかったかもしれない]
あったけー。
[マフラーに顔をうずめるようにして。
けれど、それよりも温かかったのは…つないだ掌]
[前方に見慣れたコンビニの明かりが見えてきて]
…あそこだ!
[それを指さして早足で、ミナツを引っ張った]
いいんだよ、ちゃんとゴボウサラダも喰ってる。
[妹のようなことを言う…と苦笑い。]
そうだな、これから。
…ん?あいつら……
[道の向こうのデンゴに片手を上げた。]
どういたしまして。
[照れたように礼を言うデンゴにくすりと笑う。]
デンゴ君がいて良かった…。
[デンゴがいなければきっと1人で今も泣いていただろう自分。
きっと何をすべきかも忘れてただただ泣いていただろう。
握った手の大きさや温もりはジュンタとは違うものだったけれど、それでもほっとする。
明かりが見えれば、指を差し急いた気持ちからか駆け足で手を引く少年の背中にくすりと笑い]
あ…!あんまり走ったら転んじゃうよ!
[そう言って自分も少年と共にコンビニへと駆ける。]
告げ人 アンは、ここまで読んだつもりになった。[栞]
そんな事言って、思い出した時だけですよね?
[苦笑いの相手に、
何処か咎める様な言葉を紡ぐも]
今度、何か作ってあげましょうか?
[にこにこ笑いながら、"今度"と、
自分にも言い聞かせる様に。]
あ…
[彼の挙動を追う様に見遣れば
其処にデンゴやミナツを見るだろうか]
あっ!おっさん!
[向こうで手を上げるズイハラが見えて
手を振ろうとしたときに、ずる、っと足が滑って。
ぼふっ。
積もり始めた雪に中途半端な人型を描いた]
ってぇー。
[転んじゃうよ!とミナツの忠告も今更のもので。
つないだ手に縋るようにしてむくり起き上がった]
へ、へへっ
[鼻をすすって苦笑いをして。
そのままズイハラの元へミナツを*引っ張っていく*]
[云いづらそうにしながらも。
これから例の喫茶店へと行く旨を説明し。
行くという人は一緒に連れて行っただろう。
以下ないと云う人は、無理には連れてはいかない。]
…それじゃあ
[最後、ズイハラに視線を送り]
いきましょうか
[恐らくは先頭に立って、*歩き出した*]
[通りの向こうにいるズイハラに気がついたデンゴが声をあげた後に視界から消える。
デンゴの様子を見てぷっと噴き出し]
あはは。大丈夫?
怪我してない?
[それでも繋いだままの手に縋るデンゴを引っ張り起こし、デンゴの服についた雪をはらう。
苦笑いをしながら、2人の元へと手を引くデンゴの後を追えば、少し離れたところにある人影。]
あ…。マシロさん…?
[当の本人には聞こえたかどうかわからないけれど手を引くデンゴに]
ちょっと先に行ってて?
すぐ戻るから。
[そう言ってマシロの方へと駆けて行った。**]
さてと………何かして時間を潰さねぇとな。
俺に死が訪れるのは、まだ先のようだし。
死者として、この世界を構成している存在が。
あの人が天に還るまで。
最後の審判はお預け。
こーなったら、とことんこの世界を楽しんでやるかぁ。
[ふわふわ、俺は世界を漂った。]
普段は入れない場所に、入ってみようかな。
よぉし、まずは………
男なら一度は入って見たい場所!!
その壱!銭湯の女湯!
………なんだ、男湯とかわんねぇじゃん。
[つまらなそうにその場を後にした。気配には気がつかない。]
男なら一度は入って見たい場所!!
その弐!!銀行の大金庫!!
………なんだ、俺って壁抜けできねぇのか。
入れないじゃん。
[諦めた]
男なら一度は入って見たい場所!!!
その参!!女子高!!!!!!
わーい女子高だ女子高だー………
って誰もいなきゃただの学校だっつの。
[つまらなそうにその場を後にした]
/*
ここで、はんなり中身予想。
ミナツは多分、知ってる人です。
きっと、「椎」さんだと思うんですけど。
もし、そうなら日記を見てくれたのでしょうか。
ありがとうございます…。
-喫茶『snow』-
[お店の扉を両手で押し開く。
ちりちりと扉にかかったベルが鳴り響く。
店内からこちらに歓迎の声が掛かる事は無い。]
――。
[それでも特別気にする素振りは無く]
…いらっしゃいませー
[先に入れば振り返り、後に続く皆へ向け、
笑顔と挨拶をし店内へ招き入れる]
男なら一度は入って見たい場所!!!!!!
飯屋の厨房!!!!!!
どーなってんのかなぁ………っと。
[ふらふら、いきつけの喫茶店へ向かえば]
………なんでぇ、先客がいるのか。
お、おう。
[転んだ時に打った膝をすりすりとしながら
ミナツに答えて。
ちょっと待っててといったミナツと向こうにいた
イマリが共に同じ方向へ行くのを見た]
げ。ムカンシン女。
[うへえと肩をすくめて女子学生3人を見てから
ズイハラの方へ駆け寄った]
おっさん、もーヘーキなのか?
[多分、体調のことを言っているらしい。
イマリが喫茶店へというのをが聞こえて]
いくいく。だってさみーし!
[先頭を行ったイマリの後を追って喫茶店へ]
[いらっしゃいませと振り返って言うイマリを
へらへらと笑って見て。とりあえずそこらの椅子に
勢いよく腰を下ろす]
でもさー、店員いねーんじゃ
だれがつくんの?
[足をぶらぶらさせて座ったまま背を伸ばして
厨房の方をのぞきみて]
………げっ。
またでたっっ!
[見えたものに思わずまばたき]
[子供特有の悪態をつく様子にはプロ精神を。
にこりと笑い、小さくお辞儀をし]
本日は私めが、
こちらで調理を担当させて頂きます。
上原、と申します。宜しく御願い致します。
[頭を上げれば]
ご注文は皆様、パフェでよろしいでしょうか?
[問い掛けるも]
ん?
[デンゴの声に、厨房へ視線を向ける]
[厨房の方へ視線を向けても誰も居はしない]
こぉら、デンゴ。
[デンゴに向き直り]
出たって、何が出たの。
何かの悪戯?
…驚かせようったってそうは行かないから。
[ふふふ、と不敵に笑い]
オレ、チョコレートぱっふぇー!
[厨房を見て首をひねりながらも
自分の要求は張り切って口にする。
イタズラだと思ったらしいイマリの言葉に]
イタズラなんかじゃねーって…
[ぶう、と口を尖らせてイマリを見て厨房を指差す]
なんかいんだよ、あっちにー。
もやもやーっとした、何かが。
[もやもやした感じを示したいのか手をくねくねさせて]
さっきも、見たんだ。
ジュンタにーちゃんちで…
[ぷうう。頬を膨らまして反論をする]
[注文を受ければぶつぶつと反芻する。
全員分の注文を聞き、]
承知致しました。
暫くお待ち下さいませ。
[ぺこりとぎこちのないお辞儀]
――。
[だが。
デンゴの必死な訴えに厨房をもう一度見る。]
――、デンゴ…
[ちょっと涙目]
そういうのやめてよ、もう…
[本気で少し怖がっている]
…うぅ
[恐る恐ると言う具合に厨房へと。]
…何か居るのかなぁ
[厨房の中に入り、デンゴの言葉を警戒する様に。
辺りをきょろきょろ見回した。]
[涙目になったイマリを見て
ばつが悪そうに口を尖らせ、周りを見る。
他の人々はどんな表情で自分を見ていただろうか]
で、でもきっと、へーき。
[とりなすように言葉をかけて、
え?っと頓狂な声を上げて首をふる]
誰か今なんか言ったか?
のけもの、とか…
[へへら、苦笑い。
誰も言っていないとしたら、残る可能性は一つ]
わあああ、もやもやが喋った!
[一瞬だけ聞こえた言葉。
けれどじいいと見ても、続く言葉は聞こえない]
な、なんか、くってる。
[見間違いかと目をこすって
厨房のもやもやをじいと見続ける]
なに、くってんだ…
そもそもくえんのか!!
[驚く場所が、違う]
あたりまえだ!
喋るし食うし、寝るし泣くぞ!
ひとりぼっちは泣いちゃうぞ!
[流石に鍋一杯の麻婆豆腐はきつかった。しかし完食]
[厨房の中、材料を見繕いながらも。
向こうから聞こえるデンゴの声にびくりと震える。]
……な、なんなの…
[なるべく其れについて考え無い様に。
考えれば考える程に厭な想像をしてしまうから。]
…大丈夫、大丈夫…
[ぶつぶつ呟きながら作業続行。
だが、『喋った!』と聴こえれば]
……
[そそくさと厨房から顔だけを出し、様子を窺う]
[びくぅ、と更に身を震わせた。
もやもやは何かを食しているらしい。]
…で、でんご…
[更に、恐る恐る]
今、その、さ。
もやもやはどの辺にいんの?
[デンゴが此方を見ている限り、
恐らく近くだろうか、と。びくびく。]
そ、そこ。
[厨房の、コンロの近く。
鍋が置いてあるあたりを指差して]
…荒れてんのか…
[もそもそと遠くで籠もる声。
何を言っているのかよくわからないが、
なんだか憤っているらしい]
オレ、なんであんなん見えてんだ…?
[表情を引きつらせて首をひねって]
オレもてつだう!
[椅子からとん、と飛び降りて、
びくついているイマリの側に行った]
/*
まぼどーふとか、ばんばんじーとか
物理的に物が浮いてるとか、
そーゆーことにしていいんかなぁ。
出来たら面白いんだろうけどなぁ。
いろいろデストロイしそうだなぁ。
[指差される辺りを凝視。]
そ、そこね…
[荒れているらしい、もやもやに警戒。]
ここってお化けでるんだ…
そんなの知らなかった…
[ぶつぶつと一人ごち]
あ、うん
[手伝うと此方へ来るデンゴには頷き。]
あぁ、だいぶ良くなったさ。
[心配げな少年に親指立てて。
されど、はらり…雪のようにほどけかけて…ぎゅっと手首をにぎった。
吐く息は、白くは無い。]
―喫茶店―
[先に入ったイマリが店員のようにあいさつするのに、一瞬目を丸くして。]
へぇ、そういう趣向かぁ。
[丸くなった目は、すぐに細められた。]
じゃあ…ブルーベリーのヨーグルトパフェをひとつ。
[デンゴが此方へこれば少しは和らぐか。
ただ、子供にはそういうものが見えやすいという
類の噂話を思い出し、ちらちらと。
デンゴの視線を追ったり、コンロの辺りを見たり。]
――。
[警戒を解く事無く、材料を一通りそろえていく]
…ばんばんじーは、でざーとじゃない。
[もそっと、何かに反論するように呟いて
イマリが並べる材料を見れば目を輝かせた]
おーっ。
すげえ、プロっぽい。
[喫茶店の厨房自体がはじめてで
物珍しそうにきょろきょろと。
それでもある一角を見ては時折唸って]
[揃えながらも冷蔵庫から顔を離し、]
デンゴ〜?
[思い出した様に]
テーブルに人数分のお冷と、
おしぼりを運んでくれるー?
[にこり、と笑い声をかける]
ふぅー食った食った。
[近くにあった爪楊枝を掴んで、しーしー]
店員さーん、おしぼりー!
[デンゴが運ぼうとするおしぼりを、一つ盗んだ]
[ばんばんじーは、とデンゴが呟き]
―――。
[思わずコンロの辺りを凝視]
……
[しらーっと冷たい目線を流し]
…結構、抜けてる幽霊なのかな
[ぼそ、と勇敢な台詞を呟いた]
もぉー
何でみんな見えねーんだよーっ
ほら、ほらそこだってそこ!
[もどかしげに地団駄を踏めばイマリに頼まれて]
お、おー。
わかった!
[棚のグラスをジャンプしながら一つずつ取り出して、
おしぼりを出して…と]
うわあああ。
なにすんだモヤったろー!
[目の前に人の形のモヤモヤ。
おしぼりをつかんだように見えて声を上げた]
[ブルーベリーのヨーグルトを掬い、大きなグラスへ。
其処に砕いたビスケットを入れて行き…。
不意にデンゴの叫びが聞こえ]
ぶっ
[噴出した]
モヤった、って何…
[そちらを見て、小さく笑う]
気をつけなさいよー?
[声をかけながらも、悪い霊ではなさそうだ、と。]
[次いでグラスにグレープゼリーを入れる。]
ええ、っと
[更にアイスを乗せ、ブルーベリーを乗せ。
最後にポッキーを数本刺し、
ブルーベリーソースを垂らした。]
こんな、感じかな…
[記憶の中の其れを頼りに下手糞な
パフェの出来上がり。]
[もやもやを見て、口を尖らせて。
べーーーっっと舌を出す。
お盆に置いたグラスに水を注いで、
そーっとそーっと席に運んで]
おー。へーきへーき。
[イマリに軽い調子で返事をするも
手元は重さでカタカタとしている]
お、おまたせしましたぁ。
[テーブルに近づいて油断したのか、
カタンとよろけて思わず裏返った声を出す]
デンゴの奴、俺に舌を出すたぁいい度胸だ!
お化けの恐ろしさ、思い知らせちゃる!
[デンゴのパフェのポッキーを折ったかもしれない。]
[次いで、チョコレートに取り掛かる。
表情は真剣そのもの。冷蔵庫から生クリームを出し、
グラスに少し注ぎ、コーンフレーク投入。]
んー…
[次は、と思案し、もう一度生クリームを被せる。
其処に切ったバナナをぽいぽいと放り。
アイスをぽこ、ぽこ、と掬っては乗せる。]
うん…
[ここまでは良く見るパフェに酷似。]
あとは、と
[其処にチョコレートソースをうにうにと。
たっぷりたらしてはその上に生クリーム。
そして、再度、チョコレートソースを味付け的に。]
ふふふ
[段々それっぽくなってきたぞ、と不敵に笑う]
あとは、
[そこに、ウェハースチョコを刺し。
ミカンやパイナップルの果物を乗せて]
おっけー!
[わあ、と笑顔]
[水とおしぼりをテーブルに一つ一つ置いて
すたすたと厨房へ戻ったと思えば、
おもむろに冷蔵庫を開けて]
オレも、つくるー。
[へっへへーとにっかり笑ってイマリを真似ながら、
サンデーグラスにバニラアイスを。
それから抹茶アイスとあんこ。
生クリームをコレでもかとかけて…
シロップ漬けのさくらんぼ…を手にとった時]
あ。
[イマリが作ったパフェのポッキーが、
ポキン、と折れて]
あー、それおっさんのパフェだぞ!
[お冷とおしぼりを運び終え、戻るデンゴに]
ありがと
[小さく声をかけ]
えーと
[次の注文にとりかかろうとするも]
…え
[デンゴの大声にびくりと震え]
あああ
[ポッキーが折れているのを、見た]
[じいいいい。
折れたポッキーが、てっぺんに刺さる]
モヤったろー…なにしてんだ。
[子どもながら少しあきれたように呟いて
冷蔵庫を開けて緑色の粉を見つけて取り出した]
コレ知ってんだぜ、まっちゃ、ってやつだろ?
[味見をしないでそれを生クリームの上に
さらさらとふりかけた]
…だまってコレでもくってろ。
[モヤモヤのある前に、自作のパフェをどん、と置く]
デンゴ…
[ゆらぁり立ち上がり]
デンゴっ!!
[大声]
あんたの分も作ってるのに、
つまみ食いなんてどういうこと!!
[大声に振り返れば、デンゴが折ったものだと
勘違いして、わああ、と叱りつける]
お、オレじゃないって
オレじゃ…
[イマリに叱られてたじたじになって
オレじゃねーのにとモヤモヤを睨む]
あいつがやったんだよ…
オレじゃねえってー
[鼻の下をこすった拍子に
手についた緑の粉が口に入った]
げ。か、かれえええっ
なんじゃこりゃ
[粉末ワサビだった]
[腰に両手を添え、仁王立ち]
――。
[物言わぬまま、言い訳をするデンゴを見る]
…デンゴ。
[小さく名を呼ぶも]
お姉ちゃんね、
悪い事をしてもちゃあんと反省するなら良いの。
でも、嘘つくのは許せないよ。
[幽霊、などとい可能性を否定したい面もあるか。
デンゴがやったと決め付ける様な声]
減ってるったって、あんた。
お姉ちゃんが後ろ向いてる間に食べたんでしょ!
[わぁ、と叱りつける]
……
[ちら、と減っている箇所を見て。
お化けを一瞬、思案するも振り払い]
…嘘は駄目。
[嘘で在って欲しいというような呟き]
うう、オレじゃねーのにー。
[ぷう、と頬を膨らませて厨房に回りこむ。
そこに見えるのは減っていくバニラアイス]
イマ、イマ、リ…
これだ、これっ!
[箱のアイスがみるみる減っていくのを
指差した]
[回り込むデンゴを凝視。
そして、指差す先の箱へ視線を移し…]
…ほんと、嘘ばっかり言ってると…
[減ってた。]
………。
[しかも、進行形で。]
……。
[思わず黙り込み、ゆっくりと。
お盆に、出来た分だけの二つのパフェを乗せ。]
――。
[言葉では言い表せない表情で
厨房を出て、ズイハラ達の下へ]
[あっという間に空になったアイスの箱を
むすっとした表情で見て]
あー。全部くっちまった!
みんなの分のパフェ、つくれねーじゃん。
責任取れよな、モヤったろー。
[ぷうう、と頬を膨らまして
厨房を出たイマリに続いた]
お、お待たせ…しました…
[空ろな目でパフェをことり、ことり。
二つだけテーブルに置く。
勿論、ミナツの分と自分の分は未だ作って無い。]
……。
[黙り込んだまま、側の空いている席に座り]
……お化けです。
[ぼそ、と俯き、呟いた]
おばけぇ?
[くっついていったイマリが座って俯いて言った言葉
今更ながらそれに驚いて]
おばけ…おばけ……?
え?
う、うわぁぁぁぁぁ
[すごくびっくりした。
お化けとは、思ってもみなかったから]
そうだよな、ふつー、おばけだよな。
なんで気付かなかったんだ…
[イマリの隣に座って、俯いた]
変な世界、ですよね…
[しみじみ呟いた]
お化けが居るのに…
死者がいて、其れを還せ、だなんて
[俯く顔はいつしか真剣になっているだろうか。
刻限までそう無い事を、パフェを作りながら。
ちらりと視界に入った時計で感じていた。]
[二つのうち、チョコをデンゴへ。
ブルーベリーをズイハラへ差し出して]
ごめんね、ミナツちゃん。
アイス、もうなくなっちゃったみたいで
[苦笑いをし]
……ごめん
[小さく、繰り返した]
…アイスなら…あるぜ…
[俯いたまま、ぶすっとした声で]
アイツが、また出したらしい。
[厨房には真新しいアイスの箱が
出されているだろう]
[とん、と椅子を降りて厨房へ回り込む。
アイスの箱が開いていて、その脇に…
ステンレスの調理台の上にアイスで文字が]
なんてよむんだ、これ
[漢字はあまり読めなかった]
…何とか、参上。
[むむむむと腕を組んで唸って]
誰かーこれ、なんてかいてあんだ??
[誰かが厨房へ回ってきてくれたら、文字を指差す。
そこには『隼太参上』と]
−回想−
[マシロに気づき駆けて行けば、イマリもこちらへとやってきて。
言いづらそうに行き先を告げられれば]
私も行きます。寒いし。
[イマリの顔を真っ直ぐ見る事はできなくて、それでも誘いに乗る。
少しマシロとその場で話したかもしれない。マシロも行くと言えば5人で目的の場所へと向かった。]
→喫茶『snow』
[先に店に入ったイマリがいらっしゃいませと皆を招き入れるのにくすりと笑う。
椅子に座ったデンゴが「またでたっ」と言うのに]
さっき言ってたもやもやしたやつ?
[こてり首を傾げれば、イマリがパフェを作ってくれると厨房の中へ入っていくのが見える。
その間、ズイハラと他愛ない事を離したかもしれない。
厨房の中にいるイマリとデンゴの騒がしい姿に微笑みながらぷらりと足を揺らしながら2人が戻ってくるのを待った。]
−回想:終−
[パフェを二つお盆に載せて戻ってきたイマリにアイスがなくなちゃったと言われれば]
ううん。大丈夫ですよ。
何か飲み物でも淹れましょうか?
[イマリが苦笑いするのに自分もくすりと笑う。そこにデンゴの声が聞こえれば厨房へ。]
ん?何?
[そこに見た文字は雪が天から降り始めるのと同時に消えてしまった彼の名前。]
ジュンタ…?
[そう呟き、その文字から目をそらせずにいた。]
[厨房へ向かうデンゴの後は追わず。
やがて聴こえてくる、"誰か"の声にも]
……ん
[矢張り、少し怖いのか動き出しはしない]
…参上?
[なんだろう?と首をかしげ、座る面々を見るか]
[だが、厨房へと向かうミナツを目で追う。]
――、
[彼女が、"ジュンタ"と零せば]
…ジュンタ。
[同じ様に、名を繰り返し。
ちらと、ズイハラを見遣り、そのまま俯いた。]
ジュンタ?
[指した文字をミナツが読んで。
むうううと唸ってモヤモヤをみた]
ジュンタにーちゃんなのか?
…ポッキー折ったり
アイス食ったり、
パフェよこせって言ったり…。
[そんな奴だったかと]
ズイハラさんのデートを茶化しに来ましたよー?
………嘘です。暇だっただけっす。
はいはい、消えますよー。
[ふわふわ、出口に向かおうと]
[隣にいるデンゴがまた何かを見ているのに気づき]
さっき言ってたもやもや…そこにいるの?
ポッキー折ったり…アイス食べたり…。
ジュンタってそんなことするっけ…?
[こてり首を傾げ、ううんと悩む。
そこにズイハラが厨房に入ってくるのに気づいて]
あ。ズイハラさん、これ。
[そのアイスの文字を指し示す。]
うん、そこに…
[ミナツに、いる、と言いかけてモヤモヤなジュンタが
店の出口に向かうのを目で追った]
どこいくんだ?
にーちゃん?
[さすがにもうモヤったろーとは呼ばない]
[ズイハラがジュンタに向けていった言葉にくすりと笑う。
デンゴが指を差し、何かを言いかけた時に話しかける言葉に]
そこにいるの?
え…?どっかいっちゃった?
[デンゴの視線が出口へ注がれるのを見て自分も目を凝らすも彼の姿は見えなかった。]
[はっきりと其れがジュンタである、と。
店内に居る物のほとんどがそれぞれに口にする。
其れを無表情に聞き入れ、俯いては]
……
[ぼんやりと窓の外へ視線を送る]
あはは、悪戯する女の子がおりませんや。
[ズイハラさんにはそう答えて]
俺はお邪魔虫だからよー。
ちらっと遊んでくるぜデンゴ。
皆をよろしくなー。
[ヒラヒラ手を振ってから]
………馬鹿。
なーに落ち込んでんだこら。
[とりあえず、イマリを小突いておいた]
[還る雪を見つめている。
其処にかかるズイハラの声。]
…ええ、もうすぐ。
[相槌を打つも、彼の方は見ず。
視線は変わらず、窓の外へと向いている。]
[ジュンタの影がイマリを小突くような
素振りをしたのか、それを首をひねって見て]
そ、っか。
[影を追うように外を見れば]
あ、雪…
[ズイハラの言葉の通り、
雪は、あとわずか]
[見えぬ者に対し、返す言葉は無い。
もしも見えたのならイマリは何と言うか。
ただ、"ジュンタ"であろう者が残した痕跡に]
ズイハラ、さん
[意を決した様に、ズイハラの名を呼ぶ]
[ふと時間が気になって携帯を見てみれば、雪が天へ戻っていくのもあと少し。
時が0時を刻めば雪が天から降り積もるだろう。
隣にいるデンゴが雪と呟くのを聞けば]
雪が天に還るのもあと少しだね。
次に雪が降る時は元の世界だといいね…。
[隣にいる少年の頭をそっと撫でにこり微笑む。]
[彼の姿に声は少し、詰まるか。
それでも彼の微笑みに合わせる様にして笑い]
……ありがとう
[なんとか、声を絞り出す]
ミナツ、デンゴ。
[凛とした声で二人の名を呼ぶ。
其処にマシロも居れば、最後にきっと呼んだ]
……御願い
[彼らの方は見ず。御願い、という声と共に。
テーブルの下、携帯を操作する。]
[それ以上、言葉を紡げば涙になりそうで。
本音をいえば、黙って見送りたかった。
けれど、]
楽しかった…
嬉しかったし、暖かかった。
[肌の触れる温もりを感じられはしなかった彼へ]
ありがとう
[薄く涙を浮かべ、伝える]
……あ、え?
おっさん?
…おっさん!
[はらはらとほどけていくのを
口を開けて見て…]
…うん。
[イマリの声にぐっと唇を噛み締めて
ポケットから携帯電話を出した]
[イマリがズイハラへと声をかけるのが聞こえてくる。
ふいに彼女に名を呼ばれ、首を傾げる。]
お願い…?
[その前にズイハラにありがとうと伝えたイマリ。その後にズイハラへと伝える言葉。
そしてズイハラの姿がはらりとほどけていくのを見て]
ズイハラさん…。
[イマリのお願いが何を意味しているのか察しがついて。
こくりと小さく頷き、自分も携帯を手に取った。]
…サッカー、教えてもらいたかったんだ…オレ。
[寂しそうに言いながら、携帯電話のボタンを
ぽちぽちとゆっくり押す]
おっさん…
[指は本文を綴る。
―雪に、願いを―]
[手をのばし、彼女の切りそろえられた前髪に触れ、
髪を分けるその指は、もうぬくもりを失っていたけれど]
…会えて、良かった。
[額へと、それは触れたか触れぬ間か。
顔を寄せたまま、うすれていく姿。]
[
黙って居たかったのは。
……声を出せば、涙になりそうだったから。
黙って居たかったのは。
……せめて笑顔で、送り出したかったから。
彼の指が髪に触れ、額に触れたか触れぬか]
……っ
[顔は涙で、ぐしゃりと歪む]
ズイハラ、さ
[薄れる姿に居てもたっても居られず、名を呼ぶも。
ぐしゃぐしゃの顔に気付き、無理矢理笑顔を作ろうと。]
[携帯を手に取り初めてあのメールを送った時と同じように内容には
「雪に願いを」]
………。
[少しためらって件名には目の前で次第に姿がほどけていく彼の名前を。
送信ボタンに手をかけるもなかなか押すことができなくて。
目の前でズイハラがイマリに伝える言葉に涙が溢れ出そうになる。
自分と同じ思いをさせてもいいものなのかと。
それでもズイハラに残された時間は短いのは察しがついて。
ズイハラにもイマリにも何も言葉をかける事ができず、心の中で「ごめんなさい…」そう小さく呟き、そのまま送信ボタンを目をぎゅっと瞑り押した。]
/*
仮眠から 明けてみたら 頭重い(川柳…にもなっていない)
アンカーリセットの原因はエピったら探しにいきます。
シリアスなシーンに独り言とはいえお邪魔してすみません。
|ω・`)
|ミ
[送信ボタンを押した指を
じっと見て…口を一文字に結んだ]
おっさん…
またな。
[送信完了と記された画面は
閉じることなく、そのまま]
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