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翌日。儀式が近付いてきていた、その日。
村に突然の凶報が齎された。
朝方、村人の一人がアンが死んでいるのを発見したのだった。
時たま出る事がある獣に屠られたものとは違う、死体の有り様。人間が作り出したものだという確信が抱ける、無残な死体。
絶対的な禁忌である、「理由」のない殺人。
その死体は弔われ喰らわれるために運ばれて――
それは調理が終わるか終わらないかの頃だろうか。数人の村人が村長に呼び出され、集会所の一室に集められるだろう。
村長は幾つかの事を彼らに言うだろう。
一つは、この中に犯人がいる可能性が高いという事。一つは、疑わしきを殺す行為は、「理由」がある殺人として認められるだろうと、望まれた行為だろうと、神に仕える者が託宣を伝えたという事。
「疑わしきを捜し、殺せ」
村長は暗にそう命じたのだった。
それから、容疑者達は集会所から解放されただろう。
それぞれが疑われた理由は説明されなかったが、心当たりがある者もいたかもしれない。
殺し、殺され、喰らい、喰らわれて――
最後に残るのは、一体何だろうか。**
(2d最初に投下する予定だったものですが、更新時間によってすぐに落とせない可能性があるので、早めに投下させて頂きます。更新後はそんな感じで村長に呼び出される事になります。)
[座って、紙に何か書き付けている]
『 ばーちゃんへ
帰りが遅いのでその辺を探してきます。ばーちゃんはごはんでも作って待っててください。絶対外に出ないで待ってて。
あと、ほかほかの梅おにぎりがいいです。
万代 』
[ため息を一つ。そして何かを振り払うように頭を振ると、殊更ふざけた調子で]
…まったく、年を考えてよね…。
どこまで遊びに行ってるんだか…。
―木陰―
[村に一台しかない氷削機を借りて来ると、適当な木陰に入って氷を削り出す。
器の上に、氷片がはらはらと積もって行く]
はい、じゃあまず、ホズミさん。
[器に小さな山が出来た所で、ホズミに手渡した。
ついで栂村の分を作り、最後に残りを全て自分の器に削り落とす。
他の二人よりやや大きな山に、満足げに笑んだ]
ポルテさーん。
お邪魔しますね。
[ダンケが水を汲んで持ってくるより前に朝の回診で彼女の元へ向かった。
問診の後、体温を計り―――常より高めの体温に思い悩む顔。]
あの、ポルテさん…
もしかして ――――
[幾つか質問を繰り返してから]
…暫く無理はしない方がいいと思います。
体調が良くなるまで時間がかかるかもしれません。
また明日来ます。
[数日ぶりに学校に来ても職員間では儀式の言葉が飛び交うようだった。
同時に、アンの様子がいつもと違うことも自然と耳に入った。狭い村は少し広い家と似ていた。
保健室へと向かえば白い布に囲まれた世界。
椅子に腰かけて机に頬杖をつく癖。]
そういえばマシロちゃんのお婆ちゃん
見つかったのかな。
[窓の外の天気は相変わらず良かった。]
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