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……あら。
コーヒーの……香り。
豆は、売っているかしら。
[香りに惹かれて足を進めれば、すぐにオープンカフェが視界に入った]
へえ……なかなか、洒落たお店。
あ、すみません。
[6時間前]ブレンドと……苺ワッフルを下さい。
[席に着き、メニューから適当に注文を選ぶ。
何となく、周囲の席や景色を見渡した]
・・・・・・
[ペンダントの中の機械を見つめる。
”もしかしたら、店の外だけじゃないのかも”
そんな予感が頭をよぎる。
この店の店員が次々と倫理委員会に囚われていっている。
もしこの店のお客がターゲットになるのであれば、その客の判断基準はそう。
倫理委員会も、この店に入り浸ること]
[実際に、ギンスイ君は倫理委員会側だった。
まだ終っていない。まだこの店のお客の中に、倫理委員会の人がいるのかもしれない。
なら、どうして?
この店で行われている事を、どうやって知ったの?
表情に出さないように、店全体を静かに見回す]
倫理委員会の正義?
そんなの知らないし、知りたくもないね。
[戸惑いは、幽かにも感じさせないバクへの返答。
まるで″関与″していないような口振りで。]
何を…見たかって?
[「僕の見た真実」。
正しくもあり、また侵略不可能の領域で物事を判断する。
それは当たり前の権利であり、時に暴力的でもある判断基準を、溜め息で受け止めて]
――大義名分と思い込みで作り上げた正義による、
……地獄だよ。
[微笑んだ。]
まだ注文してなかった。
[カウンター内に向き直り、メニューを見て、]
あ、マスター。イチゴと白桃のタルトと、コーヒー下さい。ミルクたっぷりで。
[注文する。]
美人に、わらうんだね。
[場違いな、言葉を、ぽつり、と落とす]
地獄の話。
誰かに話したいと思ったことはないの?
[言いながら、一歩踏み出す。
床が鳴る音すらしなかった。]
あとこれ。
何か役に立つかと思うので、使って下さい。
[そっと渡したのは、倫理委員会の内部情報が綴られた、紙の束。]
――毎日美味しいコーヒーと、お菓子を出して貰ったお礼? です。
あー、それもありかもね。
[まだだらっとした姿勢のまま
ナオの提案>>にはまんざらでもない様子で頷く。
長い休憩を経て口調と精神状態は普段に近くなった]
だけどお財布のこと考えたら
<<13>>00円くらいが限界だけどね。
では発表と行きますか。
[あみだくじーあみだくじーと歌いながら
線の上をなぞる]
美人?
…それは、ハツネやナオさんや、マスターや、そこのお姉さんに言う言葉じゃないのかな?
[しばし考え込むように]
君は他人の地獄の話を聞いて楽しいと思う?
[縮まる距離。気付かず]
僕等はね、まだ地獄の中に居るんだよ。
だけどね、僕等は僕等の考えを、押し付けたくは無いんだ。
それに此処は、楽しむ場所でしょう?
[マスターをちらりと見て]
あ、あと。
マスター、ひとつお願いがあるけど良いですか?
[コーヒーを啜り、一息吐く。]
今日だけは、閉店まで。この店に居ても良いですか?
[考え込むセイジに小首を傾げながら。
ゆらゆらと、歩を進める。]
……。どうかな。
でも、僕なら話したくないかな。と思った。
[そんなことを言いながら、近づいて、近づいて。
やがて、片側だけが手を伸ばしても、
届かないくらいの距離で、セイジに言う]
手を出して。
何故、君に?
[緩やかな歩みで近付くバクに、考えるようにまばたきを、ふたつ]
手、を?
[言われるまま、手を差し出した。
手のひらの端末は、抗議の電子文字が踊る。]
んじゃ、とりあえず結果発表〜。
[有言実行で結果だけは言っておくことにした]
[もしくじを引いているのなら
ポルテに[凶]
ナオには[凶]
セイジに[末小吉]
レンに[末凶]
そしてバクに[小吉]という結果が出ている]
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