190 じんろうさまのかみかくし村 〜むしのこえ〜
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あらあら、チグサ君はずいぶん手際がいいのねえ。
お家ではお母さんのご飯の支度のお手伝いをたくさんしてるのかしら?
[この春、高校を卒業した時計屋の息子が、手慣れた様子で焼きそばを作っている。
夜店の明かりに照らされた顔は、鉄板の熱のためか、はたまた幼稚園時代の先生に誉められた故か、紅潮してうっすら汗ばんでいた。]
(2) 2016/ 9/21(水) 00時30分位[1976年・出店前]
―1976年・根木弥神社境内―
[根木弥神社の伝統にて代々受け継がれる名。実際に神主を継ぐのはまだ先であれど、名を襲名するのはこの時期
今年襲名したばかりの跡取り長男―――根木弥餅肌(ネギヤモチキ)は幼名を櫛次(シツジ)と言う]
アンや、どうした?
[真面目に祭事を手伝う手を一度止めて、従兄妹の少女――杏奈(通称:アン)が空を見上げながら漏らした言葉に]
虫の騒ぎが大きいか、ならば言い伝えのように連れてゆかれぬよう鎮めねばな。はは、もうシツジ兄さんではないぞ、今年からはな、兄さんは餅肌なんだ。神事の手伝いをしていかなければな。
[シツジ兄さんと呼んだ従兄妹の頭に、大きな手のひらで、ぽん、ぽん。アンは一族の中でも霊感の強い子だから虫の鳴き声に何か感じるものがあったのだろうと察するからこそ]
(3) 2016/ 9/21(水) 14時50分位[1976年・境内]
誰も連れて行かれぬよう祀り、虫の騒ぎを鎮めねばな。
ほら、こちらへおいで。よければ村の行く末を占う儀式の準備の手伝いをしておくれ、アンよ。
[今年餅肌になったばかりの跡取りは、アンを秋祭りの輪の中へと促すだろう]
(4) 2016/ 9/21(水) 14時50分位[1976年・境内]
餅肌 ネギヤが接続メモを更新しました。(09/21 14時50分位)
[スグル牧場の次男 優浩二(スグルコウジ)16歳
は、御神牛の引き渡しを終え、神殿の裏手のそのまた奥の樹上でサボっていた]
そろそろか。
[腹時計を頼りに向かうのは柳樂商店]
(5) 2016/ 9/21(水) 18時30分位[樹上]
おじちゃん、ジョンプ来た!?
[週刊漫画誌代150円を手に暖簾を潜ると、そこに居たのはいつもの店主ではなかった。>>1
あ、と息を漏らして会釈]
難しいの、それ?
[青年が手にしている本を、遠くから目線で*示した*]
(6) 2016/ 9/21(水) 18時40分位[柳樂商店]
牛飼い スグルが接続メモを更新しました。(09/21 18時40分位)
−鳥居の前・公衆電話の付近−
え。……あぁ、うん、そうなんやぁ
[受話器から「良い子にしてるのよ」とそれだけ聞こえ、頷く前に電話は切れる。
両親と離れて暮らし、親戚に預けられている春名双季(はるなふたき)は毎年祭りの日を楽しみにしていた。唯一両親に会える日だから。
今年は仕事の都合で、来れなくなってしまったらしいのだけど。]
……寂しい、なぁ
[鳥居の向こうでは賑やかに祭りの準備が行われている。まるで鳥居がひとつの壁となり、自分が切り離されているような感覚に陥った。]
(7) 2016/ 9/21(水) 19時10分位[1976年境内]
小柄な ニキが接続メモを更新しました。(09/21 19時10分位)
−境内−
[双季にはそれなりに友達がいた。だけど埋められない隙間はどうしても存在する。
鳥居を潜たニキの視界にうつる姿>>1>>3 兄弟や年の近い親戚の子でもいれば、こんなに寂しくなかったのだろうか。
羨ましい、と思う。
しばらくぼうっと見ていると、愛称を呼びながら駆け寄ってくる同級生の声にはっとなり、ニキは笑顔を浮かべた。]
お祭り?……うん!ええよ、一緒にまわろか!
[その友達、小夜の手をとり、双季と小夜は出店が出るあたりを歩いてまわっただろう。]
(8) 2016/ 9/21(水) 20時00分位[1976年境内]
「羨ましいのなら、」
「連れて行けばいいじゃない」
[その声は先から鳴いている虫からか、周りにいる人からか、それとも、
自分自身の意思なのか。]
(*0) 2016/ 9/21(水) 20時00分位
-村のバス停-
やっと着いた…
[疲れ切った表情でやってきたのは、高校を卒業後実に10年ぶりにふるさとであるこの村に戻ってきた柄(ガラ)もみじという名の女性
今は首都である京東でOLとして働いている]
えーと、こっちだっけ?
[地図と昔の記憶とをにらめっこしながら、今日泊まる予定の民宿へと向かう]**
(9) 2016/ 9/21(水) 20時30分位[境内]
ママ モミジが接続メモを更新しました。(09/21 20時30分位)
牛飼い スグルが接続メモを更新しました。(09/21 21時10分位)
大学生 フユキが接続メモを更新しました。(09/21 21時40分位)
[小夜の手を引き、神社の裏。
学校で何があったとか、そういった他愛のない話をして笑いあう。しばらくすれば着替える為にと、一度別れた。
またねと手を振り笑うも姿が見えなくなると、ふと神社に向き直る]
……?
[何か声が聞こえたような気がした。
気がしただけ、かもしれないけど。]
(10) 2016/ 9/21(水) 22時10分位[1976年境内・神社の裏]
「 」
「 」
「 ………―――。 」
[うすら、と深い蒼い目に、紅が差す]
(*1) 2016/ 9/21(水) 22時10分位
[>>6不意打ちのように元気な声が耳に飛び込んでくる。
青年は数瞬の間の後に、少年に出迎えの言葉を向けた。]
…いらっしゃい。
ええと、ありますよ。
[漫画雑誌の最新号を手元に引き寄せつつ、記憶を手繰るように彼の顔をまじまじと見つめる。
そうしていると彼から質問が投げかけられて。]
近野物語…だけど。
そんなに難しくはないよ。
[口調は普段のものに。
とある民俗学者が某地方に伝わる逸話、伝承などを記した説話集。
冒頭近くには神隠しの話も描かれている。]
(11) 2016/ 9/21(水) 22時10分位[柳樂商店・店先]
[真面目に祭事の手伝いをしているとはいえ、空腹にれば食事は必要だ。時計屋の息子の焼きそばの屋台を訪れれば]
焼きそばを一つ…いや、二つかな、頼めるかい?
[二つ目の焼きそばは杏奈の分。
屋台の傍の女性>>2に]
おお、これはどうもヘイケさん、秋祭りは楽しんでおられますかな?
[会釈をして。焼きそばを待つ間の屋台はソースのいい香りが漂う。定番にして人気のメニューである屋台は人を引き寄せるだろうか]
(12) 2016/ 9/21(水) 22時10分位[1976年・境内]
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