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― 蔵 ―
[御輿の脇を通り過ぎる。一度てっぺんの辺りに視線を送って、苦笑を漏らす。白い破片を踏まないように気をつけて、蔵の奥へ]
うーむ。
[古い木箱の鍵穴を覗く。指で触れればさびの浮いたざらりとした感触]
これ、鍵があっても開かないかもな。
[後ろを振り返る、ヘイケを見上げて]
壊せそうではあるけど。
[工具くらいはあるだろう。蔵の中を見回した]
[ヘイケやフユキの言葉を聞けば]
じゃあ、壊すだけだね。
まあ、道具なんてそこらへんにあるでしょ。
神輿とかも定期メンテナンスとかしてたんだろうし。
[しばらく辺りを捜索し、
片隅に工具箱があるのを見つける]
ほらね。
[まずはドライバーを持ち出して、てこの原理で
箱をこじ開けようと試みる]
かったーい!
もうこうなったら鍵ごとはがしてやる!
[親の敵と言わんばかりの勢いで
箱と鍵の継ぎ目にドライバーで攻撃を仕掛ける]
[そして<18>分後]
[古い木の箱から、鍵がごろりとはがれ落ちた]
よっしゃ!
それじゃ……開けるよ?
[周囲の人々の確認を得てから、蓋に手をかけて――]
[蔵の中、ロッカの傍らでそれを見ている。
古い木箱に、容赦なく仕掛けられるホズミのドライバー攻撃。
聞こえないのは承知で、思わずつっこむ]
……いや、ホズミねーさん。
ふつー、そーゆーものは力づくじゃ開かないってのが相場……開いたよ。
[箱の蓋がえいっとばかりに開けられて、目に入ったのは
銀色のような、虹色のような、鱗]
[18分間16連射ばりの猛攻受ければ鍵も外れるでしょうね、ですよね]
……。
[蓋が開くと、なんだか必要以上に人の気配を感じた。自分も中を覗き込む]
人魚の鱗、か? これが探しているもの?
[虹色に光を反射する銀の鱗。
見えない誰か……が居るかもしれない[殺虫スプレー]の辺りを見る]
[足もとに、錆びだらけで転がっている殺虫スプレーの缶。
ぶしゅーっとやっても全く意味は無いよねー、などと思いつつ]
雷神様が、橋を渡らせてくれないなら。
自分たちで、虹の橋とか、かけられればいーのにね。
なんつて、ファンタジック。
[スプレーから、幼い頃霧吹きで作った虹を連想したようだ。
視線は、ホズミの手の中、美しく七色に光る鱗へ吸い寄せられる]
……え、何これ?
何か波の音が聞こえてくるんだけど。
ね、誰かちょっと触ってみてよ。
別に危なくもないみたいだし。
[輝く鱗を持ったまま、
誰にともなくその手を差し出して]
[殺虫スプレーを見て死んだフリ]
海の音。
[温度のない床に寝そべって、鱗の光を見つめる。
胸を叩かれるような感覚があった]
… ほんとう きれいね。
[窓から降りる薄灯りを滑らかに弾く鱗。
丁重に納まる其れには巻物が添えられていて
――『牡蠣山縁起絵巻』と書かれていた。
茶屋の娘は、ウミの耳裏を柔く掻いて起こし]
ケンなら
読み解いてくれるかもしれないよね。
[数年振りでも見憶えてくれていた様子の
ねこの顔を覗き込んで、浅く首を傾けた。]
[遠い昔に書かれた筆文字は掠れがちだが、
添えられた絵にて伝承の概要は知れる。
むかあしむかし
海では貝が全く採れなくなってしまい
海神がそれはそれは困っておりました
山神は海神の窮状に酷く心を痛めます
此方の山では栗と柿がたあんと採れる
どちらか片方採れずとも困りはしない
なんとか恵みを分けてやれないものか
契約の仲立を買ってでたのは雷神は… ]
[名前と同じ響きに耳がぴくり
耳の裏を柔く掻かれる感覚に]
くすぐったい〜ぃ、くぁ〜…あ。
ロッカさん呼びましたかにゃ?
みぃ、綺麗な音がしますねぇ…なんの音なのですかにゃあ。
[海を知らぬ山奥の村の猫は首をかしげる]
[差し出される輝く鱗を受け取る、と。
こぽり。
泡が溢れたように、見えて。
ざあと波の音が聞こえたと思ったら。
深い青い色が溢れて来た]
……うみ?
[驚いて、瞬きすると。溢れて村を包んだ海の景色は消えてしまって。もう一度瞬きした]
[起き上がり、四つんばいでヘイケの方へと近づいてから手を伸ばす]
見つからないの、ごめんなさい。
[ヘイケの手に触れ、握り締めた。
それから振り返ってウミに小首を傾げる]
内緒よ、ウミにゃー。
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