[屋敷の扉が開き、入ってくるのは若い男がひとり]
やあ宇野さん、お招きありがとう。
[顔にかかる長い髪を手ではねのけて、ずかずかと屋敷の中へ]
宇野さん?いらっしゃらないのかな?
[食堂へとたどり着くと、先客に会釈]
おや……これは。
お初にお目にかかります。
そういえば、他にどなたが呼ばれているのか、伺っていないのですよ。
サプライズというわけだ。
[そう言ってから、テーブルに並んだ陶器の人形に視線を向け]
ほう……。
[薄く笑って、目を*細めた*]
[テラスからは、海が一望出来た]
それにしても――
[パイプを燻らせ目を細める。
青い海、青い空。立ち上った煙がぽかりと浮いたような雲が一片]
どうせ屋敷を建てるなら、こんな辺鄙な場所でなくてもよかろうに。
宇野さーん、あれ、いないのかな?
[きょろきょろと辺りを伺いながら、女が1人食堂へ入ってきた。
軽い調子で先客へ挨拶をする。]
あ、どーもどーも。
今日呼ばれてる人って……これだけ?
わざわざ招待状出すくらいだからもっと多いのかと思ってたけど。
もしかしてまだそろってないのかな。
[ふと、テーブルの上の人形に目がとまった]
なにこれ?宇野さんの趣味?
[そのうちのひとつを手にとってひっくり返したりしている。
しばらく眺めたあと、人形を元に戻して写真を一枚ぱしゃり]
古いお屋敷に謎の人形……絵になるね。
[満足したように*つぶやいた*]
…………。
[スケッチブックを一冊抱え。
無言で食堂に現れる男が一人]
…………。
[ぐるり、中を見回して。
そこにいる人々に一礼すると、男は隅に寄り]
……お。
[テーブルに並べられた人形を見て、元々細い目を更に細めた。**]
[食堂に辿り着いたのは30分経ってから。
面々を見渡すと恭しく頭を下げ、柔和な笑みを*浮かべた*]
あらあら、皆さんお揃いで。
ボタンと申します。
どちらに座ればよろしいのでしょう?
華やかな方やオーラの強そうな方ばかりね。
ああ、なんだか場違いな気が……。
[後からやってきた客人の声に]
あっ、こんにちは。
ええと…オトハと申します。
[つられてお辞儀をする]
席ですか……?
そうだわ、席……どこに座ればいいのかしら。
こういうの、初めてで。
お呼ばれの時の作法ってよくわからないのですけれど、適当に座って大丈夫じゃないでしょうか?多分……
あら。お人形さんがたくさん……
[自分のすぐ目の前にあった席に座ろうとした所で人形に*気付く*]