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[当たり前に、当たり前な子供が生まれるのだと思っていた。
それが「普通」だから。
しかし普通とは何だろうか。
何の感慨もなく結婚して、
今日にでも父親になろうとしているのに
全く実感は湧かないでいた。
妻の陣痛が酷くなったと聞かされたのは今朝のこと。
男はなにも持たず、財布と携帯とだけを持って家を出た。
面倒なものは妻の実家にあるはずで、
男が持って行くべきものなどなにもなかったのだ。
そこにまた、小さな疎外感。
家族とは何だろうか。
自分は家族ではなかったのか。
自分と妻の子供が生まれようとしているのに、
「家族」から自分だけ抜け落ちたような感覚。]
欲望を欲望する…。
[グロテスクなセリフをうっとりと。
そこはまだ開店前の店。カウンター席に腰かけ、頬杖をつきながら、指に挟んだズイハラの名刺をひらひらと眺めている。]
あたしが「先生」。あのかわいい女学生が「私」。
それとも。あたしが「私」。あの子は「K」かしら…
ねえ。ママ?
「白いぼうし」ってお話、知ってる?
思い出したの。子供のころ、教科書に載ってたのよ。
とれたての八朔がね?タクシーの中においてあるの。
乗り込んできた紳士が「良い匂いですね」って。とてもいいお話だったわ…。
[知らないわ。カウンターの向こうのママは笑う。
それは夏ミカン。と訂正するひとはここにはいない。それが彼…彼女の日常。やがて店は華やぎ、ポルテは歌う。たとえ夏風邪を患おうとも、それを微塵にも見せず歌い上げる。それが、彼女の日常。**]
[ポルテの降りた後、電車は緩やかに速度を取り戻し始める
振動に少しよろめきつつ、先程の女学生の方を再び見やれば文庫本で顔を隠している]
…………?
[顔に当てられた文庫本の向こうで相手が何かしらを呟いたような気がした
首を傾げつつ、歩いて元のボックス席の通路側――ポルテが座っていた場所に腰掛ける
窓際に置いていた荷物を手繰り寄せ、膝の上に肘を置いて考え事をするような格好を取る
そのまま、読んでいた本に再度眼を落とす]
――――何か言ったか。
[活字を追う格好のまま大きくない声量で、誰に向けてでもないような言葉を呟く
電車の走行音に掻き消え隣のボックス席に座る者に届かないならば。
それはただの独り言だ]
[どうも、おかしい
女学生からくる視線が好奇や奇異の視線とはまた異質なものに思える
彼女が何を考えているのか。気になりこそすれ、強く追求しようとも思わない
返事がないならばそれはそれで、勘違いだったということもあるだろう]
[後方であった何事かへの興味はいつのまにか薄れ。
イヤフォンをかけ直した手はその後今の気分に合いそうな曲を探して画面を上下させる。
その手がふいに止まることはあれど、目的に変化はない。
もう片方の手はいつの間にかポケットの中に。
ポケットの中で存在感を帯びだす飴玉の袋を包み込むように]
(こういうのって「当たって砕けろー」ってやつだよねぇ)
[とりとめなく思う。
例えば――家族のことにしろ、
未だ掴み損ねたままの件の男子学生との“この前”のことにしろ。
家族はまあ、家にいれば会えるとして。
男子学生が電車を降りるのは確か、
自分より先ではなかったか。
友人と一緒に談笑しつつ降りる姿は、
目だけでなく、耳にも残るものだ。それなりに]
(「当たって砕けろー」ってのが肝心……)
[もっとも、話したことがなければその逆、
話しかけられたこともない相手――
…………。
うん、そうだ。
“この電車内では”話しかけられたことのない相手、
で間違いはなさそうだ]
夏目漱石、お好きなんですか。
[自分の文庫本を、くいっと上げてみせる。
まっすぐに「イケメンさん」を見つめて。
にこり、と笑いかけた**]
(――うまく、笑えているかな)
[ナオは心の中でつぶやく。
ぎこちなくはないだろうか。
「イケメンさん」に向ける笑顔は、できれば自然なものでありたいと願った。
普段は、静かに読書をして過ごす車内。
ばくばく、と緊張で心臓が跳ね上がっていた]
/*
ポルテさんには気を遣わせてしまいましたね。
悪いことをしてしまいました。
中の人は、ズイハラとポルテのやり取り見て、ナオの顔を赤くさせてるだけで楽しかったのですが。
落としどころが難しいな。メモの紙を渡して終わりたいけれども。
/*
申し訳ないない
ちょっと夏風邪がなおらなくって。
ケンくんの方でも打っておきたいものはあったのですが
このくそほどに暑い中風邪をひくなんて なんてこったい。夏風邪はバカが引くとの言葉をかみしめています
うおおおお
うお うおお!!花火のいい音が恨めしい
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