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[消えた存在を問うプレーチェの声に、目を固く閉じて首を振る。]
ゼンジさんは……。
[なんと言えば良いのだろう。
自分だって判らないのに。
判るのは、彼がもうここにいないことだけ。]
ゼンジさんは、いっちゃった……。
そやね、ギンはどっかその辺でまた遊んではるんやろ。
またそのうちひょっこりと顔出しにくるんちゃう?
[寂しそうに笑みを浮かべながら]
…うちは何か、残せたんやろか…
[月を*見上げた*]
ああ、そうだな。
[鈴木の返答にくすくす笑う。
しかしすぐに、死の気配を感じて辺りを見渡す。
宿舎へ向かおうと歩き出し、途中現れたゼンジとイマリの幻影に瞬いた。
太陽の元で見るそれは、夜のものより不気味に思えた]
何があった?
[突然周囲を見渡すグンジの姿に不安になる。彼について宿舎へ向かう途中、様子がおかしいのに気付いた。]
…だれか、いるの?
[グンジの視線を追って目を瞬くが誰もいない。彼の目には誰かが見えているのだろうか?]
ゼンジ君と、イマリ君。
[鈴木の問いに端的に答え、宿舎の扉をくぐる。
真っ直ぐに広間に向かい、テーブルに置いたままだった死亡届をめくる]
名前が……。
[万年筆で書いたような文字で、空欄に名前が埋まっていた]
エビコさん、そんなに寂しそうな顔をしないでくれ。
グンジ先生、やっぱ俺らは元々なくなってて、いなくなった奴らは本当になくなったみたいだ。
[グンジの視線に]
ああ、「ない」んだなー。
[*呟いた*]
なんだこれ 物に触れることができねえ
[自分の体の異常に気づく]
夢でも見てるんだよな?
あー俺まさか幽体離脱でもしてんのか
すげえな俺
なんだ?ゼンジのおっさんが何か話しかけてる
あーやっぱこりゃ夢だ
なくなるとかわけわかんねえこといってるよ
何がなくなるんだ?
カルメ…やき、と、こわいひと?
[グンジから二人の名前を聞いて、もう一度そちらを見る。やっぱり姿は見えなかった。広間へとついていくと、死亡届の名前を覗き込む。]
[プレーチェの声に含まれる乾いた響きが、固く閉じた目を開けさせた。
何かを確かめるようにその目を覗き込む。]
ねえ、ちーちゃんが望んだのは、こういうこと……?
[豚汁が程よく温まったので火を止めた]
『ホズミ姉さん、豚汁まだぁ?』
[とイマリの声が聞こえた気がしたが、その姿はなく。
心にまた広がる不安]
まさか、イマリ、ちゃん?
[ふと見ればそこに居たはずのゼンジの姿もなくて]
ゼンちゃんも…。
[また、空を*見上げた*]
わけわかんねえや
元々なくなってたって何がだよ
記憶のことか?
気味悪いな
エピコさん今これどうなってんだ?
[ふと話しかけてみた]
なんだこの紙
[ふと死亡届けに目をやるとそこには自分の名が刻まれていた]
おいおい!!!俺いるよ!何わけわかんないこと書いてんだよ
これは夢だ!夢だ!夢だ!
覚めろー覚めろー覚めろー
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