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[猫は空いていた書斎に入りこむ。
幸か不幸か警察は不在を良い事に、猫は書棚に飛び上がり、次々と本を落としていた]
これ、やめんか!
[和綴じ本の奥に隠れた古い紙束に、猫の手が届く前にウミがソラを抱き留める。
猫は近くに来たウミの頬をペチと猫ぱんち]
[ちくたく。
ちくたく。
秒単位で刻まれる音を、猫の耳は聞いていた。
それは寸分のズレもなく”今”の時刻を正確に示していた。]
時間屋 ヂグは、ここまで読んだ。[栞]
[近くの鞄とその上の人形を一瞥すると眉を動かした。
老婆の抱えていた人形だと分かるが、持ち主の姿は近くに見えない。]
さっきそこで、警察のひとに聞いたんすよ、取り調べの時間になっても編集者さんが戻らないって。板前さんやオトハさんに同じく、行方知れずのようで…。
[言いにくそうに少し口ごもる。]
ええと、弁護士さん、二人きりで編集者さんと会ってましたよね。失礼すけど、庭で見ちゃったんです。
彼が如何なったか、知りません?
探検、っすか。確かにじっとしてても仕方ないし。
これがネギっちの言ってた「懐かしいもの」かも知れないんで、せっかくだから見せてもらいましょっか。
[何らかの境地に至ったらしいオトハに頷いて、書斎を出る。
少し歩くと、人影が見えた]
あれ、グリタさん?
ナタリーちゃん、どこへいったの?
[人形の名前を呼びながら、部屋から出て行方を探す。ふと庭を眺めれば]
あら?木の感じが随分違うわね。
どうしたのかしら、金木犀の木も幾分
小さくなって……
ん、んんー……
[目が覚めたのは、恐らく倒れてから随分経った後。
どれほど寝ていたのだろう。
たしかゼンジの後を追って、廊下に――]
あたた…痛いわぁ…
なんなん、もう……
[みんなに発見されたり救急車で運ばれたり。
ということもあったかもしれないが知る由もない。]
……ここ、どこ?
ゼンジさん、無事やろか…
[辺りを見渡すと、そこはネギヤの洋館…のよう。]
あら?和菓子屋の……!
お身体は大丈夫なのですか?
倒れていたので、皆さん驚いていましたが。
[モミジも無事だろうかと辺りを見回した]
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モミジさん居ないなーと思ったら来た!
わーい。
そして墓下のほうがログが伸びている現実。
人数こっちの方が多いからね!
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