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─二等車・ラウルの部屋─
[人の気配がないことを確認してから、ノックをひとつ。そして、するりと室内に潜り込む。
彼のものらしきベッドに、マトリョーシカを1つ置いた。
中身のないマトリョーシカには1通の手紙が入っている]
「親愛なるラウル
久しぶりだね。
こんなところで君を見るとは思わなかった。
でも、相変わらず小さかったからすぐに分かったよ。
もしかして、ロマネス家の秘宝を守りに来たの?
でも残念、僕が貰うよ。
二人も居るのに残念だね。可哀想に。
せいぜい頑張ってね。無駄な努力だけどさ!
Миша(ミーシャ)」
[マトリョーシカの頭には、ふたつの丸い耳が書かれていた]
─廊下─
[赤毛の少年はするりと部屋からでて、何食わぬ顔で廊下を歩いている]
やあ僕。
[目前に同じ顔のオリジナルを見つければ、楽しそうに右手をあげてひらりとさせる。
そしてその右手で少年の顔を押さえ付けると、掃除道具の置かれた部屋に引きずり込む]
君、ドッペルゲンガーって知っているかな?
同じ顔をした自分に会うと、死んじゃうんだって! 怖いね!
[怯えて声も出ない少年に優しく微笑む]
でも大丈夫。
僕はドッペルゲンガーじゃない──フェイスイーターだからね。
[勿体付けて名乗った後、ニヤリと口許を歪める]
気をつけないと
[左手で自分の顔を指す。純粋な喜悦]
顔……食べられちゃうよ。
[右手の重みが増す。どうやら失神したようだ]
ゆっくりおやすみ。よい悪夢を。
[赤毛の少年を隅に寝かせると、物置から抜け出した。**]
あの、そこの眼鏡の方。
宜しければ、この子、二等客車まで運んでくださらない?
流石にこのままにしておけないから。
[アルマウェルに声をかけたが、聞こえたかどうか。]
[乗車券を、テーブルの上の兎に持たせると、持っていた拳銃を構える]
ロマネスの秘宝なんて……無くなればいいのに。
[引き金を、引く。
ぱん、としかし音はしない。飛び出したのは、ただの水。水鉄砲に狙われて、黒い兎は水浸しに。
けれど、自分の目には、兎が銃弾を受けて飛び散ったように見えて。黒の残骸の幻覚が自分の着る衣服の上着に重なった]
念のためアナウンスさせていただきます。
本日無茶振り>>%0 >>%1 >>%2
本決定は>>#6 です。
確認されたお客様は、メモに【無茶振り・本決定了解】とお書き添え下さい。
[とにかく部屋に戻ろうと、一等室をでる。この広い部屋に移るにしても、荷物は取りに行かなければいけない。何があっても、何もなくても、特なのはどっちか、顎に指を当てて思案する]
一等、という格好ではないのですけど、ね。
[自分の姿を一度見下ろして、苦笑混じりのため息をついた]
度々のアナウンス、失礼いたします。
なお、排除劇には指定されたお客様以外が関わっても、全く問題ありません。
逆に関係性によっては止めに走っても構いません。
それでは、ACTION!!**
[貨物車の一車両を使った特注貨車。とは言え所詮は貨車、限度がある。暖炉とそこそこの防寒壁と白クマの毛皮を使った敷物、防寒用の持ち込み品である毛皮のコートに帽子、そして各種酒がひと箱。隅にしつらえたベッドには布団が山盛り。数人分はありそうだ]
流石に一等車よりは冷える。くっくっく、さぁて、ラウリ君はどう動くかね?
吾輩が見た所、他にも怪しき背景のある人物がちらりほらり。
競り負けるようなら、まぁそれはそれで。手に入れられるだけの情報を戴けば良い事。
どちらに転んでも今回の仕事はなかなかに楽が出来そうだ。
…この貨車だけが問題だな。
[寒そうにぶるっと身震いすると毛皮にくるまり暖炉の前の敷物に寝転がる。]
食料は…久しぶりに駅売りの屋台を利用するとしよう。
先程買っておいたものがそこらに、うむ。これこれ。
まぁあとはゆっくり監察させて頂くとしよう。
[客車内の各所に仕掛けられた無線を聞きながら、香ばしく炙った羊肉の串焼きとひき肉を包んだ小麦粉の団子が浮いたほかほかのスープをつまみにウォトカを煽っている**]
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