190 じんろうさまのかみかくし村 〜むしのこえ〜
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[黒い世界にちらちらと舞う白い蝶。きらきらと降る鱗粉]
(13) 2016/ 9/24(土) 21時20分位[かみさままたね]
― 2016年 ―
[遠くの音が段々と近づいて、それが獅子なのだと認識するのと、鼻のむずがゆさで目を開いたのはほぼ同時]
何!? 何かぞわっとした!!
[本殿裏手のそのまた奥にある樹の根元で奇声を上げる。
黒い蝶を手にしたアンが無表情でこちらを見ていたが、何も言わずに去って言った*]
何か言えよ……!
(14) 2016/ 9/24(土) 21時20分位[現代・神社裏]
――うん、そんなところ。
[>>11店を辞めた。
それは間違いではないような気がして。
青年もまた頷いてみせる。]
…え。 あ――
[>>12彼は漫画雑誌を求めて隣村まで行くらしい。
果たして隣村で購入する事は出来るのか。
――隣村自体が在るのかどうかは此処に留まり続けた青年には分からない。
移動手段を探しているらしき彼の周囲の景色が渦巻き、やがて闇に溶けるようにして消えてしまったが、青年の足は縫い止められたように動かないまま。]
(15) 2016/ 9/24(土) 22時40分位[1978年???]
…帰れたのかな。
[しん、と静まり返る境内。
杏奈は何処に居るのだろう。視線を巡らせても見つからない。]
――俺は、
[かえりたい。
だけど]
…放っておけないんだよね。
[青年は眉尻を下げて笑う。
一年、この世界に身を浸していたからだろうか。
招いた本人が誰かを知っても、恨む事も出来なくて。
鈴の音がする。
迷い子のように頼りない、か細い音だ。]
(16) 2016/ 9/24(土) 22時40分位[1978年???]
[少女が‘終わり’にしようとしている事を、青年はまだ知らない。]
親不孝な息子を、許して下さい。
[――どうか、この寂しさが僅かばかりでも癒えますように。
そう願いながら、青年はそっと目を閉じた。*]
(17) 2016/ 9/24(土) 22時50分位[1978年???]
―2016年・出店―
…え、寝てないよ?!
[妹に肩を揺すられて、青年は慌てて口元を拭った。
どうやら涎は出ていないようだ。
寝てはいない。恐らくは。
只、少しぼぅっとしただけだ。
そう言うと、熱中症かと騒がれるだろうから言わないけど。
――少しだけ、寂しいような。
何が原因かは分からないが、青年は宥めるようにそっと左胸の辺りを押さえる。]
(18) 2016/ 9/24(土) 22時50分位[現代・出店]
…あ、いらっしゃいませ。
一杯如何ですか?
[妹の声に我に返ると、青年は出店に視線を向ける客に笑顔を向けた。
聞こえてくる祭囃子に耳を傾ければ、寂しさも紛れるような心地がして。
青年は接客に集中する事にした。
本蔵酒造は、秋祭りでは毎年、自分の蔵で作った清酒と近隣の村で作られた地ビール、そして幾つかの清涼飲料水を販売している。
お手軽な紙コップ一杯から一升瓶まで。一杯300円とお買い得だ。
道の向かいにある、親戚の柳樂商店の出店の方が置いている商品の数は多いだろう。]*
(19) 2016/ 9/24(土) 22時50分位[現代・出店]
[寝ぼけ眼で、アンの消えた先>>14を追いかけるがすぐに見失い、崖にたどり着く]
うっわ、何だこれ怖ぇー。
[薄暗さに目が慣れる頃、見えてくるのは底に咲く曼珠沙華]
(20) 2016/ 9/24(土) 23時00分位[現代・神社裏]
餅肌 ネギヤが接続メモを更新しました。(09/25 01時40分位)
[ここまでは祭りの喧騒も届かない。
時折何かの羽音が聞こえるのが不気味だ]
何か此処、寂しくなるな。
[赤の咲く崖の縁に近づいて、上体を傾ける。
股のぞきして村の賑わう辺りを想像して数秒、立ち上がった**]
(21) 2016/ 9/25(日) 19時20分位[現代・神社裏]
あら……なんだか不思議な気がしますね。
[色白の福々しい青年の言葉(>>3:8)]
そう言えば、園の子に訊かれて答えに困った事があったんですよ。
「鳥も蜂も音がするのに、どうして蝶々は飛ぶ時にぱたぱたいわないの?」って。
(22) 2016/ 9/25(日) 21時30分位[1978年]
[それにしても、いずれ神職に就く青年は、いったい誰と話をしているのだろう。
彼の視線の先には、黒い蝶が群れかたまって羽ばたいていて、覚えのある少女の声は、そちらから聞こえていた。]
──蝶の声……?
(23) 2016/ 9/25(日) 21時40分位[1978年]
[蝶たちは、やがてかたまったまま遠ざかってゆく。]
『…人に声を届けたいと願う時は話においで。』
[蝶の群にかけられた声は、妹を慈しむ兄のもののように聞こえた]
*
(24) 2016/ 9/25(日) 21時50分位[1978年]
あらあら、双季ちゃん。ちょうどいい時に来たのね。
[境内の人ごみの中に、先ほど会った少女の顔を見つけて声をかけた。]
焼きたてよっ。
[両手には焼きそばが一皿ずつ。
盛りの少し多い方を差し出す。]
(25) 2016/ 9/25(日) 23時00分位[2016年・焼きそば屋前]
[――風と共に舞う鱗粉。それが触れれば少しばかり垣間見えた――ぼんやりとした影として視えた>>12>>13白い蝶と―――]
……ああ、此処に。そうか……。
[鱗粉に触れた根木弥餅肌は何を確かめただろうか?
しばらくその場に佇んで見守り、そして――]
(26) 2016/ 9/25(日) 23時00分位[1978年・鳥居前]
[神社の裏へ。その先へ。ちりんと鳴るほうへ。崖のあるほうへと歩みを進めただろう――――
―――それは1978年、秋祭りの日のこと。]
(27) 2016/ 9/25(日) 23時00分位[1978年・鳥居前]
――2016年・境内――
>>0:18
苺大福一個と焼きそば……!?条件が、きびしすぎる気がするんだな!?でも限定の苺大福……
わ、わかったんだな……ニキニキ、あとで焼きそば大盛りなんだな、だから苺大福は僕になんだな…!
[設営の手伝いをしながら苺大福の約束をとりつける、当代の不良跡取り根木弥餅肌。
手伝いさえすれば資材もどうにかなるもので、神事関連の設営はもうそろそろ完了するだろう]
(28) 2016/ 9/25(日) 23時10分位[現代・根木弥神社]
[崖から離れるにつれて祭りの音がどんどん大きくなる。
提灯の明かりにほっとしたその時]
やっべー、霊感とかないのに。やっべー。
ないないない。
[手をたたいて呼ぶような音が聞こえた気がした]
(29) 2016/ 9/25(日) 23時20分位[現代・神社へ]
[>>14大きな声にびっくりして資材を落としそうになる]
うわっととと!?すぐるんどうしたんだな?
……ん?アン…?
[黒い蝶と共に去ろうとするアンの姿を見て――
共に設営を行っていた父―――現・神主である先代の餅肌、現在は餅蔵という――へと]
父さん、アンがまた連れてるんだな、やっぱりアンのほうが神職に向いてるんだな、父さん行ってらっしゃいなんだな。
[神主は子供達にどんな昔話を言い聞かていたのだろうか。当たり前のように餅肌はアンの去ったほうへ向かう父を見送る]
(30) 2016/ 9/25(日) 23時20分位[現代・根木弥神社]
[鼻をくすぐる焼きそばの匂い>>25に引き寄せられるように、足早に駆けてゆく**]
先生、俺も腹減った!
(31) 2016/ 9/25(日) 23時20分位[現代・神社へ]
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