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[ざああああああ
いつしか、廃屋の屋根を叩く雨音。
移民の男は、はっと我に返ったように辺りを見回す。]
嬢ちゃん…
濡れっと いかんで、これ。
あー… 見せたくない の が、消えっしもたな…。
[サマーセーターを脱いで、戸惑う様子のキクコへ渡す。]
ネギヤさん ときとは、ちっと 違うような――
たましいが、匿われとる ちゅう 感じで。
……いや、説得力ないから。
[大丈夫、というセイジに更に突っ込み入れて]
あー、ネギ兄やんかぁ。
……にしても、そんなカッコで出てこなくてもいーだろーに。
[呆れたように言いながら、羽織っていたジャンパーを脱いでほら、と投げ渡す]
……っつか、聞いたの、ネギ兄やんの話だけ?
そんだけで、着替えもしねーで出てきたん?
ごめんね。有難う。
[タカハルから投げられたジャンパーを受け取ると、眉を下げて弱く笑い、それを羽織った。疑問をぶつけられれば、戸惑いの色が顔に浮かび]
……う、ん。
どうしても、胸がざわざわして……
……タカハル君は、どこに行くつもりだったの?
[曖昧に答えてから、話を逸らすように聞いた]
[踊る、踊る、真白な熊ン蜂。
わかる、みえる、ギンスイへそう伝えるよう。]
見えん。俺にも。
けどギンスイ、聴こゆっで な――
[船頭見習いの移民も、其処に居るギンスイを呼ぶ。]
お前、「わるいことしとらん」て
神さまに匿われちょっで、心配すんな…ギンスイ、
[悲鳴にもならない、喉奥へ軋む音を立てた彼へ――]
オレ? オレは裏山……なんかさ、アンちゃもまだ家に帰ってないらしくてさ。
最後に別れたとき、裏山行く、って言ってたから、もしかしたらまだいるかな、って思って見に行くとこ。
[何となく、はぐらかされたような気になりながらも問いに答えて。
言ってから、あ、ヤバったかも、なんてちょっと、思ってみた]
え……アンちゃん、も?
裏山に行って……
[タカハルの返事を聞き、呟く。声色に混じる、驚き、動揺。ぐ、とリコーダーを握り]
……僕も、一緒に行っていい?
心配だから……
タカハル君も、一人じゃ危ないかもしれないし……
[ぽつりと、申し出た]
―裏山―
『うふふ、うふふふふ。』
[音符模様のハンカチと開いた桃色の傘の上で、小さな声が揺れる。]
『ご招待、ご招待。お休みをプレゼント。』
『忙しないイベントなんて忘れて、ネギヤと一緒にゆっくり過ごすといいのよ。』
『いやかしら、いやかしら?
まあ、雨を続かせるために、もう少し、そちらに居てちょうだい。アン。』
[桃色の傘がころりと転げた。]
[予想通りの反応に、ありゃー、と思ったのはともかくとして]
オレは一人でも大丈夫だけどさー。
……セイちゃん、ここで帰れ、っても、聞きそーにないよなぁ。
[がじ、と頭を掻く。一緒に揺れるてるてるは、今はひとつ]
おっけ、一緒に行くか。
でも、ホント、無理すんなよ?
[釘を刺すのは忘れずに、言って。
裏山へと向けて、歩き出す]
……うん、有難う。
具合が悪くなったら、帰るから……
心配しないで。
[返事を聞くと、小さく笑って頷いた。ふと目に入ったてるてるを、少しく眺め――タカハルの後をついて、裏山へと向かう。
踏み入れたその一瞬だけ、体が痺れたように強張ったが、立ち止まりはせずに]
―― 廃屋 ――
…
嘘 つかれんで ごめん
[自分のサマーセーターをキクコの頭に被せる。
キクコの肩をぐ、と抱いて降りしきる雨の中、
――彼女を軽トラの助手席へと連れて行く。]
駐在さん と。
アンに―― 報せんといかん。
[荷台へ蜂の巣箱を移し終えると、軽トラは走り出す。
エンジン音と雨音に紛れ、
そのアンの声が微かどこかで聴こえたような―――*]
……っは、ふ。
[ようやく声を取り戻し、顔の周りを飛ぶ蜂>>25を視線で追う]
こいつには、ワシが見えよるんじゃな。
顔にぶつからんように、飛びよる。
ぶつかっても、通り抜けるんじゃろうが……。
[ヌイの言葉に、ゆっくりと首を振り]
……わけわからん。
心配すんなちゅうても、無理じゃ。
ワシ、死んだのとは違うんか?
けど、
こうなったんが姉ちゃんでのうて、良かった。
[ぽつりと呟く]
ホントは、すぐに帰って寝た方がいいんだろーけどー。
[ぼそっと言いつつ、裏山へと踏み込んでいく]
おーい、アンちゃー。
いるなら返事しろー。
[手にした灯りを右左と動かしながら声をかける。
けれど、答えはなく。
奥へと踏み込むうち、ふと、灯りの輪が山には異質な桃色を捉えた]
……あれ。
あれって、もしかして……?
ヌイ。
ほんまに心配要らんのなら、うちにそう伝えてくれんか。
でないと、姉ちゃんがどこ探しに行きよるか、危なくてしゃあない。
それから、
その辺にワシの持ってきた袋、落ちとるじゃろ。
母ちゃんから預かってきた、ンガムラさんとヌイにお礼じゃ。
親戚から送ってきた、林檎。
重いが、適当に分けて食ってくれや。
それから……
細かいことじゃが、セイジは。
嫌な事が「起こる」でのうて、「起こってる」て言うとった。
[先ほど答えそこねた>>2:110へ返す]
今になったら、同じことじゃの。
[乾いた*声*]
……え。
傘……?
[タカハルの後ろから覗く、道の先に桃色が見えた。ぼんやりと窺える傘の形。桃色の傘。タカハルの呟きに、眉をひそめ]
……、?
[続けて其方へ歩いていったが、はたと。傘より手前、足元に落ちる、塊に気付いた]
何だろ……
[膝を曲げ、拾い上げる。ところどころ土が付いた、てるてる坊主。タカハルの持つ灯りにかざすようにすると、その模様が――]
[――音符模様が、見えた。
それは間違いなく、自分がアンに貸したハンカチだった。鋭い目付きが、より鋭くなる。ひゅう。掠れた呼吸音が喉奥から漏れる]
……アン、ちゃん……?
[震える声で、名前を呼んだ]
どこに、行ったの……?
[がんがんと、また、頭が痛む。吐き気がする。蒼白な顔で、口元を押さえ]
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