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……………
……あの、この方、どちら様です?
[ネギヤとは似ても似つかぬ、にもかかわらず警察がネギヤ本人であると主張する、その人物の遺体を]
ネギヤさんですって? まさか。
ネギヤさんはもっとこう、大福のように白くて丸い方ですよ。でもこの方は色黒て硬そうで、まるでカリントウじゃないですか。
[ばかばかしい、とでもいうように首を振った。
そういえば、ガモンの姿が見えないがどこにいるのだろう。昨日の料理のことを話したいと思っていたのだけれど]
板前さん?
……いえ、分かりません。
[ガモンについても尋ねられるが、首を横に振る]
あの……さっきお願いした通り、あたし、ネギヤくんに預かってもらっているものがあるんです。
書斎、見せてもらえますか?
[白い顔のまま依頼をし、書斎に向かう]
[手の中の呪狼カードを見つめる。
子供の頃、何度か見せてもらったもの。
あんなところに放置されていたにしては、色あせてもいない]
いや……いやいやいや。
ない、ないだろそういうの。
[客間へ急ぐ。ネギヤも、数人いた筈の泊まり客も、誰も出てきていない]
とりあえずアレだ、新聞とかカレンダーとかそういう。
日付のわかる的なもの探そう。
[突拍子も無い考えを振り払うために、頭を振った]
いったいどういうことでしょうか……
[警察の聴き込みに答えながら思案顔]
ええ、確かに幼稚園以来会っていません。
でも、昨日大福を食べながら話していたのがネギちゃんだと……
そんな、一晩であんなに様子が変わるとは思えませんわ。
[窓際で金木犀を眺めるうち、はらりと足に絡む何か。
拾いあげればそれは昨日、ソラにじゃれつかせたチケット程のサイズの紙。]
あれ、スパモンのクーポンかと思ってたけど…?
[しかし、黄ばんだ紙は相当古いもののよう。
耳に入ったカリントウの発音に思わず見やれば、馴染みの菓子屋の若旦那の姿>>23。]
ちわ、ゼンジさん。
…懐かしいもののお披露目どころじゃなくなっちゃいましたね。
[向こう、誰かの移動の気配>>25もあったか。]
ガモンさんも居ないなんて……どういうことかしら。
[気分を落ち着かせようと、庭の金木犀の木の元へ]
ネギちゃんの姿が変わった…?
魔法でもあるまいし、それとも、そうなりたいと願って天に召されたとか……
いやいや、そんなお伽噺みたいなことあるはずないわよねえ。
[金木犀は変わらず芳香を放っていたけれど、もやもやした気分は晴れなかった]
[ざっと見た範囲では、新聞も雑誌もカレンダーもみつからない。
書斎や個室の中を勝手に探すのは躊躇われる]
おーい、誰かいませんかー。ネギっちー?
[どこからも返事は無い。困って窓の外に目をやると、庭の大きな樅の木が見えた]
おー、懐かしいなあ。
あの木に俺梯子かけて落っこちて……
っていやいや。
あの木、その次の年だかに切り倒されただろ、大きくなりすぎたとかって。
俺切り株見たし、間違いねえよ。
[窓を開けて確かめる。紛れもなく、記憶の中の樅の大木]
ネギっち、おい。
「懐かしいもの」って、なあ。
[呪狼カードを握りしめ、呟いた**]
え…?ネギちゃん?このお人が?
いややわぁ、何の調査です?
仏さん前にして冗談とかお人柄疑ってまいます。
ネギちゃん言うたら、真っ白ぷっくりの餅肌がトレードマークやのに…。
…こんなん、ネギちゃんちゃう。
何でか知らん、亡くなってはるんはお気の毒にぃ思いますけども、
ウチ、このお人は見たこともないん……
[昨日、夕陽の綺麗な庭をゼンジと散歩して。
自分の知らぬネギヤの一面についてなど他愛ない会話を交わし、
ガモンの”懐中時計”に舌鼓を打ち、「椿」の間で眠りに就いたのだったが。]
[そう、集まったのはネギヤの知人ばかり。
誰かが嘘をついている様子もなく、昨日も特に違和感を感じなかった。
皆、昨日過ごした彼がネギヤだと言っているのだ。]
集まってるんは、あの人の小さい頃のお知り合いとか、
普段のご近所付き合いある方とか、
学生時代の友人とか、色々ですけど…
そうだ、ガモンさん、どこにいらはります?
今日まだ、お姿を見てない方が……
[職人の朝は早い。
早朝に帰宅した可能性も少し考えたが…残された鞄に首を傾げる。]
[突然、ソラが台所から移動する。
捜査の邪魔になっては行けないと後を追うと
数年前に切り倒した樅の切り株にいた。]
おや?
[ソラはそこでボロボロになったカードを拾って口に銜えている]
これは…。
昔、子供たちの間で流行っていたカードだったかの。
[辛うじて読める「呪狼」の文字。
これが何を意味するかは分らない。]
[何となく見つけたカードをポケットに仕舞う。
結局ネギヤもガモンも見つからずに夜が来た]
へえ、重要参考人ですか。
[事件が解決するまで、帰れないらしかった。]
重要参考人ですか…。
[ 担当している小説でもよくある話である。
売れっ子作家の失踪と、売れっ子作家として発見された遺体。フィクションでないのが非常に残念である]
もしもし…。
[ 重い口調で、○×出版へと電話をかけた]
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