情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
区別・・・・・・そうね。区別は必要かもしれないわね。
人間とアンドロイドは、どんなに強い絆で結ばれていても真の意味で結ばれることは出来ないから。私はそう思う。
でも、後悔をする必要があるとは、私は思わないかな。
[胸の辺りを、ぎゅっと握りしめる]
人とアンドロイドが思い合う。それ自体はとても素敵な事だと思う。悲しい事も沢山あるかもしれないけど、それは人同士でも一緒でしょ。
・・・・・・ ありがと。
[呼ばれた理由。なんとなく判る気がする。でもそれは科学では証明出来ないことなのだろうと]
変なこと聞いちゃったから。私も。
貴方にひとつだけ、言わないといけない事がある。
[カウンターの中で、小さなディスプレイを操作する。
電光掲示板の表示が消える]
[頭の上に、天使の輪が表示される]
モミジさん。EVLENDのおかわりはいかがですか?
[先ほどの口調とはうって変わって、少し堅苦しい喋り方になった]
[手元にある画面を再度クリックする。電光掲示板が元に戻り、ポルテの頭の上のリングも消える]
きっと、貴方が愛したそのアンドロイドは幸せだったわ。どんな結末だったとしても。私が保証する。
私も、一緒に逝きたかった。でもそれは出来ないのよ。
[3原則には、自身の破壊行為を禁止するに等しいルールがある。
動かなくなった、自分を作り出した博士。
時坂事件の中核となった時坂博士と同じ研究を行っていた人物が、CODEEVEの実験体として作り出した2体目のアンドロイド。それがポルテだった]
このEVLENDだって、あの人が好きだったコーヒーのブレンドをそのまま再現しているだけ。
私にコーヒーの味なんて判るのかしら。ずっとそう思っていたの。
でも、私はね。あの人が好きなコーヒーがおいしくないなんて信じてないの。
だから今でも、このコーヒーを淹れ続ける。
あの人の代わりに、誰かに飲んで欲しい。
[モミジに微笑んで]
その子も、CODEEVEがあったわ。
きっと貴方も、愛されていた。
結ばれないかもしれないけど。
それでいいんじゃないかしら。
私はもう、充分。あの人の思い出と一緒に、機能が停止する日を待つだけよ。
でも、同じ思いをしている人もアンドロイドもこの世界には沢山いるの。
結ばれなくても、せめて一緒にいる時間を肯定してあげたい。
それを実現するためのテストケースなの。この「イヴの時間」は。
御免なさいね、こんなことにつき合わせちゃって。でもだから、貴方はここに来た。
[ポルテの慈しむ珈琲の味を思い、深くお辞儀をした]
うん、美味しかった。
大丈夫。とても、美味しかった。
テストケースに関われて、よかったと思う。
[そう言って、涙を隠すように店を出て行く。
その日の『イヴの時間』は、そこまで]
[『イヴの時間』の外、しばらくの間、扉にもたれかかっていた]
ないものねだり。
[過ぎるのは、翻訳中の『YAKISOBA PAN』の物語。
小麦を求めて争った、地球人と、元地球人。
重い足を一歩踏み出して、誰も居ない家へと帰っていく*]
恵愛の家教会・寮―
[自室で、思いにふける]
…………。
どうしてるかな……「お姉ちゃん」。
[思い出すのは、幼い頃のこと。
留守がちだった両親が、オトハの子守のためにレンタルしてきた、アンドロイドのこと。
食事や着替えの世話から、遊びや躾けまで引き受けていた「彼女」のこと]
[多忙のため、子供に目が行き届かなかった両親。
オトハがそのアンドロイドを「お姉ちゃん」と呼んで慕っていることに、しばらく経ってから気がついた]
[そして、「彼女」は、いなくなった]
絵本を……読んでくれた。
学校で褒められた話をしたら、一緒に喜んでくれた。
友達と喧嘩して、泣いて帰ってきたら、抱き締めてくれた。
あれは……確かに、子守のためのプログラム、だったのでしょうけど。
私を、私の心を育ててくれた。
私は確かに……お姉ちゃんの「心」に触れた。
お父さんとお母さんがいない間、私が寂しくないように、「お姉ちゃん」を傍に置いてくれたのでしょう?
だから、お姉ちゃんは私に心を見せてくれただけなのに……何がいけなかったの?
いいえ……いけないことなんて、何もしていない。
あれから、いろんな人と、いろんなアンドロイドと出会った。
同じように「心」を持っている……その思いは、変わらない。
あのお店で、お話ししているとき……誰が人か機械かだなんて、わからなかったくらいだもの。
お父さんも、お母さんも、きっといつか……わかってくれる。
今はまだ、怪しい宗教に走った娘と思われてるけど……。
また、あのお店に行ってみよう。
倫理委員会の人に、もしまた会うことがあったら、今度はちゃんと話を聞いてみよう。
美味しいコーヒーと、ケーキでも頂きながら。
[そう、心に決める。
『イヴの時間』は、明日、その扉を開いてくれるだろうか**]
・・・・・・
[モミジの背中を見送る。
彼女の心にも、イヴの時間が訪れますように。
そう呟く。
そして、テーブルの隅に置かれた、セイジの倫理委員会の資料に手をかける]
[男が一人、道を歩いていた]
……。
いや、特にこっちにカメラ向ける必要はないんじゃね。
[クレープを食べながら、よくわからないことを言った]
[資料には、現在調査対象になっている地域と調査予定日、そして調査結果ステータスがずらっと羅列されていた。
この「イヴの時間」も対象となっている。
そして、調査予定日は1週間後]
大義名分が無いわじゃないわ。でもきっと駄目でしょうね。
[この店は、アンドロイドが経営を行うという事で政府から認可を受けている。
当然、異例の出来事である。
つまりこの店は、アンドロイドがアンドロイドへサービスを行うことを目的とされた店舗。
店頭の1138コードは、人間にとっては緊急退避シグナル。つまり店頭はかろうじて”アンドロイド向け”である事を表記していた。
しかし、あくまで法の目をかいくぐった結果。倫理委員会が入れば、テストの続行は出来ない。たとえ店を守れても]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了