-法廷-
俺と同じ状態って訳か。
…お互い、不運なこったな。
[ユノラフの返答>>19に小さな声で。
よく店に来てくれていた客とこんな所で顔を合わせるのも妙な気分だった。]
…此処から出たら払って貰おうかね。
[ツケの単語にはそう返した。
此処と、法廷を見回して、漏れたため息と共に。]
…他の奴らもいるのか。
まだ顔を会わせてなくてね。
嫌でも顔を合わせる事になる、ってのは同意だ。
疑われる…な。
まったく…。
どういう事なんだか。
[ユノラフの独り言めいた言葉>>20に言う。]
魔女なんて――
[いるわけない、とは、言えなかった。]
ちょっ……何言ってるの!
そんなわけないじゃない!
[クレストの発言に動揺して怒鳴りつける
しばらくすれば、多少落ち着きを取り戻して]
というかクレストにまで
魔女疑惑があったとはね。
男でも魔女だって疑われるとか
どういうことなのか理解できないわー。
[親しい者の姿に少し安堵するが
それは決して喜ばしいことではない。
どちらとも、いつどうなるか
分からない身なのだから]
冗談言ってみたけど、元気でなかった?
[怒られたが、反省はあまりしていないようだ。相変わらずのんびりと続けて]
そうだねぇ。
男でも連れて行かれることは結構あるみたいだ。
お客さんからの話だけどね。…噂は、よく聞く。
[最後は、やや神妙な顔つきとなった]
僕は変わり者って言われているしね?
イルマこそ、どうして疑われたんだろう。
…でも、大丈夫。なるようになるよ、きっと。
[根拠のない慰めの言葉と共に、娘の頭を軽く撫でた]
そういう奴だと知ってはいたけど
まさか、この状況でそんなタチの悪い冗談言うとはね。
……とりあえず、呆れたのは間違いないわ。
[やれやれとばかりにため息をひとつ]
そうなんだ……。
だけど、いくらクレストが変人でも
魔女とか、ちょっとね。
どうでもいいことにしか使わなそうだけど。
……ひょっとしたら、誰でもよかったのかもね。
ありがと。どうにかなれば、いいんだけど。
[クレストの撫でる手はそのままに返事をした]
ん。何人か連れてこられてるな。
[扉の開く音、閉まる時の僅かな振動。
現場を見なくても、何が起こっているかは想像に難くない]
あいつらの理由なんて、聞いたところで納得出来る気がしねえが。
[ミハイルから視線を逸らす。
それは座っている向きにまっすぐ顔を向けただけではあったけれど]
――いねえよ。
[相手が飲み込んだ言葉を、意気込まぬよう、口にした]
少なくとも、俺は魔女じゃあ、ねえし。
お前は――
[疑問のような、確認するような、視線を向けた]
もし魔法が使えたら、1日の長さを3倍くらいにしよう。
ずっと本を読んで暮らせるね。
[真面目な顔で頷く。本当にどうでもいいことにしか、使わなさそうだった]
自分以外の誰でもいい、っていうのはあるかもな。
誰だって、裁判なんて受けたくはない。
嗚呼。でもいいことが一つだけあるよ。
普段は入れない法廷を見物できる。
[撫でる手を止めると、思いついたようにそう嘯く。実際は見物、どころでもないのだが]
折角だから、覗いてみよう。
じっとしていても、きっと気が滅入るだけさ。
……。
[いねぇよ、と明言するようなユノラフ>>32の声。
続く言葉に笑う。]
俺が魔法使えるって言うなら、ツケなんてとっくに昔に回収してる。
[微かに笑う。]
――魔女がいねぇとしても。
裁判官の目から見たら。
……此処に、魔女がいるのかもしれねぇな。
[呟き、煙草を取り出し、咥えた。]