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[手元にある画面を再度クリックする。電光掲示板が元に戻り、ポルテの頭の上のリングも消える]
きっと、貴方が愛したそのアンドロイドは幸せだったわ。どんな結末だったとしても。私が保証する。
私も、一緒に逝きたかった。でもそれは出来ないのよ。
[3原則には、自身の破壊行為を禁止するに等しいルールがある。
動かなくなった、自分を作り出した博士。
時坂事件の中核となった時坂博士と同じ研究を行っていた人物が、CODEEVEの実験体として作り出した2体目のアンドロイド。それがポルテだった]
このEVLENDだって、あの人が好きだったコーヒーのブレンドをそのまま再現しているだけ。
私にコーヒーの味なんて判るのかしら。ずっとそう思っていたの。
でも、私はね。あの人が好きなコーヒーがおいしくないなんて信じてないの。
だから今でも、このコーヒーを淹れ続ける。
あの人の代わりに、誰かに飲んで欲しい。
[モミジに微笑んで]
その子も、CODEEVEがあったわ。
きっと貴方も、愛されていた。
結ばれないかもしれないけど。
それでいいんじゃないかしら。
私はもう、充分。あの人の思い出と一緒に、機能が停止する日を待つだけよ。
でも、同じ思いをしている人もアンドロイドもこの世界には沢山いるの。
結ばれなくても、せめて一緒にいる時間を肯定してあげたい。
それを実現するためのテストケースなの。この「イヴの時間」は。
御免なさいね、こんなことにつき合わせちゃって。でもだから、貴方はここに来た。
[ポルテの慈しむ珈琲の味を思い、深くお辞儀をした]
うん、美味しかった。
大丈夫。とても、美味しかった。
テストケースに関われて、よかったと思う。
[そう言って、涙を隠すように店を出て行く。
その日の『イヴの時間』は、そこまで]
[『イヴの時間』の外、しばらくの間、扉にもたれかかっていた]
ないものねだり。
[過ぎるのは、翻訳中の『YAKISOBA PAN』の物語。
小麦を求めて争った、地球人と、元地球人。
重い足を一歩踏み出して、誰も居ない家へと帰っていく*]
恵愛の家教会・寮―
[自室で、思いにふける]
…………。
どうしてるかな……「お姉ちゃん」。
[思い出すのは、幼い頃のこと。
留守がちだった両親が、オトハの子守のためにレンタルしてきた、アンドロイドのこと。
食事や着替えの世話から、遊びや躾けまで引き受けていた「彼女」のこと]
[多忙のため、子供に目が行き届かなかった両親。
オトハがそのアンドロイドを「お姉ちゃん」と呼んで慕っていることに、しばらく経ってから気がついた]
[そして、「彼女」は、いなくなった]
絵本を……読んでくれた。
学校で褒められた話をしたら、一緒に喜んでくれた。
友達と喧嘩して、泣いて帰ってきたら、抱き締めてくれた。
あれは……確かに、子守のためのプログラム、だったのでしょうけど。
私を、私の心を育ててくれた。
私は確かに……お姉ちゃんの「心」に触れた。
お父さんとお母さんがいない間、私が寂しくないように、「お姉ちゃん」を傍に置いてくれたのでしょう?
だから、お姉ちゃんは私に心を見せてくれただけなのに……何がいけなかったの?
いいえ……いけないことなんて、何もしていない。
あれから、いろんな人と、いろんなアンドロイドと出会った。
同じように「心」を持っている……その思いは、変わらない。
あのお店で、お話ししているとき……誰が人か機械かだなんて、わからなかったくらいだもの。
お父さんも、お母さんも、きっといつか……わかってくれる。
今はまだ、怪しい宗教に走った娘と思われてるけど……。
また、あのお店に行ってみよう。
倫理委員会の人に、もしまた会うことがあったら、今度はちゃんと話を聞いてみよう。
美味しいコーヒーと、ケーキでも頂きながら。
[そう、心に決める。
『イヴの時間』は、明日、その扉を開いてくれるだろうか**]
・・・・・・
[モミジの背中を見送る。
彼女の心にも、イヴの時間が訪れますように。
そう呟く。
そして、テーブルの隅に置かれた、セイジの倫理委員会の資料に手をかける]
[男が一人、道を歩いていた]
……。
いや、特にこっちにカメラ向ける必要はないんじゃね。
[クレープを食べながら、よくわからないことを言った]
[資料には、現在調査対象になっている地域と調査予定日、そして調査結果ステータスがずらっと羅列されていた。
この「イヴの時間」も対象となっている。
そして、調査予定日は1週間後]
大義名分が無いわじゃないわ。でもきっと駄目でしょうね。
[この店は、アンドロイドが経営を行うという事で政府から認可を受けている。
当然、異例の出来事である。
つまりこの店は、アンドロイドがアンドロイドへサービスを行うことを目的とされた店舗。
店頭の1138コードは、人間にとっては緊急退避シグナル。つまり店頭はかろうじて”アンドロイド向け”である事を表記していた。
しかし、あくまで法の目をかいくぐった結果。倫理委員会が入れば、テストの続行は出来ない。たとえ店を守れても]
お嬢様に相談しないと。
[事務所に戻り、端末でお嬢様 − 博士の残した長女で、ポルテに支持を出しながら研究を続けている女性 − へとリストの送付と指示を仰ぐメールを送る。
程なく返って来た返答。それは]
『3日後に、イヴの時間を既に調査が完了した地域へ移転する』
[という決定事項だった]
・・・・・・ あと、3日。
[準備もある。実際に店を開いていられるのはあと1日だろう]
判りました、お嬢様。
[始まりもあれば終わりもある。唐突に存在を表したイヴの時間は、唐突に消えていく。
思い出の残りがだけを、残して]
[あの日の翌日。
結局のところ、ペケレは事態を把握しないまま
事件は終幕を迎えていた。
倫理委員会の動きも鎮静化し、姿を消した者も
戻ってきた――一部だけだが。
そして彼女は今日も『イヴの時間』に来ていた。
珍しくカウンター席に座り、注文をして。
それが目の前に置かれると、話を切り出す]
マスター、本を出してみる気はない?
このお店に込められた思いを
1人でも多くの人に知ってもらえれば
その分、世界が変わるかもしれないと思って。
もちろん個人情報は伏せて問題ないし。
[真剣なまなざしでポルテの返事を*待つ*]
[食べてたクレープを飲み込んで]
たしか、なまえ、
チャッピー……だったよね。
[差し出される170円を一度見て]
おなかすいてるの?
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