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―― 宿の一階 ――
[一夜明けての昼過ぎ。
惰眠をむさぼろうとしていたけれど、宿の主人にたたき起こされてソレもままらならなかった]
くそー、頑固親父め……そんなんだからかあちゃんに捨てられるんだっての……
[ぶちぶちと口の中で呟きながらそれでも宿の仕事をそれなりに手伝い。
休憩をもらって一階の椅子に座ってぐったりとしているところだった。
昨夜はドロテアも大人しく家に帰ったようで、このまま静かになればいいのになー、と無駄な期待を抱いたりしつつ。
たまには土砂崩れの現場を見に行くべきかどうかうだうだと考えて居るのだった。]
―― 自宅→宿 ――
こんにちはー。
[一人、おずおずと扉を開いて中を覗きこむ。
室内外の明暗差に目が慣れる頃、ベルンハードへと声をかけた。]
ペッカは、こっちじゃないのね。
[扉が開く音に視線をそちらに向け。
アイノを認めるとひらひらと手を振った。]
ペッカは今日は未だ見てないなあ。
もしかしたら土砂崩れのとこにいるかもしれないけど、なに、ペッカに用事だったんだ?
[最後の問いはにやりと揶揄うような笑みを浮かべながら。]
[掲げられたマフィン>>35をみて大慌てで謝った]
うわ、ごめん! あやまるからそれだけは許して!
おばさんのマフィンは絶品だからさー、それが食べられないなんてこの世の地獄だ!
[大袈裟なほどに嘆きながらぺこぺこと頭を下げた。]
[>>37笑われても気にせずにマフィンを受け取り。
嬉しそうにかぶりついた。]
むぐ……そうかあ?
[いいといわれてもよくわからずに首をかしげ。
ドロテアのことを聞かれてうーんと眉を寄せた。]
どーするもこーするも……
落ち着いて本人が忘れるまでほっとくしかないよーな……
だって、ほんとうに人狼がいるなら…………アレだけ騒いでるドロテアが襲われないなんて……
[ないだろう?と呟く。
信じてない人が多いから襲わないだけかもしれないけど、とも思いながら。]
[アイノ>>39の言葉にしょんぼりと肩を落とし。]
そんなこと俺がいうほうがおかしいだろー。
[むりむりと手を振り。
人狼はいない、と言い切る少女にわずかに瞳を細めた。]
そうだね……ドロテアにそんなことはいえないよなあ……
まあ、なんとかなるよ、きっと。
[ぽんと、軽く肩をたたいて。
土砂崩れの現場を見に行くというのには、気をつけて、と見送るのだった。]
―― 土砂崩れの現場 ――
[――ペッカは、今日も岩を抱え上げる。
回復した陽気で乾きゆく泥まみれの岩は、
粉を吹いて滑りやすいが落とさぬように。
連日、早朝からの作業にも拘らず土砂は僅かしか
掘り進めない。…独りでは動かせない岩も在る。]
よい、 せっ
[またひとつ、岩を除ける。
捨てた岩は土留めになるように斜面へと転がす。]
[その後もしばらく椅子に座ってうだうだとしていたら、父親に仕事をしないならどっかでていけ、とばかりに宿から放り出された。]
あー、もう……ちょっとぐらいいいじゃないか、なぁ……
[やれやれとため息をついて、土砂崩れの現場でも見に行くかな、と足をすすめた。]
[額から噴き出しては、目元へ流れくる汗が滲みる。
拭う手間も惜しめば泳いでいるのとさして変らず。
こめかみから頤へ伝う滴は、俯くと涙にも似た。]
…ありゃ。
[幾つ目の岩を投げ落とした頃か――ペッカの手が
持ち上げようとした岩を掴めずずるりと落とした。
自らの手のひらを眺めようとしても、
張った筋肉は僅か震えただけで腕は垂れたまま。]
… おし。休憩。
[休み下手の水夫は、疲労を自覚してひとり呟く。]
―― 土砂崩れ現場 ――
[放り出されるときについでにパンと果実酒の入ったビンをかごに放り込んで持ってきた。
散歩ついでに外で食べるのもいいだろうと。
土砂崩れの現場にたどり着けば、幼馴染が居るのが見える]
あー、ペッカ、やっぱりここにいたのかぁ
[ひらひらと手を振りながら、アイノも居るのだろうかときょろりと周囲を見渡した。]
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