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[張り手炸裂の後、ホズミは助手席の足元を指した。
何か落ちてる、と。
示した先に、てるてる坊主。
その布の体に記されたネギヤの名前が見えた。]
[ボタンが拾い上げ
みれば、それは逆さ吊りであった。
ネギヤの名の下に、『[廃屋]へご招待!』と書かれている。]
なんじゃいな、いつのまに……
ネギヤの落とし物かのう。
[ネギヤがそれを…? ンガムラのじゃないわよね、
思案する素振りのホズミは。]
[「この、てるてる坊主、
お社さまからどう思われるかしら。」
「ほら、トランクス一枚でも平気なほど暖かいここの陽気は、お社さまのおかげって事らしいから、
あそこには、晴れ祈願も多いみたいよ。
そういえば、あそこのご神体がトランクス着てるって噂も
……履かせたのはネギヤ説まであったわねえ。」]
[「ま、それはさておき、
この「廃屋」って、スパやホテル名だったりして。
で、ネギヤが、
リゾート満喫だのアバンチュールだのして
…えええ、やだぁ?! 」
テキトウにまくしたてて、ホズミは拳を握りしめた。]
[ボタンは、ダッシュボードの上へてるてるを置いた。]
……ネギヤん家に届けりゃいいんかのう、
まあ、ンガムラに任せたわい。
[やがてトラックが走りだし、
店の前へ到着すれば、助手席を降りた。]
[予定通りミス・トランクスは開催されるだろうか、
であれば、自分の代わりに弟にエントリーさせようか、
道中、そんな事を、
ホズミは叫んでいたようだ。*]
[花畑に身を潜めていたホズミを追い、
傘を差したタカハルが駆け去った後。
――移民の男はしばらくぽかんと見ていたが、
確かに蜂の巣箱を置き去りにするわけにもいかず]
… ほ
[ ぎい がしゃん ]
[自転車のスタンドを蹴り外してサドルへ跨った。]
こン村は いつでん お祭り。
[――騒動も起こるが、皆いつもあかるい。
ホズミの件も程無く解決するのだろうと漕ぎ出す。]
[キコ… 錆の浮いた自転車は行く。]
[実際、追ったタカハルや通りがかったンガムラ、ボタンらに
ホズミは保護(捕獲?)されていたのだが、男はまだ知らず。
ちいさな村。噂が回るのは早いもので――
移民の男が間借りしている、師匠の船頭の家へ帰れば
「V8ミス無事帰る」の報を聞いて安堵することになるが、]
ほ
[自転車の荷台に括りつけたトランク、下になったひとつが…]
[ ぶぶ ぶ ]
[騒ぎ出す、蜂の羽音。移民の男は戸惑いの表情を浮かべる。]
… ネギヤ さん? …
[呟き。村の通りの、何処でだったか。ネギヤの姿など
見えもしない場所で、不意に自転車を停めた男の独り言。
ネギヤがンガムラの軽トラの助手席から消えたばかりか、
それきり自宅へも帰宅しないままらしいと、近所中が
騒ぎになっているのを耳にするのは…夜更け頃の*こと*]
…あンな、
夕方なあ、ネギヤさん 俺がとこぇ 来やったと…
[遠く夜を渡る、光条の幾つか。
ネギヤを探す親族が持つ灯りか。
日頃表情をあまり大きく動かさない男は、
ンガムラの前で戸惑いを強く浮かべる。]
街ン人の ンガムラさんに 言うたち
不気味がらすっだけかも 知らんどん…
ネギヤさん、もう――
消えた ち ンガムラさんが 言うとなら、
見つかるんか どうかも わからんど なあ。
其れよっか、
[そこまで話して、懐中電灯の光がちらつくほうへ顔を向ける。
体の横へ降ろした両手は、いつの間にかこぶしを握っている。]
…アンに、何ち 言うたら 良かか。
俺にゃ わからん…
[押し殺す声。静かにも困り果てた態で移民の男は*つぶやく*]
―ひとりになった軽トラ車内―
今日は人に従ってばっかりだ。
[羽織りを貸したホズミには『寄り道しないでまっすぐ帰るのよ、いい?』とホズミ宅から50メートルの地点で言われたし、ボタンといえば謎のてるてる坊主を『任せる』と車内に置いて店へ姿を消していた]
正直、気味悪いんだけど、これ。
[ダッシュボードに置かれたてるてる坊主を見ないように、実家へ戻った]
―夜更けのこと―
ネギさん見つかったのか?
見つかってないなら、アンちゃんに言う必要は無いんじゃねーの。
[移民と化粧師が、玄関先で立ち話。
いつもと違って落ち着きのないヌイの横を抜け、軽トラへ近づいてダッシュボードに手を伸ばした]
ボタンさんが見つけた、てるてる坊主。
『ネギヤ 廃屋へご招待!』
[ヌイの目前で左手を緩める。
逆さ吊りのてるてる坊主が、拳から現れた]
見つかってないなら、どうしてヌイは仏さんなんて言う?
「アンも」あぶないんかもしれん、
ネギヤさん 言うちょいやった。
… うん
普通に亡くないやった 仏さんなら 俺も言わん。
…?
[軽トラへ向かう化粧師を振り返る。
彼が横を通る折には、横顔を張られたような手形が薄く見えた。
ついていくと、やがて示されるてるてる坊主――
不可解そうに眉を寄せるも、添えられる説明に僅か目を瞠る。]
廃、屋 。まさか。
[ンガムラのてのひらの上で、てるてる坊主をそっと裏返す。
てるてる坊主の首を吊り上げることを厭うような仕草でもあり]
声が …聴こゆっで。
しんだひとの 声。
誰も気づいてくれん たすけて て。
[かたん、]
[――移民の男は自転車に積んだトランクをひとつ開ける。]
[ぶぶ ぶ][夜更けだというのに飛び立つ、真白な熊ン蜂…]
俺ァ 聴くだけ。 …こいつは 見るだけ。
仏さんのことは わかる としか 言えん。
何、連続誘拐とか、そういうの言いたいわけ?
[アンも、と言うヌイに顔を顰める。
蜂の白さが、闇に浮いた]
廃屋で、蜂に刺されてご臨終。
なんてのは御免だかんな。
[苦笑しながら、運転席に乗り込んだ]
いいか、脅かすような真似すんなよ。
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