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−if倫理委員会の取調室−
[机といす以外は何も置かれていない小さな部屋で数名の倫理委員会の前に座らせれて型式番号で呼ばれる。
「介護型女性型アンドロイド型式番号<12>“U”-<<01>><<09>>だな。お前がここに呼ばれた訳はわかっているだろう?」
[無表情のまま静かに型式番号を繰り返し、次の返事には首をふるだけ]
「そうか、ロボット法3条が効いているのかね…しかし、しらを切ろうとしても
お前のチップを調べれば我々が聞きたいことは隠しようがないのだよ」
…それなら、調べてください
[何を言われても瞳を動かすこともなく感情のないモノのまま座っている]
翻訳家 モミジは、フリーライター ペケレに[十手]を拾ってきた。自信満々顔。[栞]
ガタンッ
[不意に倫理委員会の一人がいきなり席を立って椅子が倒れた。
静かな部屋に大きな音が響く。
無言のまま扉を開けて出ていく人影…それはずっと喫茶店で待っていた少年。
ツゥーとその姿を追うように少女の首が動いて]
キュウゥゥゥウ
[ほんの数秒---すべての機能が凍ったように停止した]
そしてイチゴタルトフラグを回収。
見落していたのに気付いたとか
そういうあれではなく
このためにあえてスル―しておいたみたいな
ほんとすみませんでした
[イブレンドとチーズオムレツが掛かったふわふわのパンケーキを頼む。
そう言えば、普通は小学生くらいの子どもが口にすることのない、珈琲と言う飲み物を教えてくれたのは『友達』だった。甘くなくて、むしろ、にがい、真っ黒なその飲み物をすすめた時のあの笑顔を、忘れない──。]
[『次代家元予定の少年の記事。レンと友達写る。』
レンはほぼ今と同じ姿。友達もレンと同じ年頃の少年で、双子のようにキッチリと着物を着て正装をしている。周囲は本家に関わる大人ばかり。
48代目の跡取りが生まれなかったその家では、伝統芸能を引き継ぐ役割を一度ロボットに託した。それから何年後かに人間の跡取りが生まれた、そんなニュースを、お昼間のテレビで観た事がある人もいるかもしれない。]
[セイジがペケレに告げた言葉で、セイジとバクのやり取りで、何となく、胸を締め付ける何か──を思い出す。]
( おしまい )
( お 別れ )
( 予 感 )
[でも、レンが友達と会えなくなった日と違うのは。
誰も、廃棄/プログラム変更/命令追加されていない事。
それでも、あの日、真っ赤な夕日の中で、ロボットと人間を区別しない大人になるから、待っていて。また、会える──と言った『友達』は笑おうとしたから。]
フリーライター ペケレは、翻訳家 モミジが十手を拾ってきたのよりドヤ顔に感動した。[栞]
[閉店の時、笑顔で挨拶をした。]
ま、また、
明日 、って みんなに、
言って いいの、か、な。
[作り掛けのガンドゥムを手に取る。続きがあるように感じている。ロボットと人間を区別しない場所、『イヴの時間』であえるはず──と*。]
[調書に目を通していた倫理委員の者が何かを感じて机に広げたメモから目を上げるが。目の前に座っているのは口の端を少しあげて微笑んでいるようにみえるガラスの瞳の人形のようなアンドロイド]
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