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私は、お菓子が大好きでね。
いろいろ持ってきたのよ。
[食堂に戻ると、自室から持ってきた手提げ鞄を、ガバッと開けてみせる]
芋けんぴでしょ、醤油せんべいに、のど飴ね。
鈴カステラもあるし、ほら、これ!
酢昆布!
それから……。
[食卓の上で、趣味全開のお菓子市が、展開されている]
んん?ルリちゃんの好きそうなお菓子は無いかしら?
あ、これ。チョコレートもあるわよ。
[何が?との問いに頭を振って]
わかりません。ごめんなさい。
人に恨みを持っているのか、何かでおかしくなったのか、それとも単に想像する以上に大きいのか。
でも、電話や車の話を考えても、ただ犬や熊に気をつければ良いという気はあまりしません。
ああ、そうだ。
アトリエが裏手にあった。
あの変な像みたいのがひしめいてる気もするが。
[言って、ザクロの遺体を毛布に包む]
アンちゃん、運べそうか?
[遺体を抱え上げて、セイジに問い掛けた]
ありがとう。若旦那さん。セイジ君。
[所在ななさげにたたずみ。
ゼンジとセイジの様子を見つめている]
……野犬でも熊でも無いの、かしら。
ああ……思い出せればいいのに。
[珍しくまじめな顔をして、手を口元に当てて考え込む]
[ふと、鞄の底から、小さな人形を見つけた]
あら……これは。
[人形を手に取り、しばらく眺めていたが]
ルリちゃん。
このお人形は、私が私のおばあちゃんから貰ったものなのだけど。
お守りのようなものでね。
これを持っているとね、怖いことが何にも起こらないの。本当よ?
良かったら、ルリちゃんが持っていてくれる?
私は今までもう、十分に守ってもらったからね。
[静かにそういうと、人形をルリに差し出した]
[問いかけにこくり頷いて、アンを抱き上げる]
大丈夫そうです。
室内に篭る。……そうですね。それしかない。
ついでに猟銃でも探しましょう。
酔いつぶれた女の子を運ぶんだったら楽しいのになあ。
[不安に飲み込まれぬよう軽口を叩くが、抱き上げたことにより近づいた死臭に言葉を失う]
こんなとき何やってんだよあいつら。
[辿り着いたアトリエは扉に鍵もかかっておらず、中に入り込むと遺体を片隅に横たわらせた]
ノミならたくさんあるようだが。
[室内を物色している]
[食堂では、おばあちゃんがたくさんのお菓子を出してきました]
わあー、すごいー。あまりみたことないお菓子が多いけど、おいしそうー。
あ、そうだ。お茶入れるねー。お茶っ葉どこかなあ?
[あたりをごそごそ。急須とお茶を探し出し、食器棚から湯飲みを取り出してきます。まず4つ取り出して、少し悩んで、あと2つ追加しました]
あとで、おにいちゃんたちにも分けてあげようねー。それに、寝てるザクロおねえちゃんたちにも。
[できるだけ、昨日とかわらないように、話をつづけます]
[そうしていると、おばあちゃんがお人形を出してきました]
お守りのお人形?怖いことが起こらないの?[差し出された人形にきょとんとして]
いいの?るりがもらっちゃって…おばあちゃんの大事なものなんでしょう?
[受け取っていいのか、思案顔]
大事なものだから、ルリちゃんみたいな可愛い子にあげたいのよ?
[目を細めてにっこりする]
あ。あんまり可愛くは無いかもしれないわねぇ……。
何しろ、私のおばあちゃんの時代の物だから。
今流行りの、ほら、なんとかちゃん人形みたいにスラっとしてないし……。
ぼくはこんなに女の子と密着したのはじめてです。
[毒づくのを聞いて]
ジロウさんたちです? 心配ですよね。
ゼンジさんと同じような感じで、戻ってこれないとかでしょうか。
……まるきり怪談ですね。
[そこまで言って、なんとなく、扱いやすいサイズのノミをベルトに挟んでおいてみた]
そんな告白されても反応に困るんだが。
[ノミをしまいこむ姿を、見るともなしに見つめ]
怪談ねえ。確かに。
ザクロさん、アンちゃんごめん。警察来るまでしばらくお待ち下さい!
[二つの遺体に手を合わせて、アトリエを出ることにした]
大事なものだから…
[にっこり笑うおばあちゃんの顔を見て、とてもうれしくなりました]
ほんとうにいいの?おばあちゃん、ありがとう。
[おばあちゃんの人形を受け取りました。じっとお人形の顔をみて]
このお人形、なんか優しくて暖かい感じがするね。ママみたい…
…これで、怖いことが何にも起こらないよね…
もう、大丈夫だよね…
大丈夫、だよね…
[何かを抑えるように、ちいさな人形をぎゅっと抱きしめました]
一生懸命、空気を緩和しようとしたのに。
[心外そうに言った]
明日か、一息ついたらか、また車出してもらえますか?
明るい時にみんな乗せて、それも何度でも試しましょう。
[ずっと待ってるわけにもいきません、と後をついて歩きながら]
あれ? 居ない?
[考えているうちに姿を消した2人に驚いて、きょろきょろと辺りを見回し、アトリエの扉が開いているのに気づく。
中を覗き込み手を合わせる若旦那にお辞儀をする]
安置してくれたのね。ありがとう。
怪談……だわね。確かに。
おかしいわ。どうしてこう恨めしいとか何か出てこないのかしら。
[人形を受け取ってくれたルリに]
こちらこそ。ありがとう。
ルリちゃんなら、きっと大切にしてくれると思うわ。
[『ママみたい』の言葉に]
そんな風に言ってもらえて、お人形も嬉しがっていますよ、きっと。
そう。そうよ。もう絶対、怖いことは起こらないからね。
[ルリの小さな体をふわりと抱いて、よしよしするように背中を撫でた]
何をどう和めばいいのかわからん。
車はいいけど、俺ハンドル握ると人格変わるんだよなあ。
[窓から建物に戻り、洗面所で手をゆすいだ。
いつまで誤魔化すのかと考えながら]
ただいま。
[そうして、食堂へと顔を出した]
ハンドル握った途端オカマになったら、ぼく、どうしよう。
[呟きつつゼンジの後ろから顔を覗かせて、どうも、と挨拶した。
ふっと思う。自分の手紙の消印はいつの日付なのか]
とりあえず。今日留まるしかないようなら戸締りに気をつけましょう。
バリケードとか作るのも一興かもしれませんね。
[おばあちゃんに背中をなでられると、どこかほっとします]
だいじょうぶ…だよね…
[しばらくの間、小さな小さな声で繰り返しつぶやいてました]
[ゼンジおにいちゃんの声がします]
あ、おかえりなさいー。
[お婆ちゃんから離れ、お菓子を手に取ります]
あのね、お菓子あるから、一緒に食べよう!
[できるだけいつものように、話しかけます]
地図見てみたけどやっぱわかんないですね。
[苦笑しながら空いている席に腰掛けて、ルリの様子を見ると]
いいねおやつ沢山だ。
どれがオススメ?
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