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[−ナオの自宅−
もし自分が倫理委員会に引っかかったらどうなっていただろう。
亡くなった娘の代わりに人間の様にふるまうアンドロイド。
とすこしづつおかしいと気づきながらも自分をごまかそうとする母親
少しづつ軋んでいく日常はとても危うい。
---それでも続けていくのは]
ママ 大丈夫だよ。ナオはここにいるよ
ずっとずーっとママと一緒だから。
[全てを失ったこの女性にとってナオはなによりも重要だから。ロボット法第1条と第2条が動いている為なのか]
[倫理委員会に捕まりたくなかったのは
ロボット法3条が働いているから
それだけなのだろうか
それともまだ形にならない胸の奥に生まれかけた感情]
ただ…消えなくなかった
ナオはナオでいたい
[そう思った瞬間に急に目の奥が熱くなる]
なに?これ
[つんっと鼻の奥が痛くなる]
[頬が何かで濡れるのを感じてそっと指で触れてみた]
なんだろう これ?
[目からはらはらと零れ落ちていく雫。
濡れた自分の指を不思議そうに眺めた**]
[−そして翌日、いつものように家を出る。学校へ行く用意、手作りのお弁当を持って]
行ってきます。
今日も…少し遅くなるかも。
大丈夫、心配しないで。
友達とね学校で少し残って試験勉強する約束だから
[手を振って家をでる。しばらく歩けば頭の上にリングが浮かび顔からは表情が消え去った。
学校の時間がおわるまではいつものようにどこかの図書館で過ごして、決まった時間になれば自然に「イヴの時間」へと]
[倫理委員会施設内、喫茶店で顔を合わせていた彼とすれ違う。
仕事はきちんとこなし、内部評価も良かったと聞く。
委員会へ従順な思考の持ち主に、自分達の行った行為は。
どのように映ったのだろうか。]
こんにちは。
[抱いた興味は、ギンスイをある場所へと誘う。]
今日、もし時間があるのなら。
「イヴの時間」へ行かないかな?*
−if倫理委員会の取調室−
[今日の調査対象はアンドロイドだった、という報告をきく。]
きっと、帽子とサングラスで顔を隠していた少年か、不思議な言動の少年、かな?
[数名の顔が脳裏に浮かぶ。だが、彼の目の前に現れたのは、制服に眼鏡の少女だった。]
あいつ、アンドロイドだったのか―
[嫌でも思い出す。
青いマフラーを取りながら挨拶する彼女。
ホットサンドを口いっぱいにしながら喋ってた彼女。
一緒にパスタを取り分けて食べた彼女。
「イヴの時間」で見せたくるくる変る表情は見る陰も無く
頭上には、見たくも無い、あのリング。]
気持ち悪い―
[取調べは始まったばかりだったが、無言で席を立つ。
がたり、という大きな音が響いた。]
−イヴの時間−
[今日が最後の営業になる。
少しだけ寂しいと感じるのもまたCODE:EVEがもたらした感情なのだろう。
また新しい出会いもある。そして、この店に集まった人やアンドロイドも新しい出会いがある。
だから、何も言わずに今日も「イヴの時間」を開店させる]
[入店してきたペケレに、書籍化を依頼される]
え・・・・・・私が?
えっと、でも。
[自分はアンドロイドだから。本など書けるとは思っていない。
でも、きっといい機会だと思う]
じゃあ、私だけではなくて他の誰かと共作でもいいかしら?
その方からペケレさんに後日原稿を送らせて貰って、それがペケレさんにとって書籍化していい物であれば、お願いしようかな。
[ペケレに連絡先を聞き、休みの合間にお嬢様へと連絡を入れる。
お嬢様からは快諾のお返事があり、数週間後にペケレの元へと原稿が届く事になる。
題名は、「イヴの時間」。内容は、この店で起きた出来事を元にした小説になっていた。
しかしその物語にポルテは登場せず、トキサカ事件から始まり、そしてCODE:EVEの実験機1号となるアンドロイド”サミィ”を廻る物語だった]
[取調室を出て、倫理委員会の外へ飛び出す。雑踏の中。溢れてくるものに耐えられず泣いていた。]
成長してないな、俺も・・・。
あの娘がアンドロイドの可能性だって
全然、あったのに。
[自分の母親が―今は母親だとは思っていないが―
事故で里親ロボットの試験型だと知ったあの日からずっと、人とロボットの区別をして生きてきた。ロボットに対しては、何の感情も抱かず、あくまで「物」として接する―そうやって生きてきたのに]
あの店のルールのせいだ、ムナクソ悪い・・・!
[転がっていた空き缶を蹴る。
道端で物を売る少年に当たる。
よく見たら、何処かで見た顔*]
[イヴの時間の入り口にある電光掲示板が見えてくると頭の上のリングが何度か点滅するとふっと消滅する]
あの、モミジさん
[喫茶店の扉を開きながらモミジの顔を振り向いて]
お店の中ではルールお願いしますね。
[にっこりと笑いながら上目づかいでモミジの顔を覗き込んで小さな声で少し心配そうな声を出す]
こんにちはーっ
今日はなに食べようかなっ
ナオ今日は体育あったからおなかペコペコなんだ
[するりと店内に入り込むと店にいる者たちに挨拶をしながら、いつものカウンターの席へ座って]
マスター!今日は おみくじクッキーとホットミルクのセットくださーい
[オーダーを入れた]
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