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[投票の結果、誰かを隣の車両に、という意見に]
ああ、まだみんなも踏ん切りがつかないだろうし、それでいいんじゃないか?結局は、一緒だと思うけどな・・・。あと、鬼を見分ける、ってのは重要だと思うから、俺も出てきてほしいと思うな。じゃないと、話のとっかかりもないだろうしな。
それはそうと、二つほど提案があるんだけどさ。まず自己紹介しないか?このままじゃ誰が誰だかわからないだろうしさ。
俺は、バク。椎名バクだ。煌星学園の二年生。一応話しておくと、半年前の青玲学園の事件で、親戚がいなくなってな。いろいろ探してたから、それなりにいろいろ知ってるんだ。・・・クルミちゃん、俺本当はそんな理由で休んでたんだ。ごめんな。須藤・・・先生も、さ。
あともうひとつの提案は、この汽車の中、一応見回っておかないか?両側にドアがあるからここは端じゃないんだろうけど・・・。なんか古臭いデザインだし、もっといい席とか、食堂車とかあるかもしれないしな?
一人も二人も避けたほうがいいだろうし、何人かでいくといいと思うんだが・・・。とりあえず俺は行くから、誰か来てくれよな。
[自己紹介が一周したら、希望者と一緒に隣の車両に向かうだろう**]
[弓槻が話すのを聞いて思い出したように顔を上げる]
六花は意見出し合って、皆で票を揃えるのに賛成なのね。
あと、もし耳の人が投票ではーいすることになったのに追い出されそうになったならその時はすぐにはーいしてほしいのね。
[言い終わると周囲を見渡して、未だ状況を捉えられてないのか落ち込んだ様子の下級生達を見ると、鞄を漁りチョコレートの袋を出した。個包装されている一つを手に取り、先ほど声を上げていた鷹野に差し出す]
あのね、甘いの食べたら落ち着くのね。はい、どうぞ。
コハルちゃんもナオちゃんも、ケンくんもはい。
[手近に居る人にも渡すが、一人一人に渡して回るよりはとボイスレコーダーの隣に置いた]
皆も、お腹すいたら食べてね。
[そして椎名が自己紹介をしているのを聞いて自分も同じように倣い、車両の見回りに付いて行くことにした**]
[バクに続きロッカにまでも「オジさん」呼ばわりされたことに思わず眉根をあげるが、「先生」でなければそう呼ぶしかなかろうということに思い至り気を鎮める。そんなことに神経を遣っている場合ではない]
そう。いい絵だなと思って拾ったんだ。ロッカちゃんが描いたの?
[彼女の独特の雰囲気を感じとり、できるだけやわらかい口調と表情で話しかけるように努める。
その後、バクの自己紹介と探索の案を聞いて、ちょっと困ったように眉を寄せ]
すまん。俺はちょっと喉が痛くなってきたんでパスさせてもらう、一応さっき名乗りはしたし。それに、ここに残る人間も居たほうがいいだろうしな。
―回想―
[はぁ…と深く溜息をつく。
彼ら―バクと近藤―の言う事はそう簡単に理解できるものでは無かった。]
青玲学園の事件と、僕らが今体験しているこれが同一…?
[あの事件については、神隠しが起きたという報道くらいしか、寺崎は把握していない。
だから、近藤が詳細に話す言葉を聞いて、ようやく事件との関連性を感じ取ったのだった。]
何を信じていいのか…。
[なぜ近藤が詳しい話を知っているのかは分からなかったが、作り話とも思えなかった。
しかし、誰かを疑うなど、自分にできるのだろうか。
気持ちを落ち着かせようとしても、そう簡単に整理はつかず。弓を握り締める左手には力がこもっていた。]
…はっ、この電車って動いてるんだよな…?
運転席とか…脱出口とか確認してくる――!
[駆けだそうとした際、すぐ近くで、近藤と須藤が2人がかりで二宮の身体を座席シートへと移そうとしているのが目に入った。
ふとドアの上辺りを見ると数字が書かれており、皆が集められて居るのは{4}両目らしい事が分かった。
まずは運転席の様子を確認しに行こうと動きだした。]
[速足で駆けて行き、運転席への入り口まではすぐに辿りついた。
だが、1両目から運転席へと繋がる扉を手で開けようと力を込めても、びくりとも動かない。
窓から中を覗こうとしても、やはりその向こう側は暗闇に閉ざされていて様子を窺う事は出来なかった。]
くそ…っ、誰がこんな事仕組んだんだ…!
[深く息を吐き、一度呼吸を落ちつける。
そして、手にしていた弓を袋から取り出して矢をつがえる。扉へと狙いを定め、ガラスを割ろうという考えだった。]
割れてくれ…頼む……!
[そう呟いて右手を離せば、矢は正面に見据えたガラスへと、空を切る音をさせながら一直線に向かい――]
……割れて…ない。
[ガン―ッという鈍い音を響かせただけで、寺崎が放った矢は虚しく地面に転がるのみであった。
その後、非常扉も探ってみたが、やはり開く事は無く、脱出不可能だという現実を突きつけられるだけの成果に終わる。
皆が居る所へと戻り、誰かに様子を聞かれたなら、悔しげな表情のまま首を横に振っただろう。]
―回想:終―
[とりあえず、須藤に促されるように適当な位置に座る事にして、近藤がスケッチブックを使って説明するのを他の皆と同様聞くことにした。今の状況をどうにかするためには、動かなければならないから。]
…鬼、か…。同級生達を疑えだなんて、これ以上にきついものは無いな。
[近くには弓槻の姿があって、そちらをちらりと見て苦笑いをした。]
能力があると自覚した人がいるなら、その人物の話を聞かなきゃいけない。
…誰だってここから出たいはずだし。
僕は、皆を変に疑ってしまう事は避けたいと思う。
だから、整理するためにも、その…鬼を見分ける目ってのと、死者の声が聞こえるっていう人物が本当にいるなら名乗ってほしいね。
それと、誰かに投票するというのは、まずはそれぞれが伏せてしてしまってもいいんじゃないかな。
一人に集める場合って、この中にいるらしい鬼も全員の意見が聞けるってことになるし、少しでも票数が多かった所に、合わせてきたとしたら…。
僕の意見は、鬼に有利になりそうな情報を渡したくないなと思っての提案。
もちろん、力があると名乗ってくれた人物は避けたいと思うけど。
[突然電車の中に閉じ込められた事も、二宮が死んでしまった事も受け入れ難いが、状況を打破するには話し合うしかないという結論に至ったらしい。
一通りの意思を伝えたところで、六花にチョコレートを手渡され、ありがとうと軽く微笑みながらそれを受け取った。
そして、バクの提案もあり、軽く自己紹介をしておく。
同学年の皆と先生方は知っているが、さすがに下級生までは知らなかったから、主にその3名に向けて**]
[須藤に促され、座席に座る。
自分の出した意見に続き、ぱらぱらと出て来る意見にじっと耳を傾けていた。]
そっか。
…結果を出せる前にそういう見分けられる力を持つ人間が名乗り出ると、何らかの情報を出す前に…鬼?だとかが二宮さんみたいにしちゃうんじゃないかって。
そう思ったから先生はあの意見を出したの。
…けれど…。
先生はちょっと臆病すぎるのかしら。
[ふう、とため息をひとつ。]
そうね。鬼が見える能力って、隠し通すのが難しいかもしれないわね。
じゃあ、鬼を見える能力があるなら…また二宮さんみたいな人が出る前に名乗る案。
それに賛成するわ。
自己紹介…。
そうね。わたしの名前は小鳥遊椛。
煌星学園の英語教師…だけど、知っている人も多いかしら。
一年生の子は知らないかもしれないわね。
[笑顔を作りはするが、疲労の色が滲み始めていた。]
中を見て回る手が足りないなら、先生も手伝うわ。
それでも、あと一人は欲しいところ、なのかしら…?
[もし男子数人あるいは須藤込みで見回るなら、探索を辞退する心算だとも付け加えた。]
それから、村瀬さんのチョコレート。
先生もひとついただくわ。
[ボイスレコーダー横のチョコレートをひとつ手に取り。
代わりに鞄からマシュマロの袋を取り出し、置いた。]
先生も甘いものを食べると落ち着くと思うわ。
これ、少ないけどお腹が空いたら食べてね。
[個包装ではないうえに、パトロールの際に幾らかつまんで食べてしまったことは須藤くらいしか知らない事実。]
寺崎君の言う、指差す先を伏せるかどうかの話は…。
少し、考えさせて。
[そう言って眉根を寄せる様子は、普段の自身を知るものからすれば珍しいものに見えたことだろう。]
先に理由も言わずにいきなり指差しで疑われたら弁明の機会も与えられないのではないかしら、って思うのよ。
それって、疑われる側からしたらとても怖いことじゃない…?
[そこまで喋り終わった後、チョコレートを口の中に放り込んだ。**]
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