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[部屋の片隅。椅子に腰掛け、ぼうっとした顔付きで、向かいの壁を見つめるでもなく見つめていた。んん、と伸びをしたところで]
「やあ、おはようございます」
おはよう。
……昨日も思ったが、君は少々タイミングをずらすね。
[カナメの挨拶に挨拶と、たわいもない感想とを零す。洗面の場所を聞くと其方に向かい、顔を洗うなどしてから戻ってきた。
コートを纏いつつ、室外へと出]
行ってらっしゃい。
会えたら、テンマさんにありがとうって伝えておいてね。
[ばいばいと手を振ってレンを見送る]
望んで目覚めたなら、何かしたらいいのかしらね。
好きなことって言われても困るわダーリン。お昼はさっき食べたし……。
[顎に人差し指を当てて思案顔]
私もお散歩してくるわね。
またね。
夕飯までには戻ってくるわ。
お腹空いたら、どうぞ。
[風呂敷包みのおでんを指し示す]
[そうして、キッチンから出て行った]
[ぺたり
ぺたり]
[あいも変わらず裸足のまま]
『やすらかにねむれ。
それは、死者への祈りではない。
生者の為の呪文。
別れの儀式は、死者の為に行われるものではない。
自分を言い聞かせる為の物』
[カナメの言葉が頭の中で響く]
『それならば何故、墓碑で記憶を留めようとするの?』
[部屋の扉を開く]
[中に入ると自動的に扉が閉まる]
[暗い室内]
あった。
[かた、かたり、と硬い音]
そうね。外に行くなら靴を履いたほうがいいわね。ダーリン。
[再び扉が開き、2つのカメラを手にして出てきた]
[ローヒールのかかとをカツカツと鳴らして歩き出す]
何を撮ろうかな。
[楽しそうに軽やかに歩き出す*]
そういえば……
今の季節はいつかね? 寒い気もするが、それ程ではないような気もする。
[何処を目指すともなく歩き、ビオトープの脇を通り過ぎた際に、ぽつりと]
さあ、はないだろう。……
君はどうにも秘密主義が過ぎるのではないかね。
[変わらない返答にぼやく声がふと、足と共に止まる。気付けば前方に見慣れない光景があった。ポストのように並ぶ、白い扉]
此処は……
[多くにプレートがかけられたそれらを遠目に見て呟く。どこか他とは違う雰囲気を持つ場所に、そのまま少時動きを止めていたが]
……と、やあ、おはよう。
[プレーチェの姿を見つけると、はっとしたように小さく首を振り、ひらと手を振って声をかけた]
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