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常夏の国の場合は、一つに蜃気楼が……
[説明しかけて、伝承の話に]
そう……何でも、昔村人が相次いで変死を遂げる事件があったそうです。
どこからともなく、突風が吹き……
それを受けた者が、謎の切り傷を受け息絶えるという。
真夜中に、遠吠えのような音をさせて吹きくるので……
人々はその風を、その現象を、「人狼」と呼んで恐れたのだと。
[御伽噺のように語る。
寒いと答えるのには、やはり「彼らの仕業です」と]
[何か遠い記憶を思い出すように目を細める]
風は狼のうなり声って言われてたな。
風の吹く──狼のうなる日は気をつけろってな。狼に切り裂かれるぞって。
オレも子供のころはオヤジによく脅かされたもんだぜ。むかし話だ。
[一転して*おどけて見せた*]
心当たりはありますか?
僕は人に噂をされる事はしばしばあるようで……
ええ。大分話した事ですし、構いませんよ。
[問いかけに頷いてから]
まさか。そんな乱暴な事はしませんよ。
深淵を覗く時、深淵もまた……とは、いったものです。
彼らに対抗するのなら、彼らと違った存在でいなければならない。彼らと同じ手段をとってはならないんです。
まずは村の色々を測定してから、ですね。
[30cm定規で測定をし切るには、この静かな廃村も、大きすぎただろうが]
結局湯のみは見つかりませんでしたわぁ。
[とぼとぼと、管理棟の人のいる辺りに戻ってきた]
あららぁ、結構たくさんの方がいらしてるのですねぇ。こんにちはぁ。
[ぺこりと頭を下げて、周りをみた]
そういえば、さっきまでいらっしゃったおじいさんもいらっしゃいませんねぇ。お出かけになったのかしら。
風と、狼。
風雪センセなら作品のネタにでもしますかねぇ。
…どちらかと言えば、伝奇よりも本格ミステリーのネタにするとよさげな気もいたしますが。
ああ、うん。結構そうやって子供の帰りが遅くならないよう戒める親って居ますからねぇ。
私のオヤジもそうでしたから、よくわかります。
[大福の甘みを洗い流すように、茶を啜る。]
あらら。こちらにありましたの。ありがとうございますわ。
[見慣れぬ女性―ペケレに声をかけられ、礼を言ってそちらに向かう。
そちらに居た人々の視線が、壁に張ってある花水木の写真に向かってるのをみて、ぽんと手を打つ]
こちらの村の花水木の写真かしら。綺麗ですわねぇ。
[伝承の話を聞けば頷いて、暗に同じ話だと告げる]
ええ。案外、有名な伝承なのでしょうか。それにしても。
降雪、蜃気楼に寒さと、人狼……奴らというのは、ずいぶんと侵略方法に纏まりがありませんね。
[サングラス越しに空を見上げた]
……ええ、おそらくは。孝治君もご同類ですか。
[自分の心当たりの主の顔を思い浮かべて苦笑い。望みを受諾されれば、声のトーンは少し上がって]
そうですか。ありがとうございます!
ああ、お気を悪くされたらすみません。儀式と言うと、つい贄を連想してしまって。想像力が貧困ですね、はは。しかし……
測定、大変そうですが、手伝う……というわけにもいかないのでしょうね。監視されているかもしれませんし。
[ふっと 手にした鍵にはっ気づき]
---ツレが
…外で凍えてるかもしれない。
[荷物を持つと]
とりあえず部屋に…。
たしか食事は此処ででしたよね?
[管理人ネギヤに確認すると]
では 夕食時にまた…
[管理棟にいる者たちに挨拶をすると外で待つ獏をさがし *一緒に部屋へ*]
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