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[長澤に言われた通り、座席に座ると力あるものの話をする数人の言葉が少し気になる。みんな、何かの力に頼りたいのだろうか。彼女自身もそれはすごく同意できる気持ちだったが力あるものというものはそれだけ危険にさらされやすいんじゃないかと不安に思う]
あの…鬼火?とかが狙ってくるんじゃないかな。
力ある人がいるとしてそんな人って、鬼?の脅威とかになるんじゃないかな。
りぅは見える人?も聞こえる人?も一斉に出てきちゃったら心配だよ。
[須藤の話を聞いて、うーんと考える。彼女は須藤を先生として好いているからこそその意見が気になる]
さすが先生!
投票で名乗りでるっていいね。
りぅも投票するならみんな足並み揃えたいな。
いろいろ聞くと怖い話だと思ってたけど、そんなこと言ってられないよね。
聞こえる人を先にって話はりぅはいいとは思うけど、知らない間に彼女みたいに見える人がこんなことになったりしないかな。
それが心配だよ・・・。
見える人が先も考えてみたけど、どっちも良し悪しがあるよね。
[首をかしげながら、辺りを見回す。少し強がってでもしゃべらないと涙がでそうだった]
―回想―
[1両目から戻ってきたあたりで、椎名から単独行動は慎むようにと言われてしまう。]
ごめん、そこは気を付ける。
運転席の中、真っ暗でどうやってこいつを動かしてるのかさえ分からないんだよな…。
……?
[六花が近寄ってきたので何だろうと思っていたら――チョップされた。]
…っ!?
そ、そうだな。うん、課長の言う事は聞かないとだしね。
村瀬さんも一人でうろついちゃだめだぞ?
[少し冗談交じりに話せるのは六花の行動のお陰だと、心のどこかでほっとしていた。]
―回想:終―
[1年生達の自己紹介も済んだようで、新たに覚える名前を頭の中で反芻する。
そして、座席に座ったまま、各人が出す意見をじっと聞いていた。]
そうか…、伏せてしまうと反論が出来ない、か。
でも、話し合ったり、問いかけたりという事は出来ると思ったんだよ。
それに、投票した後で理由を話せばいいかなとね。
えと、櫻木さんが言ってた、こっそり合わせる事が出来そうっていうやつだけど――
ああ、近藤先生も言ってたか。組織票とか。
投票の結果は全員見るだろうし、むしろそうやって鬼ってのが合わせてくるなら、自分が鬼だって言う様なものじゃないのか…?
二宮さんをあんな風にしたやつらが言う事を、信じるっていうのも変な話だけど、鬼は2人しかいないみたいだし。
もし伏せたとした場合、鬼同士で投票し合う事はなさそうだと思うんだ。どこに票が集まるかの予測は出来ないだろうから。
こういうのは情報にならないのかな…。
[皆に向けられる視線には、やや困ったような顔をしてみせる。だが、自分の意見はしっかり伝えなければ。
誰が信用出来るのかは、まだ分からないのだから。
…そういう風に考えてしまう事に対して、大きく溜息をついた。]
そうだな…、僕が皆の意見を聞いてて思ったのは…
何かの力を持つ人を隠そうとした場合でも、誰か一人を選ばなきゃいけないんだろう?
そこで、鬼ってのが選ばれたら、力を持っていますって名乗って来そうな気がする。
すぐに名乗らない場合って、こういう事も考えられるよな…。
鬼達の言い訳の機会を奪うって意味でも、名乗った方がいいってのが、僕の意見。
見分ける事が出来るっていう人は、投票用紙に申告しておいて、後から判明するっていうやり方もあるみたいだけど…
鬼が、二宮さんをああいう風にしたように僕らを攻撃してくるなら、得ようとしていた情報ごと分からなくなるかもしれない事を考えると、あまり良くないような気がするんだよな。
[そこまで喋ったところで、車両の確認をしてきた椎名からの提案を聞いた。]
食堂車…そんなのがあったんだ。
分かった。二宮さんはその奥に移動させようか。
[椎名が手伝うよという態度を示して来たのだが、小柄な少女一人であれば、弓道で鍛えた力があれば一人で運べそうだ。
椎名には、寺崎が所持していた荷物―鞄と弓矢―を持ってもらうよう頼み、食堂車のその奥の車両へと向かった**]
―回想―
[うーんうーんと唸りながら、椎名と近藤の話を理解しようと眉間に皺を寄せていると、近藤が何やら話し始めたので思考を一旦中断させてそちらを見やる。
スケッチブックを手に要点を話し始めるその姿は、まるで授業をしているようにみえた。
――誰かが次にやられる。
その言葉に思わず身を強張らせ、隣にいるであろう成瀬の手をぎゅっと握る]
例の…声…。
[それだけ言うと、少し口を閉ざして口元に指を当てて考え込む。
……ダメ。
こんな状況に身を置いていても、やっぱり現実離れしていてこれを現実なんだと捕らえようとすると、どこかでそんな訳がない。なんて考えが浮かんでしまう。
だったらいっその事、今のこの状態をゲームとして考えてみようか。
自分達がここから出るには鬼を探さなくてはならない。
鬼は自分達を狙っていて、捕まったら負け。
そんな鬼に対抗出来る力が3つだけある。
どんな力なのかはよく分からないけど、多分この3つの力が自分達の切り札。
切り札を上手に使ってここから逃げ出す…みたいなそんな設定のゲームに参加した…とか?]
これ…ならいいかもしれない。うん。
[現実逃避でしかない考えであるのは頭の片隅では分かっているものの、この状況をゲームだと置き換える事によって少しだけ
物事を考える余裕が出来た気がした。
自分がそんな風に心の整理をしている間にも、周りの人々は各々の考えを述べていた。
自分も何か言わなくては…と、そう思い口を開く]
なんとなく…だけど、鬼的に一番邪魔なのは鬼を見つけれる力がある人じゃないかなって思う。
そんで、その一番の邪魔者が誰なのか分からないってのは鬼に焦りみたいなのを感じさせれないかなぁとか。
見つけれる力を持っている人は隠れてた方がよさそうに思う…けど、ずっと隠れてられると隣の車両に行ってくださーいって言われた時に、
自分の力の告白をして隣行きをキャンセルする事は出来るけど…その、鬼に狙われちゃった場合…?は、
ちょっとあたし達的には不利なのかなと何となく思ったので、タイミングを見て出てきて貰えると有難い感じかもしれないです。
でも皆が皆隠れたままだと、あたし達は何のとっかかりもなく鬼を探さなくちゃいけないという無理ゲー臭がするような気がする。
なので、何かの声が聞こえる人…でしたっけ。
その人には出てきて貰ってもいいんじゃないかなーとは思う。
そしたらあたし達の中に変装して紛れ……っと、何でもないです。とにかく鬼。
鬼候補が少しでも減った方が見つけれる人も見つけやすいのかなとか思ったり。
……と、名乗り出るかどうかについての考えはこんな感じです。
頭あんま回らない方なんで、何かを勘違いして喋ってるところがあったり、分かりにくかったらしたらごめんなさい。
[ここまで言うとふぅっと一息入れる。
何だか上手にまとまらない考えをそのままうだうだ話してしまったような気もする…。なんて少し落ち込んでいたところに、村瀬からチョコレートの差し入れを貰った]
あ…ありがとうございますっ!
えへへ、あたしチョコ大好きなんです。嬉しいなっ。
[礼の言葉と共に、汽車に収容されてから初めてぎこちないながらも笑みを浮かべる。
早速貰った個装を破り、チョコを口に放り投げると、
甘い味が口内で広がって少しだけ幸せな気持ちになれた]
―回想―
え、ええ。
先生だもの、ちゃんと生徒のことは見守らなきゃ。ねぇ?
[そう言いながら椎名達と探索に向かったはいいものの。
数歩動く度にびくりと身を震わせる様子は、とてもではないが頼りになるものではなかったことだろう。
笑顔もどこかひきつっていた。]
―回想終了―
[探索から戻って来てすぐ、ボイスレコーダーの再生ボタンを押して録音内容を聞き始めた。
聞き終えた後、口を開く。]
鬼とかいうのが指名されて、力を持つと嘘をつく可能性。
その可能性を考えていないわけではないのよぅ。
その可能性も折り込みながらの提案よ?
少しの間だけ隠れるのは見える目とは違う調べる力?があるらしい人にという提案について。
その、指名された誰かが見える目だと申告した場合。
先入観が入りかねないかしらと思ったから。
見極める側からすれば非常に面倒かしら、って。
見える目とは違う識別能力?の場合は…。
複数出た場合、最悪順番に隣の車両に…もありかしら、なんて。
少しひどいこと言ってるかしら。ごめんなさいねぇ。
…と、それから自己紹介…でしたよね。
あたし1年の鷹野クルミって言います。
ソフト部に所属してます。
…って、う〜…。
いつもならもうちょい何か肉付け出来るんですけど、何か今はこれくらいしか思い浮かばなくて…。
[簡単すぎる自己紹介を述べてから、とりあえず軽く会釈をしてみせ]
それから隣の車両に行って貰う人をどうやって決めるか…ですよね。
そこだけで見れば、個人で希望言っちゃってもいいんじゃないかなって思います。
鬼が狙おうと思ってた人が、隣の車両に避難しちゃったらどうなるんだろうってちょっと興味があったり。
…まぁそんな確率低いかもですけど。
でも、見える人に隠れてて貰いたいなーって気持ちがありますので、皆で話し合って決める方がいいかな。
ケン先輩が言ってた鬼が多数の意見に合わせてくるかもって心配もありますが、それも考えるとっかかりの一つになるかもですし。
……まぁどうやって決めるにしろ、あたしはまだこの中の誰に隣に行って貰いたいって目星とか全く全然ついてないんですけどね…。
どうしよ…。
[長澤に勧められるがままに座席に腰を下ろすと、辺りを見回している成瀬の肩に頭を預け]
…早く帰りたいねー。
[なんて気の抜けた感じで言ってみる。しかし口調とは打って変わり、手は小刻みに震えていた。
ゲームに参加しているのだと自分自身を騙しているつもりなものの、やはり怖いモノは怖い。
自分自身を騙しきれなくなる前に帰れたらいいのだけど。そんな風にぼんやりと考えながら窓を眺めていた。
窓の外は真っ暗で何も見えない。まるで地下鉄に乗っているような気分だった]
―回想終了―
あとは…理由を言わずに思い思いに指差すのは、後からいらぬ疑惑も招きかねないとも思うのよぅ。
鬼とかいうのは仲間同士で指差す先を合わせないとしても、指差す理由を言わなくていいのは好都合じゃないかしらぁ。
後付けで理由を言う時間も与えられるでしょう?
勿論、先に先生が言った紙に書き残す案は指差す先を揃える前提の話であることは付け加えておくわねぇ。
[此処まで喋った後、軽く咳き込む。
そして先程の席に戻ってから茶を飲み始めた。**]
[座席に腰掛け、皆の話を聞いていた。
少しの間、考えを巡らせると切り出した]
えーと、鬼に対抗する力が3つあって、そのうち鬼を探すヒントになりそうな力が見る力と聞く力。
で、その2つの能力を持つ奴がどう名乗り出るのがいいか?ってことだよな。
話聞いてたら、見る力を持つ奴は名乗り出て、聞く力を持つ奴は投票のときに申告って案と、
見る力を持つ奴も聞く力を持つ奴も両方とも名乗り出ろって案と、
聞く力を持つ奴は名乗り出て、見る力を持つ奴は投票のときに申告って案と、3つ出てる感じか?
んーどれも一長一短はあると思うんだよなー
両方とも名乗り出させるのは、どうしたってどっちかは守られねーし危険ってことにならねーか?って思うんだよな。
ただいざ投票決定のときになって、鬼に力がありますって嘘つかれても困るから、そこを考えると先に両方名乗り出ろよってのも理解できるし…
どっちかだけ名乗り出させるってのは、片方は鬼に見つかりにくいのが利点だよな。
力を持つ奴を守ることを優先させるか、鬼に嘘つく隙を与えないほうを取るか、だよな…
俺としては、見る力を持つ奴だけが名乗り出て、隠れてる聞く力を持つ奴を見ちゃうのが無駄な気がするから、片方名乗り出させて片方投票のとき申告する案なら、
聞く力持つ奴だけ名乗り出て、見る力持つ奴は投票の時に申告案かな。
もちろん、投票決定になりそうなら名乗り出てほしいが。
もし見る力を持つ奴が先に名乗り出たら、鬼に嘘つく隙を与えないためと隠れてる聞く力を持つ奴を見ないために、両方名乗り出てほしい感じがするな。
それから投票を揃えるかどうか、ってのは、その前提がないと片方隠しとく案がつかえねーってことだから揃えるほうに賛成しとくぜ。
[ここまで一気に話し、ふぅーっと一息つく]
[意見を言い終え、ふと目線を下げると、隣に座るクルミの手が小刻みに震えている。
クルミの耳元に唇を寄せ、小声で囁く]
守る、から。俺…
[決意が伝わるようクルミの手に自身の手を重ね、ぎゅっと握った。**]
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