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[食事を終えて、用の済んだキッチンを後にする。
足が向いた先には、扉がポストのように並んだ独特の空間]
――あれ?
みんな……ここで何してるの?
[その場にいた者たちに声をかけた]
[突然の後方からの声に振り返る。]
ルリ…?
テンマの声が聞こえた?
俺には聞こえない。…カナメのように響く声、か?
……繋がりのある、眠り?
人と人?ルリと、テンマ?
それじゃ、ないんだ…。
これも、違う眠りなのか…世界とは、繋がらない……世界に還らない。結びつかないのか……。
どうすれば、還る……?
[墓碑を見つめて呟く。
探し物を見失なったような表情で。視線を落とした。]
ミナツ。
[大きい上着を羽織ったまま、ミナツの元へ駆け寄る。
腕を引っ張り、墓碑まで歩かせた]
青い花。
[テンマの名がある墓を示した]
[ルリには一たび緩慢に首を振り]
いや、私は……聞かなかった。
昨日一度会って、それからは会っていない。
ルリは声を聞いたのかね?
[ルリの近付いた扉を見やる。プレートにテンマの名が刻まれていた扉。ミナツの声には一度其方を向いて]
何、少し話をしていたのだよ。
……君は今日、テンマさんの姿を見たかね?
[呟くように尋ね]
[プレーチェに促されて、墓の前へと進む。
そこには、言われたとおりに青い花が]
綺麗だね。なんでここにあるんだろ。
生えてた……わけでもないし、置かれてた……?
テンマ、さん……誰?それ。
[ライデンの問いには戸惑い。
ミナツはテンマのことを知らない。何せ会ってすらいないのだ]
黒いスーツを着た、三十代くらいの……
……そうかね。会っていないのだね。
[ミナツに短く説明してから、思い至ったよう、頷いて。口元に手をあて、俯きがちに、思案げに]
綺麗だね。
[ミナツ>>132に頷いて、テンマを知らない様子に、上着の内側を探し始めた]
テンマ。
[背広の内側には、T.Tと刺しゅうされている]
[ふと墓の墓碑を見ると、そこにテンマの名前が
あることに気づく]
んー……会った人の中には、黒いスーツの人は……。
えーっと……その、テンマさんがどうかしたの?
[目の前の墓碑と、ライデンの顔を見比べてながら尋ねる]
もう――テンマは、眠ってるですか。
[カナメの言葉に、
表情から色が抜けてゆき]
ゆうれい…。
[かけられた声に。そっと手を握りこむ]
はい、カナメは…
なんだか今、嫌がってるかんじ、です。
[戸惑い浮かべ。「ゆうれい」へ語る]
いや?
[小さく聞こえてくるルリの言葉>>137に瞬いた]
テンマさんのもの。
[こくこく、とミナツ>>138へ頷く]
かえす?
[問いは、まず墓碑へ。続いてきょろきょろ見渡してから、ルリへ視線を]
[誰もいなくなったキッチンで、失人は耳をすませていた。こうしていると、何処からか聞こえて来る。奪われた夢達が、主を探して叫ぶ声。這いずるような、不気味な響き。嫌な音色。]
夢が、帰って来たがってる。
[誘われるように、失人は立ち上がり。そして歩き出す。自分の眠っていた、あの部屋へ向かって。]
ゆう、れい・・・…幽霊?
[聞こえた言葉の意味を、ぼやけた記憶から慎重に探す。繋がる、言葉と意味。]
……眠りにつけずに、彷徨う、もの?
望んで彷徨うのか、それとも……望まずとも彷徨うしかない者なのか…。テンマは、望む?望まない?
[顔をゆっくりと上げ、ルリに問いかける。
まるで、眠り姫が目覚めを望むか望まないかの話をする時のように]
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