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そうね。
まさか情けないだの、いや見込まれた男のはずだなんて、シュテル、ひどいくしゃみしていると思う。
[>>126ミカの声に顔を上げる]
わかっているのは、城は朽ちて跡形もなく、彼らも多分、同じ運命をたどっただろうということだけ。
それさえも、私たちの想像の上でしか、ないのだけれど。
なるほど。半身。
[>>128わからない、とさじを投げるのは早いか。
ミカの顔を見て、小さく頷く]
半身といえば……トゥナ。
イレアナかもしれない彼女には、求心力もあっただろうし、オイナの一族であった彼女なら、馬も指揮もこなしてみせたに違いない、か。
一度に二つの城を落としたとも、翼が生えていたとも噂される英雄。
その正体は、何よりも強い絆で結ばれた、離れていても通じ合う、ふたり。
トゥナならね、その力はあったと思うよ。
[ドロテア>>130に頷き]
ただ、
どちらもたやすい戦じゃあない。
分かれてしまえば、もしかしたら二度と……
[言葉を切って、わずかに目を伏せた]
[ウルスラの声>>131に視線を上げ]
そうだね。
執着王がその後圧政を強め、虐げられた民が英雄を懐かしんで伝説を残した、って考え方もあるけど。
逆にシュテルを支持した人々、いわゆるファン達にも、執着王は案外寛大だったのかも知れない。
そうだな…時の権力者となったのなら、もう少しましな記録を残したはずなんだがな……
[ウルスラの言葉>>131にしばし目を閉ざし]
ファン……と言うものなのかはわからないが、か志を継ぐ存在にとってシュテルは大きな導となったのかな?
この戦いでめでたしめでたしとする文献はない。嘆きのイレアナと共に流れ出した革命と言う名の灯火……当時のバランスを考えれば、それは吹いて消えてしまうものだったのかもしれない。
けれど、燻った火種はやがて歴史を覆い尽くす大火となってこの地方に広がっていった。
ヴェルフェルミ達アイヴァンホーの統治は長くは続かなかったんじゃないかな?
二度と会えなくても──…、
心は離れない。
そう信じられるなら、出来るのかも。
[ヘンリクの言葉の続きを掬い上げるように続けて、小さく首を傾けた]
ん。シュテルはファン、多かったと思う。謎めいていて、強くて、そして破れた。
執着王が嫌われていたか。シュテルたちが好かれていたか。あるいはオイナの操作……とか。いずれにしても。
[>>131ウルスラにうんうんと頷き]
勝った執着王は歴史を変更するのではなく何故か削除して……その上に後の人たちが英雄としてのシュテルを上書きした……のかもしれないね。
なあんて。
ロマンはいいよねー、ロマンっ
…でもあったんじゃないかなあ。命懸けだし。きっと、平和な今のあたしたちには思いも寄らないほどのロマンとか。必死な思いとかが、きっと。
勝者が歴史をつくるっていうけれども、執着王の次世代は誰が引き継いだんだっけ?
[まるで覚えていない。そういえば最後の攻防、ピジェの戦いで嫡男は亡くなったのではなかったか?
そしてまったくもって印象が薄いということは…?]
心は、離れない――
[はっとしたようにサーディ>>135と視線を合わせ]
そうか、そうだね。
そのくらいでないと、半身とは言えないか。
[双子の顔を見比べて、柔らかく笑む]
ロマンだよねえ。
ふふ。そうなってくると、執着王も俄然興味深い性格。
[ウルスラ、ミカ、アルマと、話すのを聞いて]
興味のないことにはとことん興味がなかったのか、あるいは、ね。
[彼らが何を思ったかなんて、想像するしか知る手だてなんて無いけれど]
跡継ぎ……?
印象が薄いと言えば、次男坊のテシオだけど。
それならテシオの戦功を、もっと目立つように歴史に残しておくと思うんだよね。
あれ、どうなったんだっけ?
ええ、それであたし思ったのだけどね。
執着王の時代ではやはりいい顔はできなかったないかと思うのならば、その次世代の人間によって残されたんじゃないかな?って思うのよね。
でもやはりところどころ消えているのは復活させれなかったところ、その人にとっても都合の悪かったところもあって、ひどく中途半端に残ったってところじゃないかしら?
[そんな感じにウルスラ>>141に自分の推論を述べながら、まったりまた赤ノートをかきかきしている]
[興味深いというドロテアの言葉>>140に頷いて]
そうっすねえ。
執着王も、こうやって紐解くと面白いっすよね。
アイヴァンホーが勢力を弱めていった>>134のは、執着王が亡くなった以後っの話っすし。
って嫡男っすか?
あっれー、どうだったっすかねえ?
[首を捻る]
マティアスはいっつもおなかすかせてるね……ご飯でも食べに行く? みんなで。
もちろん教授のおごりで。
[>>142砂糖、甘い。コーヒーの香りと共に、少しだけ口に残る味。
ソファーに座る相手に、ゆるりと首を傾げて聞いてみる]
でしょ?半身だもん、そりゃまあ…
一緒にいられたら、それに越したことなんてきっとないけど。
……そう、なってたらいいなあ。
後世に伝説がいっぱい出来るのってさ。
こうやって願う人たちがいっぱいいたってことだよね。一緒に、最後は幸せになっているといいなあって。願って、あたしたちみたいに歴史を語った人たちもいっぱいいたんだろうな。
なんか、楽しい。
[ヘンリクに視線を合わせ、周りの仲間たちをぐるっと見渡してふふっと笑った]
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