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……思えば、当時の俺って、怖いもの知らずだったなぁ。
[ぽつ、と呟く表情はやや苦笑気味]
『みんな一緒なら、寂しくないよね』って言って。
掬ちゃんの髪に落ちてた藤挿して、一緒に行こう、って言ったんだっけ、確か。
……今だったら、絶対できないなぁ……。
[主に気恥ずかしくて無理だろう、というのは予想に容易い。
でも、『一緒なら寂しくない』というのは、当時の自分の本音で──だから、素直に言えたんだろう、と思う]
……でも、うん。
あの頃、ほんとに楽しかったんだよ、な。
それが、俺の身体のあれこれで壊れた気がして、それがきつかったんだよ、なぁ……。
[拾い上げた記憶の隅で絡まっていたもの。
大人しく治療を受ける気になれない理由がほどけて、零れる。
生まれついての重疾患。
それが簡単に治るモノではないのはわかっているけれど。
少しだけ、もどかしいものが浮かんで、消えた]
進矢くんのせいじゃないよっ!
[思わず振り返って、心なしか言葉が強くなったのは、
むしろ、苦しかったであろう想いに気づく事すら出来ず…
勘違いから、現状を作ってしまった自分に責を感じて。]
私に…。もう少し勇気が、あったら……。
きっと、あの頃、ちゃんとお話できてたら…。
[過去の事とはいえ、心労となるような事を、自分のせいで抱えさせてしまった気がして
堪え切れず、頬に一筋。
其れを指先で払うように拭い、両手をきゅっと握り締めながら]
…あの時。私… 病気の事とか、ちゃんと理解出来て無くて…。ごめんね。
それから、もう一つ。気付けなかった事……。
[時折、唇を隠すようにして、込み上げるものに耐え]
今なら、判るんだ。
もう誤魔化したく、ないから…。
心配かけたくないから。
聞いて、くれる?
[どこか恐る恐るの問いかけは、目を伏せて呟くように。]
[振り返る前の表情変遷>>154に気づく事はできない。当然だけど。
振り返りながら告げられた言葉>>155の語調の強さに一瞬きょとん、と瞬くものの。
一筋零れたものの続いた言葉にへにゃりと眉が下がって情けない表情を作る]
そんなに、気にしなくって、いいって。
ちゃんと話さなかったのはこっちもだし。
……自分で自分の身体の事、ちゃんとわかってなかったし。
だから、そこ、謝んなくて、いいからっ。
[ただ、大変な事になっている、という自覚しかなくて。
状況を自覚している今でも──どこか、ふわついて受け入れきれていないのが現状だから]
…変わってるから。
(というか殆ど見えてない筈。
というか、これで変わらないって真昼の中の私ってどんなだ。)
[言葉にされない内面に対して、返すは今の姿。
表面的な話。]
うん。
[豆腐に関しては、こくりとひとつ。
この幻想世界が応援してか、真昼もすんなり受け入れている。
なんだろう、こののんびりした、それでいて言葉をそのまま、受け入れてくれる、その雰囲気にほっとして。
心を変に曲げられないことに。]
[暢気にお弁当の話をしている、そのすぐ傍で、妹のような気がしてる少女と、なんだか気になっていた青年が、懐かしい話をしているのが、切れ切れに聞こえる]
[そういえば、そんな男の子もいたっけと、今更ながらに思い出した]
[『シンちゃん』と、そう呼んだのは、あの頃の思い出が無意識に顔を出したせいだったかも?]
うん、その予算でその数なら、俺が責任持って引き受けます。子供用も、ですね。
…お子様ランチってどこかで食べられたっけ。
[普段作らないものもリサーチしてこようかなんて。最後の独り言まで声にしてしまいつつ、宙を見ながら頷いた]
いいんじゃないですか、注文者特権で。
ああ、バリエーションもあった方がいいですよね。和風洋風中華風とか。
[今度のくすくす笑いは、恥ずかしいより一緒に楽しくなれるよう。
指折り数えながら顔を戻して]
それでもいいですよ。
ギンスイってのも本名じゃないんで。
[くすくすと、同じように笑う]
銀水月<<シロガネミズキ>>。
でも苗字は店の名前と被るし、名前は祖母と同じ音だからちょっと…てのがあって。
なんで、それなら十分ありがたく。
改めてよろしくです。
…華さん。
[呼んでね、と言われた名を大切に口にして。
もう一度ぺこりと頭を下げた*]
[何時もそう、苦しいのは彼の方なのに、自分が泣いて、謝って。
きっと、目の前の優しい人は、その様子を見れば気にして、余計に辛くさせてしまう。
だから、我慢しなくちゃ。
そう言い聞かせて、頷くだけ。]
小さな花瓶、お母さんにねだって、お部屋に飾って眺めてたんだ。
あの頃は、その嬉しさが…何なのかよくわからなくて。
でも、今なら判る。
[そう口にした時、何処かから響いたのは柱時計の音?
空が金と銀に輝いて、全てを照らす中、彼にふわり微笑んで]
―― 私 あの日
初恋 しました ――
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