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[>>136スープを取りに行く事を承諾するイェンニの
背けた顔に、心に。どんな思惑があるかなど知らず。]
そうか?
[>>146幸せそうだと形容されて、首を捻る。
伝えねばならない事を伝えただけ、と考えていたが
傍目からすればそう見えるのか?と。
知らず浮かんでいた笑みも、
鏡の前に座っている訳では無いので解らない。]
あァ……毒は、
…弱いものなら……、耐性がある。
訓練を受け始めた時は、死にかけたけどな。
[それは、『一度死んだ経験がある』という事にも値するか。
トゥーリッキの語った話を打ち消す為に
そう言った訳でも無かったのだけれど。
離れゆくイェンニが、最後まで話を聞いたかは解らない。]
………だろうな。実際、俺はまだ生きてる。
[嘘であることは、薄々気付いていた。
別に、イェンニを信じている訳ではない。
信じている者なんて、
今となってはミハイル以外に居ないのだから。
スープに毒を入れることで、
彼女になにか得があるとも思えなかった。
ただ、それだけのこと*]
……そうかァ。あんがとなァ。
[少女の答えに、マティアスは複雑そうにしながらも礼を述べる。
彼女は、か細く小さな声で、間違いなく一人の名を言ったのだ。]
……なァ。ミハイルはいるかィ?
[ゆっくりと立ち上がり、少女が呼んだ相手に、そう呼びかけた。]
[水に毒を流し込むのは、内側から敵兵を崩す為の常套手段。
腹を下す類の毒は簡単に手に入った時代。
非日常的な生活を送るに当たり真水を飲む事も多々あった。
その度に動けなくなっては、ただの肉人形だ。
盾になるだけ、犬や猫よりはマシかも知れないが。
それよりも、脇腹の致命傷を受けた事が一番頭に残っている。
抉れた皮は、肉は夥しい血を流し。
捲れた肉皮から覗く白い肋骨は砕けていた。
泥水の浮かぶ地面から顔を上げようにも、
力は入らず、生臭い臭いと強烈な痛みの中で――
はやく、 ――らくに、なりたい。
護るものなど、故郷には無いのだから。
帰る場所など、もう無いのだから。
熱林の中、苦しみに唸りながらそう願った。
開いた瞳孔は、誰かの影を最後に映して瞬き一つしなくなった]
―― カーテンのない部屋 ――
[降りしきる雪の質は、
もう厳冬の其れと同じもの。
イルマの遺体を迎えに外へ出ていた
養蜂家の衣服は、乾いた粉雪を払って
落とせば濡れはさしたるものでなく。
重ねたタオルに包まって過ごせば、
窓から冷え込みの沁みる部屋でも
時折震える程度で座っていられた。]
[まだ雪質が湿って重かった過日。
振り返らずに、先を踏み固めて
あるいていった若き司書たる彼。
いささか素直すぎるとも感じながら
その背を見守って歩いた年嵩の男は、]
[――――ひとりの部屋で、過日と同じ、
荷馬をあやすときの声をちいさく立てる。]
ほうい ほうい
[ここにいるよ。][…ここにいる。]
[先ゆく若者は過日、ひとりではなかった。
いまは届かせる気のない声が、彼のために*]
―回想・子供の頃―
[そういえば、マティアスの異能に気づいたのはいつだっただろう。
確か、そう。
まだ子供の頃、両親を事故で亡くした時だ]
[当時は近隣でも珍しかった写真館を営んでいた事もあり、時折、両親は近くの村まで写真を取りに行っていた。その間、まだ少年だった男は祖父の元でカメラを触らせてもらっていた]
[その日、両親は2つ先の村まで写真を取りに行っていた。
いつもは翌日には帰って来るのに、一向に帰る気配がなく、不安で不安で押しつぶされそうになっていた時――]
[マティアスが、見えない両親と会話をしていた。
『事故にあったって言ってる』、確か、そう伝えただろうか。
――両親が帰りの道で落盤に遭い、死亡したという報が入ったのは、それからすぐのこと]
[幻想的な、
痛みも、苦しみも無いアクアリウム。
暗い水の底で、上を見上げれば仄かに明るい。
煌く水の動きを追い、踊る海藻を見つめて。
魚達の息吹を、直ぐ傍で感じた―――いつかの記憶*]
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