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Ты нужна мне.
[ 俺に必要なのは、おまえだけ。 ]
[凍ってしまいそうな程、冷たい水の中で。
こぽり、口から気泡が漏れていく。
サーベルの柄から離れた手は、ミハイルの背へ。]
─深夜─
[誰もが寝静まったであろう時刻に…は、
ふらりと、裏口から外に出る。
ミハイルが消えて、雪の代わりに叩きつける様な雨が降っている。
雷鳴が轟き、嵐のように吹きすさぶ風。
降り積もった雪は次第に解けるが、
やはりこの天気ではどこにも行けないだろう。
それでも…は晴れた道を歩くように
しっかりと歩を進める。
向かう先は、湖へ──]
[もしかしてと思えば湖畔に打ち上げられた
クレストの体。ひとりぼっちの体。
ミハイルはどこへ。きっと消えてしまった。
人魚姫と呼ぶにはなんて似つかわしくない男だろう。]
もっと、ちゃんと掴んでおかないと。
[誘ったのに、逃げられちゃうわ。
…はクレストの体と共に、湖へ。
酷く冷たいはずの湖は、けれども…を優しく迎えてくれる。]
[湖の奥深へ、ひたすら潜る。
昏い水底にサーベルが一つ落ちているそこを目指して。
そうしていると次第に眠っていた草と、
魚が目を覚ます。
彼ら彼女らは、クレストの周りを優雅に舞って歓迎しているようだ。
水底に生える森のようなそこに、クレストを眠らせて。]
余計なお世話だったらごめんなさいね。
[二度と浮かないように。
ミハイルを貫いたであろうサーベルを、
その胸に突き刺した。]
ねえ、ミハイルさん。
あなた、次に生まれるときも、
これで司書さん──クレストさんと一緒よ、きっと。
[最期に聞いた聲と、彼の希望を一蹴するように。]
……私は、生きるべきなのかしら。
生きても良いのかしら。
[また独りになってしまったこの場所で。
死ぬ気は無いけど、あそこに居たら殺されそうだ。
だからと言って、逃げる気も無く。]
[出来るならあの村にまだ居たい。
そう望むなら、このままではいられないのだろう。]
……女神なんて、私には似合わないわね。
[ルサールカ。
水の女神を意味する言葉だっただろうか。
もうそう呼んでくれる人もいなくなったのだから、
固執する理由もない]
さようなら、ボジャノーイさん。
短い間だけど、会えて嬉しかったわ。
おしあわせに。
[最後にそう告げて、…はコテージへと戻っていった]**
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