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[山荘に備え付けのシャワールーム。大き目のハンチングを脱ぐと、ヘアピンを外す。
中で纏めていた黒髪がはらりと広がり、その位置を整える。
サングラスを外し、マフラーから顎を解放し、そのまま身を包む物を一つ一つ取り除いていく。
窓の外では、耳障りな風雨の音が絶え間なく警告を発している。シャワーのコックを捻ると、湯を一気に頭から浴びる。
水の重みを帯びた黒の隙間から垣間見える姿見。そこに映ったアンと同じ顔に指で触れ、頬をなぞった。
鏡の表面に引かれた指の痕を、シャワーの湯が流し、消していく。
しばらく、湯が髪と全身を禊ぐ。鏡に映った口元が、引き締められた。
キュッ
コックを捻る音がやけに鮮明に部屋に響いた**]
[窓の外は雨。このまま永遠に降り続くのではないかという錯覚すら覚えた。
人の姿を求めて部屋を出ると、ちょうど三河屋が妹の部屋へと入る所。
その後のただならぬ様子]
プレ……っ。
[部屋の有様に目を見張った後、しばし立ち尽くし
無言のまま三河屋に掴みかかる**]
[振られた腕がカウンター気味に入り、軽い体は壁近くまで飛ばされ、無様に床に転がった。
頬に激しい痛みが走り、口元からは鮮やかな紅が生まれる]
……お前がプレーチェを殺した。
[ずれたサングラスをかけ直し、それ越しに憎悪に満ちた視線で三河屋を睨みつけた**]
何だよ。
……今度は僕を殺すのか?
[口元を手の甲で拭う。
朱色に染まったその手はポケットへと入れられ、取り出されたのは[殺虫スプレー]]
[三河屋が動けば
その動きに合わせ牽制ようにスプレーを向けたまま]
僕がプレーチェを?
台詞がどうしたって。
貴方は、自分が何を言ってるのかわかってるの?
逃げる?
逃げるってどこへだよ。
ビセさんは逃げようとして、死んだ。
お姉さんは立ち向かおうとして、死んだ。
みんな殺されるんだ。貴方に。
[スプレーを構えたまま、ゆっくりと後退り]
ゲンちゃん!
三河屋が殺人犯だ!
助けて、殺されるよ!
[不意に大声で部屋の外に向かって泣き叫んだ**]
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