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[陸の孤島であるこの村で、外部からしか手に入れられない道具は貴重品だ。
多くは村の共有財産であり、個人が所有する事はない。
ましてや、これだけの道具を一人が占有するなど、許される事ではない]
――騙し騙し集めて来たけど。
そろそろ、限界かな。
[道具の存在に気付いた娘の顔を思い出す]
じゃあ、今夜辺り始めなきゃね。
――復讐を。
狂ったこの世界を、終わらせてやる。
……待っててね、母さん。
[汗で顔に張り付く髪を掻き上げながら、研ぎ澄まされて行く刃に笑みを浮かべた]
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やっぱり何処に行って何しようか迷子状態だよ!
[屋根の上]か[白い白馬の背中]辺りに行けるかな!
……なんていうのはともかくとして、アン死亡が発見されるのはまた翌朝でいいんだろうか。それともこのままいってだろうか。悩。
…………。
[眼を細めて相手を見る]
食べたくないよ。死体なんて。
[肉の味を思うと、胃がむかむかして吐き気がこみ上げて来る。
人肉を食べ続けても、その行為への嫌悪感が消える事はなかったが、ただ吐き気を平然とやり過ごす事だけは出来るようになっていた]
儀式が近付いていた、その日。
村に突然の凶報が齎された。
朝方、村人の一人によって、アンが死んでいるのが発見されたのだった。
時たま出る事がある獣に屠られたものとは違う、死体の有り様。人間が作り出したものだという確信が抱ける、無残な死体。
絶対的な禁忌である、「理由」のない殺人。
その死体は弔われ喰らわれるために運ばれて――
それは調理が終わるか終わらないかの頃だったか。数人の村人が村長に呼び出され、集会所の一室に集められた。
村長は幾つかの事を彼らに言った。
一つは、この中に犯人がいる可能性が高いという事を。一つは、汝らが疑わしきを殺す行為は、「理由」がある殺人として認められるだろうと、望まれるべき行為だろうと、神に仕える者が託宣を伝えたという事を。
「疑わしきを捜し、殺せ」
村長は暗にそう命じたのだった。
それから、容疑者達は集会所から解放されただろう。
それぞれが疑われた理由は説明されなかったが、心当たりがある者もいたかもしれない。
殺し、殺され、喰らい、喰らわれて――
最後に残るのは、一体何だろうか。**
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