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[舗装されていない道を歩みながら、ノギは交番の鍵を取り出す。ふと、耳を澄ませば、何処からか歌が聞こえてきたような気がした。郷愁と畏敬と奉りの為の…。いや、これは幻聴だろうか。気を取り直せば、直ぐに意識からは消え去ったのだから。]
……。
[ノギは腕時計を見、更に歩み、交番に辿り着いた。
チャラリ、キン、と小さな音がして、交番が開かれる。
机の上に置かれているのは『四辻村の略地図』
そして、]
杭?
[酷く黒ずんだ大きな杭が一本、その場に残されていた。手に持って運べるくらいの大きさだが、例えば吸血鬼のように心臓に串刺し磔にするには充分の大きさ。]
何故こんな物が……。
[ズイハラが目撃したらしきものは見当たらない。**]
[一つ一つ、家屋を覗いていく。どれも変哲のない廃屋のようだった。集落が無人になってからは大分経つらしかった。家屋の一つに一歩踏み入れ、埃の舞う空気に少しだけ咳き込んで]
……?
これは……?
[辺りを見渡して、ある奇妙な点に気付く。奥の間――居間か寝室辺りだろうか――へと通じる襖が、大量に板を打ち付けて閉ざされていた。厳重に、何かを封じているかのように。中から物音などはせず]
……
[確かめてみると、他にも幾つも、そのように閉ざされた部屋がある廃屋があった。思案しながら、男は集落を歩く]
一体、何なんだ?
防犯や動物除けとも思えないが。……
[それから男は火の見櫓に向かい、梯子を昇ってみて]
[上部まで辿り着くと、其処にある半鐘を一瞥してから、眼下に広がる集落を見渡した。上から見た様に変わったところはなかった。少なくとも、男には見出せなかった]
……ん?
[ふと、足元を見て首を傾げた。何か小さいものが落ちていた。拾い上げてみると、それは一つの弾丸で]
……何故、こんなところに?
[胸中の疑問がいや増す。
男は探索を止め、集落の入口へ向かい*]
― →ラジオ放送局 ―
[年下の従兄がそうしたように裏小道を経由し、ラジオ放送局へ到着する。
続いて特に断りも入れず局の内部を歩きまわり、観察したものの、求める餅肌は見つからない。
しまいに乗りこんだ先は、点灯中のオンエアのランプの向こう。]
(はろー。はろー。ボタンちゃん。
ねーねー、ネギヤくんは? もう行っちゃった?)
[微かな灯りの中、司会席で身じろぐ影が視認できた。こちらの小声の問いは認識されたようだ。
司会の女が僅かに首を縦に示し、言葉に換え。返答としてよこした。]
……どういうこと。
[窓口にも事務所らしきスペースにも、人っ子一人見当たらない。
何か常軌を逸した事態が発生しているのか、あるいは]
職員がいっせいに休暇を取ったとか。
「それとも避難訓練とか?」
[寂れた部屋に二人分の苦笑が響く]
[と、そこへ少年から声がかけられ――]
……都会の人。
ね、役場の人どこにいるか、知らない?
[見るからに回答を渋っている表情の相棒に代わり、答えた]
[こっからネギヤくんが何処行ったか、は ボタンちゃんにもわっかんないよね。]
(教えてくれてサンクス、ボタンちゃん。)
[出入り口へ戻りかけた矢先、小さなヒトガタと遭う。
それは前方を向き座したたまま動かない。]
ボタンちゃんのボーヤじゃーん、はろー。
なに、最近オイタがすぎるの?
元気なのは何よりだけど、ボタンちゃんを困らせちゃ駄目だぞ。
[ くすり 笑み。
ボーヤの頭をぽふぽふと撫でてから、ラジオ放送局を後にした。**]
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