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…、……
[下ろされて、礼も言えずに呆然と彼を見遣る>>86
杖と自分の荷物を迎えの男に渡されて、どうにか頷いた。
全ての人影が消えてから、へたりとその場にへたり込む。
荷物を抱えて、少しの間そうしていた]
……、ばか。
[上品とはいえない悪態は、去った男の背に届くことはなかった]
/*
めも。
マティアス 友達
ウルスラ 気にしている
イェンニ ウルスラつながりで顔見知り
ニルス マティアスの先生。心配されているが気づいていない
[こちらへ向くアイノの視線。
力の篭る手に僅かに此方の視線はずれたけれど、彼女の名乗りと肯定に、そっか、と小さく声が落ちた。
言葉がすぐには続かない。
少し躊躇うような間の後、アイノ、と名を呼んで]
荷物、重くないですか。
持とう、か。
[敬語なのか、それともタメ口がいいのか。
判断つかずにやっぱり迷い口調]
僕も、呼ばれたから。
少しの間、よろしくお願いします。
[ちらり、とマティアスに目を遣って。次に、居間にいる全員を見渡して]
『そろそろ ねる』
[黒板の殴り書きを見せ、部屋へと戻った]**
[そんな調子であったから、屋敷に入ったのは随分あとのこと。
へたり込んでいるところを見つかれば、
それは随分おかしな光景でもあったのだろうけれども]
…しっかり、しなくては。
あとで、彼に、お礼も。
[ここには家の者もいなければ、頼れる者もいないはず。
自らに言い聞かせて、杖を頼りに立ち上がる。
親切に運んでくれた彼に礼も言うことが出来なかった。
自らに言い聞かせるように呟いて、屋敷の広間の扉を開く]
みなさま、ごきげんよう。
[扉の向こうは人の気配が多い。
慣れぬ空気に躊躇いながらも、扉を開いた。
俯き加減に、杖の許す限りの礼を中へと向ける。
クレストの姿があれば、目を留めただろう。
けれど入れ違えば、視線は一人の女の元へ留まる]
イェンニ…、まさか。
あなたも?
[この足では、駆け寄るというわけにはいかない。
ただ、目を見開いて名を呼ぶ唇が、少し震えた]
ええ。
ああ…、イェンニ。
あなたとここで、会わずに済めばと思っていたのに。
[短い肯定の後に、落ちるのは嘆き。
世界を知るのに自らの足を頼れぬ女は、代わりに文字を頼る。
だから学者ほどの知識はなくとも、古い伝承は聞き知っていた。
その恐ろしさ、不気味さを心に思う]
ありがとう。
[けれど今も彼女の手は暖かく>>111
世話を焼いてくれる優しさに、心は和む]
[持てる、というアイノの言葉に、頷いた。
ぎこちのない会話であることは、本人理解はしている。
が、どうしてもそうなってしまうのだから仕方がない。
問いかけに、何を、と問い返そうとして、すぐに思い至る。
唇を軽く噛んで、それから、頭を振った。横に、二度]
それでも、来ないといけないから。
早く帰らないといけない……ですけど。
人狼なんて――この中に、なんて。
いるなんて、事は。
君、…アイノは?
[言葉を選びながら、ゆっくりと、彼女へと問いを返す]
ああ、おやすみ。
[>>105 黒板の文字に、ニルスは軽い挨拶を返しながらも腰を上げた。
眠気を覚えたわけではないが、人の増え始めた居間は、読書をするのには向かない。]
ああ、それに理由が理由でもある。
不用意に人を集めるのは、徒に不安を煽るだけだろうに。
[>>110 余り他人に口にすることのない不満を、ユノラフに対しては時折口にする。
それは彼が余り物事を深く考えるタチではなく、余計なことを言われることがないと思う故の安心感の表れでもあった。
コップに水を注ぎ、ユノラフの元へと運んでやりながら、ニルスは小さく溜息をついた。]
[話す最中の人の出入りは、正確にではないが捉えていた。
挨拶の言葉があれば、やはり無愛想なまま頭を下げる]
……。
[一度は見かけた事のある顔が多い。
だがアイノの中で名前の一致する者は、殆どいなかった]
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