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[それ以上、言葉を紡げば涙になりそうで。
本音をいえば、黙って見送りたかった。
けれど、]
楽しかった…
嬉しかったし、暖かかった。
[肌の触れる温もりを感じられはしなかった彼へ]
ありがとう
[薄く涙を浮かべ、伝える]
……あ、え?
おっさん?
…おっさん!
[はらはらとほどけていくのを
口を開けて見て…]
…うん。
[イマリの声にぐっと唇を噛み締めて
ポケットから携帯電話を出した]
[イマリがズイハラへと声をかけるのが聞こえてくる。
ふいに彼女に名を呼ばれ、首を傾げる。]
お願い…?
[その前にズイハラにありがとうと伝えたイマリ。その後にズイハラへと伝える言葉。
そしてズイハラの姿がはらりとほどけていくのを見て]
ズイハラさん…。
[イマリのお願いが何を意味しているのか察しがついて。
こくりと小さく頷き、自分も携帯を手に取った。]
…サッカー、教えてもらいたかったんだ…オレ。
[寂しそうに言いながら、携帯電話のボタンを
ぽちぽちとゆっくり押す]
おっさん…
[指は本文を綴る。
―雪に、願いを―]
[手をのばし、彼女の切りそろえられた前髪に触れ、
髪を分けるその指は、もうぬくもりを失っていたけれど]
…会えて、良かった。
[額へと、それは触れたか触れぬ間か。
顔を寄せたまま、うすれていく姿。]
[
黙って居たかったのは。
……声を出せば、涙になりそうだったから。
黙って居たかったのは。
……せめて笑顔で、送り出したかったから。
彼の指が髪に触れ、額に触れたか触れぬか]
……っ
[顔は涙で、ぐしゃりと歪む]
ズイハラ、さ
[薄れる姿に居てもたっても居られず、名を呼ぶも。
ぐしゃぐしゃの顔に気付き、無理矢理笑顔を作ろうと。]
[携帯を手に取り初めてあのメールを送った時と同じように内容には
「雪に願いを」]
………。
[少しためらって件名には目の前で次第に姿がほどけていく彼の名前を。
送信ボタンに手をかけるもなかなか押すことができなくて。
目の前でズイハラがイマリに伝える言葉に涙が溢れ出そうになる。
自分と同じ思いをさせてもいいものなのかと。
それでもズイハラに残された時間は短いのは察しがついて。
ズイハラにもイマリにも何も言葉をかける事ができず、心の中で「ごめんなさい…」そう小さく呟き、そのまま送信ボタンを目をぎゅっと瞑り押した。]
/*
仮眠から 明けてみたら 頭重い(川柳…にもなっていない)
アンカーリセットの原因はエピったら探しにいきます。
シリアスなシーンに独り言とはいえお邪魔してすみません。
|ω・`)
|ミ
[送信ボタンを押した指を
じっと見て…口を一文字に結んだ]
おっさん…
またな。
[送信完了と記された画面は
閉じることなく、そのまま]
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