マルあんどゴロウって、俺がおまけか?
[ベックに放り投げられたてるてる坊主、マルがジャンプして取ろうとするから、先んじてキャッチする]
サッカー二時か、棒倒しがあるな。
マル、お前代わりに出ておいてくれ。
[顔を描く。墨汁がにじんで微妙だが。
耳をつければ犬っぽくも、なくもなくもない、くもない、か]
女子は仲いいな。
チカノどう思うこれ、効きそうか?
[できあがったてるてる坊主を、せっせと作業するチカノに見せた]
あれ、違いましたか?
さすがですね、マル
[くつくつと笑って、立ち上がると教室の窓辺、空いた隙間に手を伸ばしテルテル坊主を結わえ付ける]
他のも結びましょうか
これもお願いします。
[10個ほどこしらえたてるてる坊主を、ベックに差し出した。
そのうち一つは、サッカーボール柄をしている。
他人の目にはどう映るか知れたものではないが*]
とう。
[ベックに向かっててるてる坊主を放る]
仲ァ?
いいぞ、この通りだ。
[口では勝てぬが友である。
マシロを振り返って腰に手を当てる。
名前を呼ばれて、犬が二度*鳴いた*]
仲…いいんじゃないですか
ねぇ?
[受け取ったてるてる坊主を抱え持った]
たくさん作りましたね
アンさんのも、一緒に結びましょうか?
[歌を口ずさむ少女を振り返る*]