[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
ああ、裏通りの…
元気だったから亡くなったって聞いたときはびっくりしたよ。
そういう事だったのか。
うん。本当に有りがたい事だ。
[故人を思うようにゆっくりとかみ締めながらも、双葉が上へ上がっていくのを見れば]
練習がんばってね。
[と双葉を見送る**]
[双葉を見送れば、残った料理へと箸を伸ばす。
やがて食べ終えれば食器を流しへ運び洗いものを始めようとするが、その手が止まり]
―――…、 お婆ちゃん。
本当に …ほんと、元気だったのにね。
[ぽつりと零す言葉。
彼女の背は小さく、その肩は小さく震えた。]
――→自宅――
ただいま。
[台所で食後のお茶を啜っている母に近づいて声をかけた]
トマト欲しいって伝えといたよ。
さっき、ダンケさん居たから。
[戸棚から取り出した砂糖菓子を一つ、口に放り込んだ]
うん、そうだね。
行って来る。
[散髪道具の入った鞄を自室に置いて、代わりに古い木箱を手にした。
中には、儀式で使う道具が入っているのだった。
手入れが済んだそれを、村長の元へと返しに向かうべく家を出発する]
[自宅までの道を進む。その足取りはいつもと変わらず落ち着いた緩慢なもの。飽かずに鳴く蝉の声が聞こえてくるのを耳に入れながら]
儀式が終われば……秋も近いですね。
ポルテさん、すぐに治ると良いのですが。
[ぽつりと独りごちる。ポルテは不調で休んでいるのだという。若い者の事だからと、心配はしても深刻に考える者はいないし、男自身もそれは同じだっただろうが]
……ん。アンさん?
[ふと、視界の端に映った姿に足を止めた。道から外れた茂みを隠れるように進む、娘の姿。男が声をかけた直後、その姿は逃げるように何処かへと消えてしまい]
……どうしたのでしょう。
何かあったのでしょうか……
[元のように静まった茂みを見つめ、呟く。アンは気に入りの服も相まって少女のように見える、実際そう称しても構わない歳の娘だったが、流石にかくれんぼごっこのような事をして遊ぶとは思えなかった。
微かな違和感。佇んだまま、首を傾げて]
……ん?
[かけられた――のかは些か判然としなかったが――声に、思考を一旦中断して其方を向いた。何かを頬張る姿に、二、三度瞬いてから、今し方の不明瞭な声の理由に気付いて、くすりと笑い]
ホズミさん。今日は。
[そう挨拶を返した]
― 回想 ―
[自宅へ帰る途中、集まって遊んでいたのだろうこどもたちが寄ってくる]
『あ、マシロだー!』
『ましろーなにしてるのー? かくれんぼしよー』
[先生というよりは、遊び相手として接してくる子らの頭を乱暴に撫でながら]
元気だなぁ。
今、せんせーお腹減ってるんだよねぇ。
…あ、みんな、うちのばーちゃん見なかった?
[あまり期待したつもりはなかったが、帰ってくる言葉に少しだけ落胆し]
そっか。
…ん、と、今日はかくれんぼすんの?
はは、私は家帰ってごはん食べないと。
はいはい、みんな仲良くね。特にデンゴとルリ!
…ふふ、よしよし。
あ、範囲は地蔵のところまでだよ。
その先はルール違反。わかった?
[元気な返事に笑顔を浮かべ]
良い子にしてたら次のときに新しい遊びを教えてあげるよ。
はい、またねー。
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ