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十分冷静だから、確認しに行くんぜよ。
[理科室の鍵は、たやすく外れる]
……幽霊なんて、信じにゃーよ。
[100均ライトの光量の弱さのせいか、それとも別の理由か。
ぼやん、としか視認できない理科室に、自然と喉が鳴る]
人体模型は、準備室かに?
[準備室の前に立って一呼吸。ドアに手を掛けてーー]
何するんに!
[ぐわ、とセイジに肩を掴まれて、後ろに退かれる。
勢いのせいで2、3歩よろけて、後ろの机にぶつかって。
再度準備室に視線を向けた時には、一人入っていく後ろ姿が見えただけだった。**]
照れてる時は、可愛いのに
無表情な仁は、台詞が怖い
[ドアを塞いでいる、仁を見つつ
霊もくすぐったいのだろうかと、脇腹をつつく
つんつん、つんつん]
だって、笑ってる時のほうが、可愛いもの
[真顔で、そう言うのだけれど
呆れたように笑う様子に]
ほら、そっちのが可愛い
[くすぐったかったのかと、勘違いをした]
その手の感覚があるわけなかろう?
[試しに紅の脇をこちょこちょする]
…な?
[人間たちの焦りを思うと申し訳ないような和やかな一瞬だった]
可愛い…?
[愕然とした顔で紅を見る。その顔はすこし赤くなっていた]
な、ななな、何を言うか。
[ドアを押さえる力はそのままだが、
明らかに動揺している]
ん…―――
感覚、ないね
やっぱり、器を借りないとだめなのかな
[少し、寂しかった
女の器に入っていれば、少し違ったろうけれど]
波長の合う子、いないかなぁ
[ゆらり、周りを見てみるけれど
憑依できそうな体はなくて]
残念
仁を抱っこしてあげようかと思ったのに
仁、照れてる・・・―――
[明らかに動揺している様子
くすくす、笑いながら]
可愛い人だね、仁は
[赤い顔に、手を伸ばしてみる
無論、意地悪をするためだ、幽霊だもの]
[校舎の外に立っていると、皆が一階の教室の窓を開けられずに戻っていくのが見えた]
あれ……みんな。私が見えないの?
[近付いて窓を開けようとすると、難なく開き]
なんだ……窓開くじゃない。
[窓から校舎内に戻り、窓を閉めて鍵をかけ――背筋を寒気が駆け上った]
鍵。さっき、かかってなかっただけだよね。
[なら何故皆は開けられなかったのか。皆に自分の姿は見えないのか]
もしかしてここ……ちょっと次元がずれてるの?
[オカルト部なだけあって、理解は*早かった*]
何って、悪戯
幽霊だもの、悪戯するのが仕事でしょう?
[手が触れたなら、そのまま顔を寄せて
ふぅ、と息を吹いてみる]
何をしたら照れるのか、実験
実験…って…お前な…
[顔が近づいてビクッとなるが、息を吹いてこられて]
だから感覚はないと言うておろう?
そんなことより、近い近い
[周りで皆が見ている。変に思われないか冷や汗ものだった]
いいいいい厭というよりな、
ま、周りの目がだな…
か、かか、勘違いさせるとだな…
[人間の時の感覚が戻ってきそうで焦り、
しどろもどろになっている。
顔は真っ赤になっていた]
周りの目・・・――――?
[きょろきょろ、周りを見回したけれど
気にするような視線は、感じなかった]
亡者は、そんな事気にしないし
人には、私達、見えないし
勘違いするような人、いないけど
へ?…は、はは…そ、そうだな…
勘違いしていたのは…こちらだったか…
[苦笑いになり、フイッと目を逸らした]
反応がなくて…悪かったな。
[目を伏せた]
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