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例えば若い母親が、事故などで子供を失ったとする。
亡くした子に囚われてしまう人や、逆に再び新しい命を生み出そうとする人が、いると思う。
ちかは間違いなく前者。
こういう場合は、多少手荒にひっぱたいてでも強引に外に連れ出してくれる人が必要なんだろうなぁ。
ただしRP村でそんなことを他の人に望むのは酷っていうか無理難題であって…。
おおぅ、何か色々と失敗したなぁ|||orz
[ふとちかは、庭の笹に視線を向けた。
微かにゆらゆらと揺れる短冊が、悲しげに晒されていた]
かぞく・・・・。
[ずっと願っていたもの。そして一度は叶えられたもの]
できない・・・忘れられないよぅ・・・。
[もはやちかにとって”家族”とは”ここ”に集った人々と同等の意味でしかなく、唯一無二だった。
しかし既に殆ど失われ、回復の見込みは無い。
ちかの想像の及ぶ限り、これ以上の家族はありえない。
ちかの中では思考が堂々巡りをして、出口を見失っていた]
ちかは勘違いをしている。
「家族」を「逃げ場所」だと思っている。
家族は駆け込み寺なんかじゃないってことを端的にビシッと指摘しない限り、思考迷路から抜け出せない。
…無理!誰がそんなこと気づいてくれるんだよ!(汗)
喉も少ないってのにー。
このまま突き進んだら総スカンくらうよなぁ。
どーしよー…。
じいじ・・・やさしいね。
[ちかは悲しげにベックに微笑んだ。
”向こう”に行った人たちには、それぞれの新しい人生と新しい家族があるのだろう。
それは”ここ”の家族ではない。
会いに行くということは、その事実と向き合うということ]
わたし、わがままだね。
よくばりだね。
あれだな。
自分がまだ小さい頃に両親が離婚してて、物心付いたときに会いに行ったら、既に再婚して子供もいて遠くから見るだけで声をかけることもできなかったーみたいな。
そういう予感がひしひししてるから、精一杯「別れちゃイヤー」とやってる。
そんな感じ。
[よく分からないという顔で]
じいじ。
じいじは”どこ”へ行くの?
わたしは、”どこ”へ行くの?
[ベックの横に並び、手の中の冥銭とベックの顔を交互に見ながら尋ねた]
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%A5%E9%8A%AD
硬貨と紙幣の違いを発見。
なるほど…。
どっちにしろ世知辛い話だなぁ。
じいじ、ととさま、かかさま。先に行ったみんな。
ありがとう。
わたし、こんなにわがまま言ったの、初めてだった。
みんなに、うんと甘えてたんだと思うの。
たくさんめいわくかけたね。
でも、いっぱい甘えられて、うれしかった。
みんなに会えてうれしい。
だから、庄屋さまも、ゆうちゃんも。
・・・ありがとう。
[ぽろり。またひと粒、涙が零れた]
[目を開けると、そこもまた闇だった。
瞬間、全ての記憶が”ちか”に戻り、強い奔流のように駆け巡る]
「いやだ・・・。
いや、出して。ここはいや。くるしい・・・」
[とめどなく零れる涙を、必死になって白いハンケチで抑えようとする。しかしその白さすら闇に沈み、また涙を誘う。
ほどけかけた赤い髪紐が、青白い”ちか”の頬に張り付く。
薄くなった酸素を求め、ぜいぜいと喉を鳴らす]
「・・・さむいよぅ・・・・」
[暗闇と、寒さと、孤独の中。
そして”ちか”は、最期の息を吐き出した]
”ちか”よ
とはの あんねいを もとめし おろかなる たましいよ
そなたの のぞみは はたされた
くらきも
さむさも
こどくも
ほんの ひととき
ゆきかふ かかくの ただ かりそめの ぬくみさへ
あまた かさぬれば えいえんとなる
ふたたび かの やくそくのちへと まいられよ―――
”ちゃりーん”
[手のひらの上で、冥銭の音がした。見ると、いくばくかの硬貨と、黄金色した飴玉が握られていた。
銭は、誰かに渡すため。
ではこの飴玉は?
・・・・その記憶は、”ちか”には無い]
ととさま、かかさま、じいじ・・・・。
[呟く言葉は、誰に向けたものなのか]
[やがて見知らぬ”家族”を招きいれ、”ちか”は再び笑顔を見せた]
― ちか・了 ―
/*****
こんな感じで考えてましたー。
さて、死亡エンドはどうしよう?
全然考えてないよー。
墓下ではどうなってるのかなぁ?
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