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待て! マル!
[リレー用の黄色いバトンをくわえた犬が教室に飛び込む。
追って教室に飛び込んだら、犬は[文芸部 綾部 マシロ]を見上げて『バトン持ってきたえらいでしょ』の顔して待機中だった]
お前な。
[女子に向かって尻尾を振っている犬に大げさにため息をついた。
青空の下に並ぶてるてる坊主を、手で庇を作って見上げる]
――壮観だな。
今年のてるてる坊主の首はきっと安泰だ。
[マシロが投げたてるてる坊主は、マルとゴロウの横を通り過ぎて飛んでいく]
いや、大丈夫だ。
ズイハラ先生はポルテ先生に捕まっていた。校庭の整備が終わるまでは戻ってこられまい。
[大型犬 マルは差し出されたマシロの手にバトンを乗せた。わん]
ああ、すまん。ありがとな、コハル。
[飛んでいったてるてる坊主を拾いに行くコハルの動きは俊敏だ]
コハル、サッカーの試合も出るんだよな。
何時からだっけか、応援しに行くよ。
[プログラムは貰ったような気がするが、マルがどこかに埋めてしまった]
マルあんどゴロウって、俺がおまけか?
[ベックに放り投げられたてるてる坊主、マルがジャンプして取ろうとするから、先んじてキャッチする]
サッカー二時か、棒倒しがあるな。
マル、お前代わりに出ておいてくれ。
[顔を描く。墨汁がにじんで微妙だが。
耳をつければ犬っぽくも、なくもなくもない、くもない、か]
女子は仲いいな。
チカノどう思うこれ、効きそうか?
[できあがったてるてる坊主を、せっせと作業するチカノに見せた]
とう。
[ベックに向かっててるてる坊主を放る]
仲ァ?
いいぞ、この通りだ。
[口では勝てぬが友である。
マシロを振り返って腰に手を当てる。
名前を呼ばれて、犬が二度*鳴いた*]
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