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多分、この店だと思うんだ。ハツネが話してたのって。
記録にもあるし…。
[雑居ビルの片隅、見知った見慣れないドアの前で、セイジは少しだけ佇み、こめかみに指を当て考え込むように睫毛を伏せた。]
うん、場所も合ってるみたいだし、きっとこの店みたいだ。
[確認するように呟くと、少年は迷わず店のドアノブに触れた。]
こんにちは。
[カランカランと鳴るベルの音を背に、空いてるカウンター席へと腰掛ける。
視線は青を基調とした食器を眺め、メニューを眺めることなく、店の者へと向けられた。]
先程注文していた、さくらケーキとイヴレンドを。ミルクたっぷり目でお願いします*
[注文した物が目の前に並べられると、]
いただきます。
[手をあわせてコーヒーカップへ。]
…苦い。
でも――、この味はハツネ好みかもね。
[「残念」。
小さく呟いては、退席した者の名を呟いて。
ミルクポットの中身を音を立てて注いだ。]
ん?
[二口目を口につけると感じた柔い視線(>>20)に振り向き、やわらかい笑みを浮かべケーキを頬張る。]
居心地の良い店だね。
美味しいし。
[辺りを見渡し、ミルクたっぷりのコーヒーを啜った。]
[一瞬だけ外された、女性の視線に含まれる観察眼を、気に止めることも咎める事もなく(>>25)]
良かった。同じ感じ方のひとが居て。ちょっとホッとしました。
[囁くように弱い、声の高さで会話に繋げる。
テーブル席に腰掛ける彼女が、メニューを手に取る様を見届けては、手のひらで光る電子端末の文字を確認し]
『イヴの時間』って…なんか謎めいた名前だね。どんな意味があるんだろう。
[おもちゃを見つけた子どものような笑みを浮かべ、セイジはもう一度店内を*見渡した*]
お友達?
あぁ、ハツネの…、さっきまで居た髪の長い女の子のことかな?
[近くに座る女性の言葉(>>33)に少し考え込み]
姉弟なんです。双子の。ちっとも似てないけど…。
[苦笑混じりに言われ慣れた指摘を先に述べ、気にもとめない雰囲気を纏う。穏やかな店内の空気を乱さないように。]
あ、お姉さんは元々この辺は詳しいのですか?
初めて、なんですよね? この店に来るのって。
[所々で上がる「あつい」声(>>27)(>>30)に、同情するような目を細めて。
アルファベットを追う視線の邪魔にならないように問いかけた*]
よく言われます。
[「ガールフレンド」。
どこか懐かしく耳慣れない、こそばゆさとモダンさとを感じる問いかけ(>>44)に、セイジは口角を柔く上げて]
他の双子達は何処まで通じ合えているか判らないけど…。
僕らはね、解っちゃうんですよ。ハツネ…、僕の前に来た子が誰と話したか、何を頼んだか、そして僕が食べたこのケーキの味まで、ね?
[「まるで機械か何かみたいでしょ?」
店のルールに従い、音として奏でず紡いだ言葉を投げかけて。
セイジはコーヒーを啜った。]
どれも美味しいです*
憧れ、る?
[怪訝そうに見られたり、疎まれる事が多かっただけに、ポルテの言葉はただただ不思議で。]
――ぶほっ…、す、スミマセン…咽せちゃって。
でも確かに……。無条件で何もかも分かり合える相手が居ることは、幸せかもしれませんね。
[自身が告げたメニューへの感想に、笑顔を浮かべるポルテに笑顔で返し]
マスターは、美味しい物や嬉しい事を分かち合えるひとは、居るんですか?
[尋ねるのは、ただ子どもの好奇心]
アダムの居ない…、誰のものでもない、ひとりの時間、とか。
[オトハの意味を探るような呟きに、独り言を重ねるような連想を描き目を細める。]
えぇ。双子、なんですよ。お互い影の薄い。
だから一緒に居ても気付かれないんです。
[苦笑混じりにテーブル席のオトハに返して。
尤も客同士があまり干渉し合わない喫茶店。存在の薄さなど、端から関わりのない話だろうけど*]
ホント? ハツネと似ているだなんて嬉しいな。いつも『似てない』ばかり言われるから。
[ぱっと目を開いてモミジに振り向き(>>55)、嬉しそうな口振りを。
初めてと語られる唇と、黒蜜をつつく仕草に、再び投げかけるは、当たり障りのない答えを待つ問い。]
仕事か何かで、この街に着たの?
生まれつきひとりではない者の時間、か…。
夢があって良いな。
[広くはない店内。自然と広がる会話の輪に和む。]
僕たち双子は、初めからひとつなので。
多分…そう言う意味では、彼女等とは違うのかもしれません。
[イヴの時間の憶測的な関係上では、自分達には当てはまらないだろうと、オトハにはそう返して。(>>59)]
本の名前、かぁ。
[答えを持って居る少年の声を聞き、興味深い眼差しを送った。]
そっか…。何か悪い事気いちゃったね。
[遠くに視線を逸らすポルテ(>>66)に、肩をすくめ。]
でも、そのひとと過ごした時間は、幸せだった?
[「動かなくなった」。
その表現には触れず。ただ想い出だけを問う。]
翻訳、あぁだから。
[カウンターに見え隠れする、アルファベットの文字とモミジを見比べて。]
お仕事、決まると良いですね。
[紡ぐ、小さな願い。
喫茶店の名が小説家の名と繋がる様を眺め。
セイジは居心地の良い空間に、暫し*微睡む*]
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