……んー…
別に思い出せなくたって困りゃしないけど、なんか…
[先の光景や、自分が海に行かなくなった理由が解らないことが、気にかかって。
水面を見つめたまま記憶を掘り返そうとしていたら、くらくらとした眩暈を感じた]
っ、やば、日陰から出てた…
お茶、や、スポドリ飲もうスポドリ。
え、う、うさ…え、しゃべ…
[驚きのあまりフリーズしているこちらには構わず、>>#2いずこかの童話に居そうな身形の兎は早口で言いたいことだけ言い募り。
何とか気を取り直せたものの丁度兎が『よくわかんないや!』と言い切ったところで、見開いたままの目が限界超えそうな位大きくなった]
は?
いや、ちょ、こっちこそよくわかんないっつか、もっと詳しく教えて欲しいっていうか、
てかあんた何で喋ってんの喋れてんのって、ちょっとまて兎ーーーーーーー!?
[現状諸々に混乱しながらも出てきた疑問やら質問やら投げかけようとしたのだが、それよりも兎の行動の方が早かった]
[ぽんぽんぽーんと軽やかに、しかも5mの高さまで跳ばれてしまっては追いかけようもない。
多分最初っからこっちに応対する気なかったんだろうその行動に、残された少女は唖然と憤然ごちゃまぜな感情で兎の消えていった方角を見つめ]
………手を貸してって言ったって、帰れないかもとか言われたらヤダって言える訳ないし、
でもカタチわかんないのにどうやって探せっていうか、そもそもあんたがよくわかんないっていうかもう、もう…
なんなのよあのウサギーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
[憤りやら不安やら困惑やら、この短時間で身の内に溜まったいろんなものを声に込めて吐き出した後]
………てゆーか、ここ、どこ。
[ようやく周囲に意識を向ければ、見覚えの無い街並みに大輪の朝顔が目に留まった**]
朝顔きれー…って、そんな場合じゃないしっ
てかアタシ、鞄…あった、良かったぁ…
[大輪の朝顔に思わず見とれかけたが、すぐに気を取り直し。
無意識に抱きかかえていた鞄に目を落とすと一瞬安堵するも、表情がへにゃりと崩れ]
…てゆーか、本当、もう訳わかんない、
アタシ川に居たのに何で街ん中にってか本当どこなのココ…
さがすって言ったって、どこかもわかんないとこウロウロして見つかる訳ないじゃんよぅ…
[何時からかじわじわと浮かんできた涙で半泣きになりながら、その場にしゃがみこんだ*]
[打開案がまったく見えなくて、途方にくれて半泣きでしゃがみこみはしたものの。数分もしない内に、腰をあげて顔を腕で擦って涙を拭い]
…わかんない事ばっか、だけど。
ここに何時までも座ってたって仕方ないし。
[とにかく、なにかを探さなきゃいけないのは解っている。
手がかりがないなら、足を使って隈なく探す以外の手は無いだろうと、あて無く歩き始めた。
そのとき、ふ、と気づいたのは]
……ここ、あの海の近くの街にあった雑貨屋さんに…似て…る…?
[店頭に大輪の朝顔を咲かせる店先が、子供の頃足しげく通った海近くの街並みのそれに重なって見えて。
なぜか感じる苦しさに、すぐ視線を外して踵を返した**]
[雑貨屋前から足早に離れ、どれ程経っただろうか。
歩きながら街並みを見ていくにつれ、感じる違和と伴う不安は徐々に強くなっていた。
何時からか耳に届き続けている微かな歌声も、それを助長していくようで]
…なんで、誰も居ないのよぅ…
[おそらく商店街だろう店の連なり。
ラインナップを見る限りでは繁華街とまではいかないものの、そこそこの賑わいはありそうだ。
なのに、人影が一つも無いのが不自然極まりない。
まるで街の住人が丸ごと消えてしまったかのような、こんな場所で一人きりということがより怖さを増して]
なんか、理由でもあるの…?
[何で自分が此処にいるのか、どうして誰もいないのか。
それ以外にも、不思議に思うことの幾つかに対しての疑問を声に出しながら無人の街並みを進んでいく。
耳に届く歌声をかき消さない程の、波の音には気づいていたけれど。
その音の聞こえる方に足を向けようとしていないことには無意識気づかないまま、あてもなく歩みを進めていた**]